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就活や転職の前に自分の土俵になる強みを理解する(ストレングスファインダー活用法)

こんにちは、ストレングスファインダーコンサルタントの中村太一です。


6/1から公式の就活解禁(例年前倒しされてますが)というニュースを見ましたので、掲題の通り、本日は就活や転職に関するストレングスファインダーの使い方を書いてみようと思います。


あらゆる場面で応用が利く内容でもありますので、就活・転職活動をされている方はもちろん、今の職場でもっとパフォーマンスを出したいと思われている方、チームのパフォーマンスを上げたいと思われているマネージャーや経営者の方にも、楽しんで読んで頂けるのではと思っております。


さて、就活・転職についてですが、実は私は学生時代から、人の強みを言語化すること、そして、その人が希望する企業に対し、その強みをどのようにアピールすれば受かりやすいかが何となく分かる謎特技があり、友人や後輩からよく就活・転職の相談を受けていました。大学卒業後も、今度は友人たちの弟や妹の就活サポートを依頼されたりと、気づけば絶え間なく就活や転職に関わっています。

私自身もその謎特技の恩恵で、通算内定率は約90%(1度の新卒就活+2度の転職で計20社ほど受け、落ちたのが2社さん)と、内定を頂くことに関しては得意な方なのではと思います。

(ただし、入社したあとに苦労しないかどうかはまた別の問題、というのは過去記事に書いた通りです。笑)


今となっては、自分の持つ「最上志向」×「戦略性」×「コミュニケーション」という3資質の掛け算で出来ていた芸当だと分かりますが、当時は無自覚に、まさに何となくでやっておりました。


そして現在、自分が会社の管理職として採用側も経験し、更にはストレングスファインダーの専門知識も得たことで、より一層相談される機会は増え、自分がやっていることの言語化もできるようになりましたので、今日はその1つをご紹介しようと思います。

なお、世の中には就活・転職の1~100までを網羅するような体系的ノウハウもたくさんありますので、そういった基本の上に積む、補助戦略の1つとして参照頂けますと幸いです。



1.自分の「土俵」の上で話せる状況をつくる



今日ご紹介する考え方がこちらです。


自分の「土俵」の上で話せる状況をつくる


よくスポーツなどの勝負事で「自分の土俵で戦う」「自分の得意な土俵に相手を引き込む」といった表現を見聞きされた方も多いのではないでしょうか。

就活・転職の本質はマッチングですが、限られた枠を多数が争うという側面もあるため(横並びの新卒就活は特にそうですね)、ここではあえて勝負事に例えてお話をさせて頂きます。

ES・履歴書を書いたり、面接の準備をする上でよく聞くお悩みの1つが、考えることが多すぎて収集がつかなくなる・無数に対策をしなければいけない気がしてどうしていいか分からないということでした。


「~~と質問されたらどう答えようか」

「面接官がたまたま○○なタイプだった時はどうしたらいいのかな」

「この前友人が~~と聞かれたと言っていたけど、そんなことまで聞かれたりするのか・・・!自分だったら答えられる自信がないよ・・・」

と、こういったことですね。私も自分で最初に就活をした初期のころは、似たようなことを経験した気がします。


ただ、これにはシンプルな対処法がありまして、それが、面接の場で聞かれること・対話内容・方向性を自分でデザインする、ということなのです。これを私は、自分の得意な「土俵」で話す、と表現しているのです。


そもそも、就活・転職におけるコミュニケーションをリードするのは、実は採用側ではなく候補者側です。

採用側は「うちはこういう人が欲しいです」というテーマ設定を事前に行う役割は持っていますが、いざ面接の場で聞くことは基本的に事前に提出されたES・履歴書に則って進んでいきますし、アドリブ的に会話や質問が盛り上がったとしても、それもやはり多くの場合は候補者さんが用意・発言したものに沿う形で進んでいきます。


そう、徹頭徹尾、コミュニケーションの部分は候補者側が設計可能であり、もっと言えばリードする役割を求められてさえいるのです。


なので、相手の会社さんのニーズに刺さるであろう領域、かつ、自分の強みを深く語れる領域(2つの円が重なる場所)はどこになるだろうと考え、事前に土俵をつくる準備をしっかりしておくと、多くの場合はその経路に沿って会話が進行しますので、準備は最小限で、それでありながらしっかりとご自身の魅力(採用すべき理由)をお伝えすることができるわけです。


2.「土俵」を決めやすくなるのが「強み」


さて、そうなるとその2つの円の重なり(会社側が求めること×自分の強み)を探るということになるわけですが、後者の「自分の強み」のところで悩んだり、迷走してしまう方が多いように見受けられます。

なぜかというと、その会社が求めていること・重視していることは基本的に募集要項や採用ページに記載されており、「答え」が開示されているようなものだからです。今はOBOGの口コミサイト(会社レビュー)なども充実しており、「答え」を直接的に推測する難易度はどんどん下がっています。


その一方で、自分の何をアピールすればよいのかについては、選択肢が無限にある上に、そもそも自分の「強み」が何か自覚できていないと、考えようがないから難しいというわけです。

よって、自分をよく知る方々からのアドバイスや、ストレングスファインダーのようなツールを使い、まずは自分の「強み」はいったい何なのか、客観的に理解をするところから始めることが大切なのです。

そして土俵が分かってしまえば、重点的に準備するポイントが相当絞れるということですので、効率的かつ丁寧に深い準備が可能になり、成功確率を大きく高めることに繋がるわけです。



3.「強み」の結果で行ける場所が制限されることもありません


最後に少し補足のお話です。この話をすると


「じゃあ、自分の希望企業や希望職種の円と、自分の強みの円が重ならない場合は諦めたほうがいいんでしょうか」


と質問されることも多いです。ですが、回答としては「強み」によって行ける場所が制限されることは決してないということになります。どんな資質を持っていたとしても、成功するやり方は必ずあります


例えば以前、ご相談に来た方とこういったやりとりをしたことがあります。


相談者さん:新規事業をバンバン行うある会社を志望しているのですが、ストレングスファインダーを受けたところ「慎重さ」という、失敗を嫌い、失敗確率を下げることが得意なリスク管理の資質が高くでました。新規事業をやる会社に行きたいのに、失敗が嫌いでリスク管理が得意なんて、自分には適性がないのかとガッカリです。アピールしようもないですよね・・・


私:いえいえ、決してそんなことはありませんよ。「慎重さ」をお持ちなくらいですから、おそらく過去に事前に徹底的にリスクを洗い出して対処したエピソードや実績をお持ちではないですか?


相談者さん:そうですね。学生時代に文化祭実行委員をやった時の話ですが、当日の天候が読めないので晴れの場合と雨の場合の進行シナリオを2つ用意したり、去年発生したトラブルを先輩からヒアリングして、各トラブルの対処方法や緊急連絡先をまとめたマニュアルを新たに作成して配布したところ、当日も大いに活用されて感謝されたということがありました。


私:素晴らしいエピソードじゃないですか!新規事業開発でも、不測の事態に備えて進行する力は当然重宝されますよ。『リスク管理の気質を活かして細かいことも丁寧に行い、致命的な失敗や手戻りを防ぐことで新規事業開発に貢献したい』とアピールしてみてはいかがですか?チームに1人は欲しい人材と思われるのではないでしょうか?

相談者さん:確かに!リスク管理に関してなら、いつも考えているので、いくらでもアピールできる自信があります!その土俵で勝負します!

このように、一見すると行きたい会社や職種と相性が悪いように思える資質であっても、いくらでも活用する方法があるのです。更に資質が分かることで、その人が持っている魅力的な強み・エピソード・実績を効果的に探索することも出来るので、その点でも非常に重宝します。



また、この話は就活・転職の場面でのみ有効というわけでもありません。

今の職場で自分の力をもっと伸ばしたいと思われている方や、育成・マネジメントを担当する役職者さんや経営者さんにとっても、人の強みに沿って「土俵」を考えたり、やり方を変えるだけで、得られる伸びしろや可能性がまだ沢山あるということでもあります。


ストレングスファインダーは本当に汎用的なツールで、人や仕事に関わるあらゆる場面で、心強い味方となり、価値を提供してくれます。

ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。


終わりに


ストレングスファインダーは自分の特性を知り、そして、強みを乗りこなしてポテンシャルを引き出せるようになる本当に優れたツールです。

また、私の仕事はそのストレングスファインダーの結果を使い、より深い示唆が得られる掛け算分析によって、具体的な強みの可視化や、ご自身やご自身の組織に合った戦略・解決策のご提供をすることです。


それが助けになる方には直接お手伝いができればと思いますので、興味をお持ちの方はぜひこちらの自己紹介記事資生堂さんでのワークショップ事例も、ご一読頂けますと幸いです。


「人の”強み”を活かす文化と技術を、日本と世界の多くの人や組織に伝える」というのが私の目標で、こういった考え方に共感して下さる方を増やしたいという思いでこのブログも開設しました。

今後もフォローなどで応援いただけると嬉しいです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう!



雑談あとがき


以下雑談です。


先週は祖母のお見舞いも兼ねて実家の佐世保に帰省しておりました。

久しぶりに子供のころの通学路を散歩したりもしまして、さすがに実家を出てから15年も経つと多少の風景の変化もありましたが、その土地の、道の、「匂い」はずっと変わらないのですね。

「匂い」から記憶が蘇り、子供のころの感覚を久しぶりに味わうような、おだやかな時間でした。






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