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フルマラソンビギナーへのアドバイス

今年こそは、あるいは今冬こそは「フルマラソンに挑戦してやろう!」とお考えの方は、レースの6ヶ月前からを始めた方が良いかもしれません。

その理由に科学的根拠は無きにしもあらずですが、元サブスリーランナーとしての経験と、S&Cプロフェッショナルとしての知識と経験から考えれば、身体の適応と大会前の調整を踏まえ凡そ6ヶ月の準備期間が必要だと考えられるからです。

さて、フルマラソンに挑戦するために何が必要かを考える時、多くの人が最初に思い浮かべるのは「持久力を向上させる」、いい換えると「心肺機能を向上させる」ことではないかと推察されますが、フルマラソンビギナーにとって最も必要な要素は、(特に)下半身の関節組織(主として靭帯)と筋-腱組織の強さに他なりません。

「マラソン」と聞いて多くの人は、学生時代の体育授業での持久走を思い浮かべ、何とも息苦しくて辛い経験を思い出すのではないかと想像しますが、一般の人がフルマラソンを完走する上では学生時代に経験した持久走での苦しさと辛さは全く必要ありません。

いい換えれば、一般の人がフルマラソンを走っても、学生時代に経験した持久走の苦しさと辛さを感じることはありません。

それより何より42.195kmを移動する間に繰り返される足の接地衝撃によって、足が痛い、膝が痛い、腰が痛い、脚が動かないという経験をする筈です。

つまり、フルマラソンビギナーにとってフルマラソン完走を妨げる要因は、接地衝撃からくる脚のトラブルであるといえる訳です。

そして、その脚のトラブルを防ぐためには接地衝撃に耐えうる能力、すなわち下半身の関節組織の強さ、筋-腱組織の強さを獲得することであり、そのためにはウエイトトレーニングが不可欠であるといっても過言ではありません。

「ランニング時の接地衝撃に耐えうる能力を鍛えるんだったら走って鍛えれば良いじゃん!」と考える人も多いかもしれませんが、そもそもウエイトトレーニングは筋-腱組織を強化し、関節組織をも強化する運動ですので、ランニングによって、それらの組織を強化するよりも効率的かつ効果的であり、その効果はランニングの比ではないのです。

更に、フルマラソン挑戦に向けて当然ランニングトレーニングも積み重ねていかねばなりませんが、そのランニングトレーニングにおいても接地衝撃という負担がかかることになりますので、フルマラソン挑戦に向けてランニングを始めたら膝が痛くなりランニングをやめてしまった、なんてことにもなりかねない訳です。

いい換えれば、ランニング(トレーニング)で、ランニング時の接地衝撃に耐えうる能力を高めようとしても、その過程で(能力を高める前に)脚のトラブルを引き起こしてしまう可能性があるのです。

従って、フルマラソン挑戦に向けては何よりウエイトトレーニングが不可欠であるということになりますが、勿論、ウエイトトレーニングに合わせてランニングトレーニングも実施する必要があります。

上述した通り、フルマラソンビギナーにとってフルマラソン完走の制限要因は心肺機能ではなく下半身の関節組織や筋-腱組織であるといえるのですが、日常生活レベル以上の心拍数で42.195km走り続けるだけの持久力は必要になり、その能力はある程度ランニングによって養う必要性が出てきます。

これらのことから、1週間のうち1日の休養日を設け6日/週のトレーニングを実施することを想定すれば、週4日のランニングトレーニングと週2日のウエイトトレーニングを実施することが理想的なトレーニング計画だと考えられます。


【週休2日のビジネスマンのトレーニング計画例】

月:休養日

火:ウエイトトレーニング

水:ランニングトレーニング

木:ランニングトレーニング

金:ウエイトトレーニング

土:ランニングトレーニング

日:ランニングトレーニング


そして、具体的なトレーニング内容についてですが、ランニングトレーニングに関しては、まず2-3ヶ月間で60分間走り続けられるようにすることを目標に、更に60分間で10km(6分/1km)走れるようにすることを目標にトレーニングすることをお勧めします。

経験則ではありますが、下半身の関節組織と筋-腱組織に十分な強さがあり、6分/1kmのペースで走ることが出来れば、まず間違いなくフルマラソンを完走出来ることを保証します。

そして、6分/1kmのペースで走れるようになってから、更にフルマラソン挑戦までの準備期間があればある程、充実したランニングトレーニングを重ねていくことが出来ますので、完走だけではなく、より良い結果を目指すことが可能となります。

また、ウエイトトレーニングの内容については下半身のエクササイズを中心とする基本的なウエイトトレーニングで問題ありませんが、不適切なウエイトトレーニングを実施して逆に関節組織等を痛めてしまっては元も子もありませんので、当方までご相談頂ければ信頼出来るトレーニング指導者をご紹介致します。

最後に、ウエイトトレーニングを実施すると身体が重くなったり、持久力にマイナスの影響を及ぼすのではないかと考えている方に一言。。。

安心して下さい!

そもそも、ランニングに代表される持久系運動は異化作用の高い運動(簡単にいえば、身体組織を分解する作用が高い運動)ですので、ランニングトレーニングに合わせて2回/週程度ウエイトトレーニングを実施しても身体が大きく、重くなることはありません。

いい換えれば、ウエイトトレーニングの効果としての同化作用(合成作用)よりもランニングトレーニングの異化作用(分解作用)の方が大きいので身体が大きくなったり、身体が重くなるということはないのです。

また、多くの先行研究によって、ウエイトトレーニングを実施しても持久力にマイナスの影響を及ぼすことはないことが明らかにされていますので、ウエイトトレーニングがフルマラソン完走に悪影響を及ぼすことは全くありません。

今冬にフルマラソンに挑戦したいとお考えの方は是非ご相談下さい!!

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