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資料作成のプロが推薦!データの歪みを見抜くための必読書

こんにちは、ストリームライン広報兼デザインマネージャーの小川です。
年間およそ150のスライド資料のデザインに携わる中で、私が常に心掛けているのは「データを正しく伝える」ことです。今日は、データの歪みを見抜く鋭い眼を養うのにぴったりの一冊、「グラフのウソを見破る技術 マイアミ大学ビジュアル・ジャーナリズム講座」をご紹介します。

私たちは日々、SNSや広告、メディアを通じてさまざまなグラフやチャートを目にします。これらのビジュアルは一見すると非常に魅力的ですが、時にはそれが実際のデータ以上の印象を与えてしまうことがあります。特に統計やデータが複雑である場合、視覚的な演出が事実を歪める原因となることも少なくありません。本書では、グラフがいかにデータを歪め得るか、そしてそれをどう見抜くかを具体的に教えてくれます。

著者のアルベルト・カイロはデータジャーナリストであり、グーグルや欧州連合(EU)をはじめ、数多くの企業や公的機関に対してコンサルティングやトレーニングを提供してきた情報デザインのエキスパートです。

本書では、パイチャート、地図グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図など、175個の具体的なグラフを使用して、気候変動、選挙報道、健康問題、映画の興行収入など、多岐にわたるテーマについて誤解を招く可能性のあるデータを分析しています。

例えば、視覚効果を使った歪曲の例として、ある企業の売上高を記録した折れ線グラフが紹介されています。このグラフをぱっと見ると“成長を続けている企業”と思えるかもしれませんが、実は都合のよいアングルを選んで成功を誇張している表現です。

出典 アルベルト・カイロ (著), 薮井 真澄 (翻訳) 『グラフのウソを見破る技術 マイアミ大学ビジュアル・ジャーナリズム講座』 ダイアモンド社 2020年 p66

同じデータを平面に直すと、2018年の売上高がピーク時の2013年を下回っていることがはっきり分かります。

出典 アルベルト・カイロ (著), 薮井 真澄 (翻訳) 『グラフのウソを見破る技術 マイアミ大学ビジュアル・ジャーナリズム講座』 ダイアモンド社 2020年 p67


このような歪曲の例を見ると、データをどのように見せるかがいかに重要かが分かります。私たちストリームラインは、データを視覚化する際に以下のポイントを特に重視しています。

データを視覚化する際に気をつけるポイント

1. 3Dグラフは使用しない:データを視覚化する際には、データの正確性を最優先にしています。3Dで手前を大きく見せる視覚効果やデザインに惑わされず、正確なデータを伝えることが重要です。

2. データの出典は明示する : グラフやチャートの作成時には、データの出典を明示するようにしています。これにより、データの信頼性を保ちます。

3. グラフの目盛り間隔を歪めない:棒グラフや折れ線グラフの縦軸や横軸が恣意的に歪まされることで印象がガラっと変わってしまうことがあります。目盛りの間隔は一定に保つことで、視覚的な誤解を避けます。

4. 棒グラフの起点は0にする: 棒グラフが0から始まっていないために実際以上に比較しているデータの差が大きく見えてしまうことがあります。数値の違いを面積で示すことでわかりやすくする棒グラフでは、起点は0にすることでデータの比較が正しく行えます。

5. 数値と図形から受ける印象に乖離はないか : グラフやチャートの作成時は必ず数値も確認してデータが正しく図形に反映されているかを確認します。

私たちストリームラインは、これらのポイントを基に、高品質で信頼性のある資料を提供することを心掛けています。複雑なアイデアや多くの情報を瞬時に理解しやすく伝えるためにグラフやチャートを用いることは効果的ですが、見せ方を作為することなく、正確な情報を伝えることが非常に重要です。
本書は、正しい情報を伝えるためのグラフ・リテラシーを磨くのに役立つ一冊です。ぜひお手に取ってみてください。



最後までお読みいただき有難うございます。
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