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この国に生まれたなら

お疲れ様です。
相変わらずの状態が続いておりますが、飲食業の方はいろいろ時間ができるけど先行きの不透明さで不安な日々を過ごされていると思います。老舗の閉店も相次ぎ柴又の川甚も230年以上の歴史に幕も閉じます。また一つ貴重な食文化が潰えてしまいます。
そんな中で無自覚のうちに心身共にストレスがあるかもですが、今はご自身のために投資をする時間と割り切り新しいことに試してみてはいかがでしょうか?
自分も少し時間ができたのでASI(国際ソムリエ協会)のソムリエの試験勉強に使ったり、セミナーの準備をしております。

31日に日本ワイン業界セミナーというものをGoogleMeetにて開催いたします。
ホントは試飲しながらやりたかったのですが、、
どちらかというとマーケティングや業界の展望について色々お話しします。
興味のある方はご連絡いただければ幸いです。

そんなレジュメを作りながら思い出したのが去年の青森に行った時でした。

「青森って実はポテンシャルを大きく秘める産地なのでは?」と思い立ったのと青森支部のセミナーがおととし伺ったサンマモルワイナリーの社長が講師をされるので行ってきました。

「弘前でネッビオーロを植えてワイン作っているオーナーシェフがいる」

それを見に行こうと早速弘前へ

http://dasasino.com/

OSTERIA ENOTECA DA SASINO
弘前駅から岩木山へ自転車で進むこと30分くらい。

畑はもともと水田だったところで2ヘクタールほど。ネッビオーロやシラーマルヴァシア、シャルドネなどを植えております。ちなみにオーナーの笹森さんはマグロも釣ってお客様へ出すほどの釣り好きです笑

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素晴らしいお料理ですべて青森産の原料を使用しております。

値段もワインを込みで20000円前後

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自家農園のハーブティーもついてきます


ワインも素晴らしかったのですが、笹森さんとお話したことがすごい俯瞰でよかったのでご紹介を

笹森さんの経歴は先ほどのホームページから確認できますが現地イタリアでも修行されていた時のことだそうです。

イタリア人のシェフから


「キミのとこの料理は何が有名だい?」


と聞かれました。

「寿司や天ぷらが有名ですね」



と答えたそうです。

まぁ当然だよな。無難だよなと思ったのですが、シェフが次のように言ったそうです


違う!キミの郷土では何が有名なんだ?

日本なら寿司や天ぷら?当たり前だろう。

どこでも食べられるしおいしいだろう。

イタリアも日本も南北に長い。

だからこそ土地に見合った文化があるんだ。

キミのとこもそうだろ?

それは笹森さんにとって衝撃だったそうです。

弘前出身からすれば食文化ってなんだ?


合わせる酒ってなんだ?

無理してイタリアン作ってイタリアのワインを合わせることを地元でやる意味あるのか?

そこで閃いたのがカンパニリズモという考えでした。

Campanilismo: カンパニリズモ。
イタリアでは教会の鐘の音が届く所までが自分の人生のテリトリーという、考え方があります。たとえばシンプルな前菜のカプレーゼ。サスィーノのカプレーゼは地元のミルクから作った自家製のモッツァレッラと自家農園のフルーツトマトとバジルが材料となります。サスィーノでは食のカンパニリズモを弘前で表現してまいりました。そしてこれからも。
サスィーノが奏でるカンパニリズモをお楽しみください。
(ホームページより引用)

地元青森の食材を使い青森のお酒や飲み物と楽しんでもらう。

その実現のために自身で畑を拓き民家を改築しワイナリーを作りました。

正直1本8000円するネッビオーロは安くないですがグラスで笹森さんの料理と楽しむというのは贅沢な体験でした。あのお店でしかできないでしょう。

そんなことをふと思い出してこの前のエクセレンスの実技プレゼンテーションを振り返ってみました。

地産地消の組み合わせ。奇をてらった組み合わせ。色々だったなぁと。しかし再現性は高く、ご家庭でも可能なものでしょう。

今飲食店は苦境に立たされています

お寿司屋で日本酒を


フレンチでフランスのワインを


イタリアンでイタリアのワインを

魚料理に白ワインを

肉料理に赤ワインを

鉄板に推してくる組み合わせです。

でもそれってもう自宅で再現が可能になっています。

料理はデリバリー・テイクアウトで持ち込めば簡潔でしょう。

グラスも食器もワインもお店より素晴らしいものを揃えてる方をSNSでよく見ます。

マスターオブワインである大橋健一さんも

飲食店でしかできない再現性の低いパフォーマンス


が生き残るカギとされています。

その料理に併せるべき飲み物は?

だからこそ柔軟性のある思考が必要になります。

試行錯誤あるでしょうがハナから「ウチはそういう店じゃないから」って停止思考では意味がないと思います。

ソムリエだろうがそうでなかろうが柔軟性のある変化球が必要な時代が来ます。今までクラシックな直球が強かった店であればなおさらです。

そして日本であるならば日本のお酒文化を取り入れつつ学んでいただければなぁと。

日本酒・焼酎・ウィスキー・ワイン・スピリッツ・シードル・ビール

多岐にわたるこの文化が日本にはある特異な産地です。


エクセレンスを取った以上はさらに何が出来るかとレジュメを作りながら閃きました。

日本の酒文化の伝播

これを今年のミッションにしよう

そのために近いうちにまた全国各地へ飛び回りそうです。


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