経営者が求める、経理人材の資質とは。
こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。
会社の外側から経理の方とお話しすると、
「頑張っているのに、評価してもらえない」
「経理だから業績評価もないし、仕方ないよね」
という声を聞くことがあります。
私自身、ひとり経理やチーム経理の経験があるので、同じように感じていたこともあります。
ただ、経理だから評価されないということではなく、自分が思う以上に経営者は適切な評価をしていることが多いかもしれません。
私が経理部員で不満を感じていたときの、自分が理想とする経理人材はこんな感じです。
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一方、経営者にとっての優秀な経理人材は、こちら。
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このグラフは私のこれまでの経験上のものなので、「違うよ」という経営者もいらっしゃるかもしれません。ただ、経理人材に満足していない経営者の方に話を伺うと、こんなグラフになることが多いです。
このコミュニケーション能力、具体例はこんな感じでしょうか。
(経理マネージャー)
・経営者への説明がわかりやすい。
・自社の事業内容とその魅力をわかりやすく説明できる。
・他の部署との連携がスムース。
・経理部内での連携がスムース。誰がいつ休んでも大丈夫。
・金融機関対応を任せられる。
・監査法人対応や税理士法人対応を任せられる。
(経理部員)
・自分の担当作業をわかりやすく整理し、必要に応じて改善提案する。
・経理部内で情報共有ができる。
・資料がポイントを押さえていてわかりやすい。
・業務上のルールや仕組みの無駄や不具合を見つけ、改善提案ができる。
当然ながら、経理としてのコミュニケーション能力を上げるためには、簿記・会計・財務・税務などの知識や経験も必要です。ただし、それらの知識や経験は単なる共通言語に過ぎず、経営者が本当に求めているものとは違うかもしれない、ということは知っておく必要があると思います。頑張る方向性を誤ると、間違った不満を抱えてしまうからです。
悲しいことですが、優秀な経理人材が自社にいても、いちど失ってしまうと、同様に優秀な経理人材を新たに採用することは至難の業。多くの場合、会社が混乱します。
経営者の方には「自分にとって当たり前のことができる経理人材=優秀な経理人材=高いコストがかかる人材」という認識を持って頂くことも、安定した企業経営の第一歩かもしれません。