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強い経理のつくりかた

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強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
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2024年1月の記事一覧

「強い経理」とは、何か。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 「強い経理を手に入れて長寿企業になるために、経理は何ができるのか」ということでnoteを始めてみましたが、この「強い経理」とは何かについて、改めて整理してみたいと思います。 強固な経営基盤強い経理とは、会社が安定性のある高収益体質で、財務基盤が強固である状態だと考えています。具体的には、下記のような状態です。 【1.資金繰り】 ・資金繰りが会社の命であるため、資金繰り対策に万全の対策を施している ・キャッシュフローを

【雑談】今でも迷う、所得税法第204条第1項。~報酬の源泉徴収の話~

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、フリーランスの方の源泉徴収の話をします。支払側企業の顧問税理士として、報酬の源泉徴収の判定は迷うことが多いです、という雑談です。 本当に「限定列挙」?フリーランスの方に支払をする際、一定の場合は所得税の源泉徴収が必要とされていますが、その一定の場合は「所得税法第204条第1項に限定列挙」とされています。 ここで「限定列挙」と書きましたが、実務上は、そこに書かれている意図を読み取って判定することになります。例えば

【経理】支払の「勘定科目は何か?」を考えるポイント。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 税理士としてよく受ける質問の1つに、「この支払いの仕訳をしたいのですが、勘定科目は何にしたら良いですか?」というものがあります。会社の状況やケースに応じて考えるポイントがありますので、今日はそのことについて書いてみたいと思います。 勘定科目に迷う理由一定規模以上の会社であれば、支払申請上で申請者が勘定科目の指定をするので、余程のことがない限り、経理部が勘定科目を考えるということはほとんどないと思います。そのため、勘定科目

変化の時期に明らかになる経理の問題は、根本的な問題。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 年明けから、12月決算対応や1月提出書類の準備などに追われていますが、会社さんからご相談頂く案件も増えてます。 変化の時期に、経理の問題は表面化する。そもそも忙しい時期であるのでご相談も多いのは当然ではありますが、特に今の時期は、2023年10月に始まったインボイス制度対応や、2024年1月に施行された改正電子帳簿保存法など、変化が重なっている時期でもあります。 ご相談に至った経緯を伺うと、その根本には重要な経理の問題

【中小企業の経理】固定資産管理、どうやっていますか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、中小企業での固定資産管理について書きます。固定資産が多い会社では既に管理に取り組んでいると思いますが、特に「うちの会社は、固定資産があまりないから」と、特別なルールを設けていない中小企業で起こりがちな問題があります。 ①固定資産管理を甘く見ると、後々面倒なことになる。毎年1月末は償却資産申告の期限なので、ここ最近は、各社の固定資産台帳を改めて見直しています。 <固定資産台帳の見直し手順> ・1年間の固定資産の取

【新人経理向け】レポートを提出する前に、1日おいてから見直しをしよう。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 経理や会計事務所職員などの数字を扱う人は、作成したレポートを提出する前に、時間をおいてから見直しをしよう、という話をします。 ・人によって、ミスしやすいパターンがある。経理や会計事務所は繁忙期の真っ只中かと思いますが、このような時期にこそ、ミスをしない工夫が必要です。自分のミスによって自分の工数&レビュワーの工数が増える上、自分の評価が上がらない、という負の連鎖は避けなければなりません。 レビュワーを長年やっていると本

経理のコミュニケーションツールとして「電話」はダメなのか、という話。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、経理のコミュニケーションツールとして「電話」はダメなのか、という話をします。 ・電話不要論は、自分の意見なのか?近年は「ビジネスに電話は要らない(=というか、仕事の邪魔なので完全に撤廃すべき)」「メールやテキストツールで充分足りる」という風潮が強いですが、本当にそうなのでしょうか。 個人的な所感としては、仕事を行う上でテキストツールだけでコミュニケーションが成り立つのは、「子供の頃からお互いをよく知っている」「

経理は、税理士に何をやってもらうか考えよう。

こんにちは。きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、会社が契約する会計事務所や税理士法人に、何をやってもらったら良いのか、という話をします。 ・会計事務所や税理士法人には何をしてもらったら良いのか? 「税務申告書作成や税務調査立会以外に、税理士の仕事って何かある?」というのが一般的な感覚でしょう。ただ、経理経験がある自分としては、もっと税理士を活用したら良いのにな、と思うことがよくあります。 契約の問題もあると思いますが、BIG4の税理士法人でない限りは完全な

経理は、間違っていると思ったら、必ず経営者に伝えよう。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 2024年最初の投稿なので明るい内容を書こうと思っていたのですが、今、思いの向くまま、そのままを書きます。 昨年、2023年は、新型コロナウィルス感染症対策が緩和され、企業の在り方も大きく変わった年でもあります。 例えば、、、 ・コロナによる営業落ち込みがあったが、また、戻ってきた。 ・コロナ特需を経て、売上が落ち込んでしまった。あの時に設備投資や人材投資したのに、回収できない状況だ。 ・コロナ特需が落ち着いてしまっ