見出し画像

晴れた日のインドアは、贅沢

西向きの窓から入ってきた朝日は、まだ鼠色を呈していた。

前日の天気予報を見てみたら、雲の間から太陽が覗いているマークだった。
7月に入ってから、関東では、梅雨がきっちり仕事をしている。
そのせいで、青空は久しくみていない。

朝起きると、西向きの窓はまだ鼠色を虚に写していた。

雨が降っていないだけマシと思いながら、のっそり起きて洗濯機をまわす。

簡単な部屋の掃除などを済ませて外を見てみたら、少し青かった。

洗濯物を干す頃には、日差しが地上へ注がれる時間が伸びていて、気がつけば、これまでの雨模様が嘘のような梅雨の合間の晴れた空が広がっていた。

真横にぶっ倒れたホワイトゴーストを植え替えて、
枯れてしまった植木鉢を綺麗にして、
風にそよぐ洗濯物を眺めて。

思い出したように、エアコンのフィルタを掃除する。

午後はさすがに暑かったので、今年初めてのエアコンをつけた。

涼やかな部屋で、メローな曲を聴きながら、西に傾いた日に照らされたベッドに横たわる。

晴れた日のインドアは、最高の贅沢だと、わたしは思っている。

エアコンの風に揺れるカレンダー。

梅雨の合間の晴れ間を駆け抜ける風に揺られる洗濯物。

その陰影が落ちているベランダの植物たち。

やらなきゃいけないこと、やりたいことを全てほったらかして、この一瞬の贅沢に溺れる。
そんな梅雨の晴れ間の午後。

これを「幸せ」とか「贅沢」とか思えるから、きっと今まで生きてこれたのではないかと、ふと思う。

おしまい

頂いたサポートは、note記事へ反映させます! そしてそのサポートから、誰かとの輪が繋がり広がりますように...