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音が溢れる静かな夜

少しずつ部屋の中が「暑い」方へ、ベクトルを向け始めている最近。
日中に窓を開けていてもちょうどよい気候になってきた。

夜、窓を開けて深夜の外の音を聞きながら眠るのが好きだ。

以前住んでいたアパートでは1階に住んでいたので、窓を開けて寝るなんて不用心な事は出来なかった。
けれど比較的交通量のある道路に面した3階に住んでいる現在、気候が良ければ気兼ねなく窓を開け放って寝ることが多い。

駅から徒歩5分以内の距離なので、高架上を走る電車の音が聞こえる。

目の前の道路を通る車やバイクのコンクリート場を滑る音が聞こえる。

時折、自宅へ向かう人の話し声が鮮明に聞こえたりもする。

ごおごおと雷のような音を立てて飛ぶ飛行機の音もする。

実家も交通量がそこそこある道路に面した一軒家だったので、夜、自動車の往来があるのには慣れている。
寄せては返す波のように、遠くからやってくる音は、大きくなりながら目の前を滑って行き、また遠くへと消えていく。

ベッドに寝ころびながらなんとなく、それらの音を聞いていると、なんだか不思議と落ち着くのだ。

人がいると、ぼんやりと感じる。

それでも一人で部屋の中で音を聞いていると、とても俯瞰した感覚になる。

春と秋、微かにカーテンを揺らして入ってくる外の音を聞く。
静かじゃないのにとても静かに感じる。
この季節のそんな夜が、わたしは比較的好きである。

おしまい

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