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FP&Aキャリア相談③ 大企業の事業管理の方(30歳くらい)

先日、ひとつウェビナーに登壇しました。いつものように、日本企業と米国企業の経営管理組織の違い、米国企業のCFO/FP&A機能についてお話をしました。

FP&AはFinancial Planning &Analysisのことで、日本企業で言えば経営企画・事業管理の仕事ですが、米国企業ではCPA/MBAの人が担当する専門職です。米国企業ではFP&AはCFOの配下です。

ウェビナーの後、個別に連絡をくれた30歳くらいの男性の方(Aさん)がいました。新卒で日本の大企業に入り、事業部門や海外子会社の損益管理などをやってきたそうです。数年間働いて、数字の集計ばかりでいいのかと疑問に思っていたそうです。そこでわたしのFP&Aの話を聞いて、外資に転職した方がいいのかと思い、相談されました。

わたしは、基本的には外資への転職はお勧めしません。もちろん、外資系企業の経営管理は素晴らしく、学ぶことはたくさんありますが、なかなか日本人が本社でえらくなることができません。最近はインド人が米国企業の本社の社長になっているケースが増えてきましたが、日本人が米国本社で経営陣の一人になるケースは聞いたことがありません。

それよりも、今日本の優良企業にいるのであれば、そこをもっといい会社にすることに尽力してほしいです。日本企業の経営・企画・事業管理の人たちをFP&AとしてCFOの下に組織化し、管理会計とファイナンスのプロフェッショナルとして事業の意思決定支援をしてもらいたい。

ところで、たまたま私が登壇した同じウェビナーを聞いて資料請求をしてくれた、Aさんと同じ会社に勤めているBさんがいました。そこで、AさんとBさんの両方に了承を得て、わたしを含めて3人でオンライン打ち合わせをすることにしました。

なんとBさんはAさんより若くて、中途入社でした。大学卒業後に公務員になったが、経営に興味があって、簿記の勉強をしてから、この会社に中途入社して、本社の経営企画部門にいるそうです。

Bさんはとても意識高く、本社経営企画部門にいて、会社の将来を担う中長期の事業計画立案を担当しているそうです。話を聞いて、あまりに優秀さにびっくりしました。

Aさんもとても刺激を受けたようです。せっかくなのでAさんとBさんはこれからも連絡を取り合って、会社の経営管理をよくするように動いていくそうです。

お二人が勤めているのは伝統的日本企業で、経理と経営企画は別部門です。非上場のオーナー企業です。社長・経理トップ、経営企画トップの方々に、ぜひCFO/FP&Aの話をしていただきたいです。

ということで、優秀な若手が日本企業をよくしてくれる予感のする、よい出来事でした。

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