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『エゴ』という名の誤解

親や他者から与えられた『自分はダメな存在だという呪い』を、本来の自分に戻るという『祈り』に変容させ、自分らしさで生きていく事をサポートしているハカセです(^^)
今回は『エゴ』というコトバが大変誤解されているなと感じているので、その事をあなたと共有したいなと想います(^^)

エゴとは

そもそも、エゴというコトバは何を意味しているのか、あなたはご存じでしょうか?
今では独りよがり、自分勝手のような意味で使われているのではないでしょか?
ですが、それは勘違いです。

エゴとは精神分析(自我心理学)の創始者である、ジークムント・フロイトが提唱したコトバです。
元々は、イドと超自我の調整をしてくれる部分の事を言っています。

ここで簡単にイドと超自我のことも簡単に説明しましょう。
イドとは本能的、衝動的な部分の事を言います。
お腹がすいたから食べたい、眠たい、遊びたい等、様々な欲求や衝動の事を言います。
ですが、それらを想い付いたまま自分の欲求を表現することは、おそらくないかと想います。

なぜなら、人には超自我という社会的ルールを司る部分があるからです。
これはTPOといっても、良いかもしれませんね。
いつなら食べていいのか?
どこでなら寝てもいのか?
ここは大声で話していいのか?
等を考えられる部分の事です。

イドは産まれた瞬間からその人の中にあります。
それに対して超自我は、文化的、家族的、社会的にあとから学習されます。

例えば、学校がわかりやすいかもしれませんね。
授業中お腹がすいたとしましょう。
イドに従うなら、お腹がすいた時いつだってどこでだって食べちゃいますよね。
ですが、学校では給食の時間があり、お腹がすいても好き勝手食べられるわけではないですよね。
なので、あなたはエゴを使って『お腹がすいたけれど給食の時間まで我慢しよう』となるのです。

このように社会的規範やルールと、自分の衝動を調整するのがエゴなのです。

エゴは悪者か?

このように考えると、エゴがないと人は社会的に生きていけない人間になってしまいます。
となると、エゴとは悪者ではないのです。
逆にエゴが発達してないと、社会的な規範やルールに支配されてしまったり、自分の衝動に乗っ取られてしまいます。

ここ数年流行っているロジカルシンキングや、メタ認知・メタ思考という分野は、エゴを発達させることに有用なスキルやテクニックだと想います。
エゴが健全に発達すると、社会的規範やルールと自分の衝動をどちらも大切にできるようになるからです。

ただしここで注意が必要です。
あまりにもエゴが強く出過ぎてしまっても問題になってしまいます。
エゴは調整役という役割上、あまり感情を重要視しません。
ロジカルシンキングが特にそうですが、ロジカルに、つまり論理的に考える時、感情はむしろ邪魔者のようになってしまいます。

感情は主観です。
そして、論理とは客観です。
客観的に考える時に参考にするのはデータです。
となると、ロジカルシンキングをすればするほど、主観的ではなくなってしまいます。

おそらくエゴというコトバが悪者になったのは、この客観的な部分によるのかなと想います。
感情を大切にしてもらいたいとき、客観的なアドバイスをもらっても腹が立つだけです(笑)
もしくは、感情的になっている時、淡々と利益だけを話されても冷たくされたと感じてしまいます。

これらが自分の利益しか考えていないとなったり、自分勝手となっているのかなと想います。
ですが、エゴは決して悪者ではないのです。
逆に先ほども言ったように、エゴが健全に発達してないと、社会的ルールを押し付ける人になったり、逆に本当の意味での自分勝手になって、他者をないがしろにし自分の欲求や衝動しか大切にできないようになってしまいます。

エゴ(自我)とセルフ(自己)

エゴは日本語だと自我と言います。
それに似た言葉にセルフ、自己というコトバがあります。
エゴを意識、セルフを自分自身と言ってもいいでしょう。
簡単にいうとエゴよりセルフの方がより範囲が広いのです。

そして、自分自身になるという事は、イド、超自我、エゴ全てが必要です。
その中でもエゴを発達させるというのは大変厳しいのです。
イドは元から自分の中にありますし、超自我は様々な場所や時に勝手の自分の中にインストールされてしまっています。
つまり、エゴだけ自然にはできず努力が必要なのです。

そして、エゴを発達させ、全てとバランスが調整できるようになって初めて私自身(セルフ)になれるのです。
社会的なもの世間的なモノも大切にでき、自分自身のニーズや衝動も大切にできるのです。

少しでも多くの方がエゴというコトバを悪者として使うのではなく、自分自身の大切な一部として使ってもらえたら、私としては大変嬉しいです(^^)


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