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『声百合アンソロジー』発刊のお知らせ

みなさんこんにちわ、夏も終わってすっかり世間も百合の装いになりつつありますね!
というわけで、我らが文芸小説サークル〈ストレンジ・フィクションズ〉がよふかし百合アンソロジー 夜になっても遊びつづけろにつづいて二年ぶりに繰り出す百合号外特集はこちら、『声百合アンソロジー まだ火のつかぬ言葉のように』! 〈声〉をテーマに執筆された七篇を収録。
2023年9月10日(日)に催されます文学フリマ大阪11にて頒布予定です。
ブース番号はH-32! H-32をよろしくお願いします! 百合島です!

紙月真魚がエッチな小説を読ませてもらいま賞を受賞したことによってますますパワーアップしたストフィクレギュラーメンバーに加え、笹幡みなみ(『Rikka Zine vol.1』、『SFマガジン』、『紙魚はまだ死なない』)、谷林守(創元SF短編賞日下三蔵賞)といった豪華ゲストも力作百合を寄稿!

そして! 表紙は! なんと……


声百合表紙

文尾文先生です!!!

よすぎる……(率直な感情の漏出)

以下、収録作のあらすじ紹介(収録順)。

紙月真魚「貝と耳鳴り」

私をずっと想って生きて。わたしは崖の上に佇む。虚空まではあと一歩。耳に残響する彼女の声。まるで今でも傍にいるみたいだ。もちろん彼女はもういない。ただ声だけが今も鮮明に遺っている。落命までの一瞬間、ちょっと聴いてってよ。ほらふきの一族について、わたしの女性遍歴の一端。鳴、あんたについて唄ってやるよ。とはいえ途絶するからキラー・チューンにはどうしてもなりゃしないんだけどさ。

笹幡みなみ「今日の声は聞いてないから」

今夜22時から、怪異専門ウェブメディアあやじんの公開編集会議スペースやります! 桐谷きょうさんから、取材したての「女の声の怪異」について、■■県某所の現地から報告してもらいます。Aさんの母親曰く、お父さんの様子がおかしい、部屋でだれか知らない女と話している声がする、と……。

孔田多紀「ポストカード」

〈今回で2500回の歴史を誇るレナイア・ドラマ大賞、記念すべき特大回は特別審査員としてコミック部門に▫️▫️先生、ノベル部門に久島エリ先生をお迎えします!(中略)あなたの熱い性癖を作品にぶつけてください。自分の萌えを布教しましょう!〉
君は画面に示された締切日と骨折した利き腕、そしてまだ素材のままのノートを睨みながら絶望感に襲われる。その原因はあいつだ、あいつが責任をとるべきだ……君は最近覚えた音声認識機能であいつにメッセージを送る。
二人でBL小説を書き上げるまで終わらないSTORY。

茎ひとみ「壊死した時間」

盲目の女性・夏原は、コロナの流行から逃げるように、弟夫婦が住む実家に身を寄せた。弟夫婦から疎んじられる日々、夏原はかつて親しい関係にあった女性から電話を受け、烈しく動揺する。その日を境に彼女の周りで不思議な出来事が起こりはじめるが……。孤独と不安、密かな想い。

織戸久貴「ミメーシスの花嫁たち」

いよいよその時が来ました。国民総進軍のときが来ました。政府と国民ががつちりと一つになり、一億の国民が互に手をとり、互に助け合つて進まなければなりません。政府は放送によりまして国民の方々に対し、国家の赴くところ、国民の進むべきところをはつきりとお伝へ致します。国民の方々はどうぞラジオの前にお集まりください。

千葉集「声豚」

「愉快な動物たちが暮らす、ホゲットおじさんの牧場に、かわいい子ブタのベイブがやってきた!まだ世の中のことをなんにも知らないベイブは、お母さんが恋しくなってメソメソ。そんなベイブをなぐさめてくれたのは、牧羊犬のフライだった……」というのは Amazon Prime Video の『ベイブ』の作品紹介文で、実際の内容としては「中学生がある日、ブタを学校に連れてきて『これは友人の○○さんなんだ』と主張し、周囲をドン引きさせていたら、○○さん本人がやってきてブタを連れてきた中学生と殴り合いを始める」といったものです。読むとトンカツの語源がわかります。

谷林守「溶けて、燃える」

他の人なんてどうだっていいじゃん――後輩は私にそうささやいた。
眠る事がない街の、ある雨の一夜。

……

表紙通り、八名(小説七+イラスト一)で奏でられるアンサンブル。
声と百合の妙なるハーモニーをご賞味ください。予価1000円。

ちなみも織戸久貴百合短篇レビュー本『百合小説アーカイヴ(仮)』も同時刊行! 
今年の秋はストフィク百合の秋ですね。 


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