【カメオの共鳴】シリーズ 第5篇 「耳で逢いましょう 5週目 リスナーからのお便り回 その二(No.0256)


その一はこちら



 では続きまして次のお便りをご紹介致します

ラジオネーム、dentaさんからです


Oribeさんこんばんは


はいこんばんは

初めてお便りします


はいありがとうございます



私は既婚者です

そして間も無く一児の父になる予定のものです

私にとっても、妻にとっても、初めての子供です

激しい喜びのため、夫婦揃って多幸感に満ち、当然目の前にあるはずの
不安なども消えてしまうほどです

あの頃の愚かな時代が過ぎ、それをきっかけにそろそろ子供を、という
気持ちからやっと授かった命です

私たち夫婦は、いえ、父としての私は、この子をどうあろうとも
守っていく事を今から堅く決意しております

この子を絶対に、あの時代の子供たちのような目に合わせない


あのとき子供たちを、まるで生け贄のように扱った大人たちや社会
そして政治家と医者、医療関係者、学校を、私は絶対に許しません


もし、これから産まれる私たちの子が
あのような連中に汚されるようあるなら
私はどんな犠牲を払おうとも守り、そして闘う決意です


oribeさん、私は不思議でなりません

私たち夫婦は決して高い学がある訳ではありません

ですが、あの時の騒動は、騒がれるなり直ぐにウソだと分かりました

なのに、どうしてあれだけの人たちが騙されたのでしょうか

そして不思議なのが、先にあげました騒動に乗っかった大人たちです


政治家、医者、教師などなど

彼らは一般人よりも、ずっと高い能力を持っていた人たちだと
私は考えています

あの時、人々を嘘偽りで煽った連中のなかには
きわめて著名な賞を受賞した博士もいました

あれだけの能力を持った人が、どうしてこのような幼稚な悪事に染まり
そして滅んでいったのでしょうか


彼だけに限りません


著名人たちがこぞってバカげた言動と暴力的な発言の数々を
連日言いふらし続けていました

人々の反論どころか、質問すらまともに受け付けず、答えませんでした

かつての天才たちが、どうしてあんなことになったのか

どうか、お分かりでしたら教えてください

私は、この子をあのような連中みたいにしたくありませんから

よろしくお願いします



はい、お便りありがとうございます

大丈夫ですよ

あなたたちの素晴らしいお子さんは、決してあのような連中みたいには
なりませんから

ご安心ください

あなたのような素晴らしい父を持った子供は、必ず素晴らしい人物に
なるでしょう

えーそして、ご質問の方ですが、これもさっきのeriさんからのご質問に
かなり似たものがありますね

やはり、みんな、どうしてあんな幼稚なウソに騙されたのだろうか
と疑問を持ったのでしょうね

ですが、dentaさんのご質問は別の要素もありますね

えー、かつての天才たちが、どうしてあんなことになったのか

と、いう部分ですね

はい、これも気になるところでしょう

本当にそうですよね

どうしたってそう感じるところでしょう

大体、世の中に出て来る人たちというものは
何かしらの才覚に恵まれているから出て来る訳です

そしてその能力の高さから人々の信頼を得て、その言動には
人並み以上の期待や重みが産まれる訳ですね

人も羨むような才覚や境遇にあって、その結果として社会的にも重要かつ
立派な地位について活動される人たちがですね

一体どうして、呆れるような単純な欲望に転んでしまうのか

これは確かに不思議に感じて当然ですね

なんというか、不自然に感じるわけです

あんなに頭が良いのに

あんなに立派な地位の人なのに

あれだけの経歴を築いた人なのに

なのに、どうしてあんな短絡的なことをしたのか

どうしてあんな事を平気で出来るのか

なんであんなことを口に出来るのか

何故あんなに理屈の通らないことを行うのか

そんな不自然な、不釣り合いな事を引き起こす連中が後を絶たないわけです

その社会的な立場と相容れない言動、ここが多くの人をですね
言わば混乱させてしまうわけです

しかし、これも別段不思議なことは無いですよ

全然です、別におかしな事なんか無いんですよ、dentaさん

要するに、こういう連中はみんな共通してですね、正しさが無いんですよ

正しさが無い、それを重んじる気持ちもないんですね

彼らは単に賢いだけです

確かに頭は良いのでしょう、きっと

でも、賢いだけではダメなわけですよね

だってそうですよね、賢いというのは要は力なわけですから

力はある

でも、その力が発揮される方向はどうですか

定まっていませんね

つまり良い方向にも、悪い方向にも、どちらにも行けるわけです

それも人一倍力強く、グングン進めるわけですよ

そうするとですね、世の中っていうのは残念なことに
多くは悪が支配していたわけです

ですから単に賢いだけの人間は、その優れた力を悪の方向へと
使ってしまうことになりがちなわけです

その優れた力を持った人間をですね、うまく引き込むわけですね
悪い連中が

そうやって、結局優れた能力を持ったものが、その力で
世の中に悪を振りまくように働いてしまう

そうなってしまうわけです

ですから、正しさが必要なわけですね

かつての時代に、この正しさの重要性を語ってくれた方は
ほとんどいなかったわけですよ

それが今になってやっと、その大切さが伝わるようになった
ということですね

しかし、ここも大事ですが、正しさだけ、ではダメなんですね


これも当然と言えば当然な話ですね
難しいことではないですね


だって、正しいだけなら、言ってみればバカなわけですから

それでは役に立ちませんし、何よりバカならば
簡単に悪人に騙されてしまうわけです


常識の話ですが、悪人は自分の手を汚しませんね

必ず人を使って悪いことをするわけですよ

その時の、悪人のコマにされてしまうわけです

そうするとですね、悪人からすれば二度美味しいわけです

自分の手を汚すことなく利益が得られて、しかもバカな善人が
滅んでいくのですから

こうなってはいけませんね

ですから、人には賢さと正しさの2つが両方ともに必要だ
ということなんですね

dentaさんのお子さんがその両方に秀でた方に育てられることを
心よりお祈りしております


それではここで一曲お送りしましょう


佐野元春でガラスのジェネレーション


その三に続く

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