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『22/7を卒業しても、千春は''永遠のリーダー''だった。』[TOTTEMO HAPPY](敬称略)




はじめに

事前に予防線を張っておくが、このnoteはイベントレポートのレベルにも満たない産物となる。「分かってくれる人が分かってくれればいい」。いつだってそんなポリシーで生きてきた。

今回も徹頭徹尾私利私欲の自己満足。私はただこのどうしようもなく膨らみ続ける『千春』という一人の女性声優への思いを少しでも発散したいだけなのだ。

そして私は口が裂けても『千春推し』と名乗るつもりはない。
そこらのファンよりはあの子を思う気持ちはあるけれど、あの子の謙虚さに影響されてか、千春ちゃんの求めるファン像にきっと私はいないような気がしている。
100歩譲って、千春ちゃんと吉宮瑠織を追いかける''ちはるり''推しになれる日を夢見ているが先人に肩を並べるなど恐れ多いし、ここから書き進める言葉はもちろん''総意''ではなく、全てが私の''主観''と''願望''にまみれたものとなっている。



『TOTTEMO HAPPY』

先日、2024年4月7日に''千春バースデーファンミーティング 2024『TOTTEMO HAPPY』''が二部構成で開催された。

初のソロイベント。初の生誕祭。配信は無い。
タイトルが発表された当初は、「とってもハッピーってなんだよw」なんて思っていた。確かにあの子はどうぶつの森の島名を''「みんなハッピー」島''にしていたけれど、あまりにもジャストアイディアで抽象的なタイトルに一抹の地雷臭を感じていた。


しかしHall Mixaのドアを開けてみると幸せに溢れた素敵なイベントだった。理想の生誕祭と言えるだろう。タイトルどおりのHAPPYなイベントにただ頭が上がらなかった。MCは居らず、140対1の相思相愛幸せバトル。声優アイドル時代も多くは語らず黙々と努力し、未来すら見据える視野の広さに急に突き放され、日々驚かされる。今回のあの子はどこまで見透かしていたのだろう。

ファンの笑い声やガヤ、細かなファンの言葉も拾い上げ、それを笑いに変え、微笑みかける千春ちゃん。慣れない気の抜けた掛け声でファンを煽ろうと頑張っている様が微笑ましかった。そこにネガティブなモノなんて何一つなくてキラキラした一瞬の時間だった。月並みな言葉になるけれど、私たちのファンの方がお祝いされている様な、プレゼントを貰っているような感覚になる満足度だった。

昨年2023年7月に開催された初の姉妹イベント『愛美・千春のプライベートハウス』にて千春ちゃんのイメージカラーは黒と発表された。
しかし今回の''TOTTEMO HAPPY''ライブパートでは事前に「赤」を振ってほしいとのドレスコードの説明があった。

それでも本編になればMCの冒頭で一人立つ舞台にオドオドしながら、『振りたい色を振ってください…!!』みたいなお話をしていた。
それでも私含めファンは赤を振り続けた。強制するわけでは無く、「自分の楽しみ方を尊重して欲しい」というその気遣いすらも愛おしかった。

てか公演中終始ニヤついてる…かわいすぎた。


『2019年''定期公演''の再来』


Hall Mixaキャパシティ約140人の会場。規模感としては22/7が成長の為に12ヶ月連続パフォーマンスを積み重ねたMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREの一階席を彷彿とさせた。

きっと会場には''帆風千春を推しきれないまま卒業を見届けたファン''や''千春になって、出会えたファン''も大勢いたことだろう。
私もきっと自分を美化して誤魔化し続けているだけでもっとあの日々を大切に出来たのだろうと後悔することがある。だけどあの場では皆平等で、呼吸を合わせてペンライトを振って、声援を飛ばした。気持ち的には帆風千春と千春ちゃんの2人に赤い閃光を向け続けた。

肝心のセットリストは
彼女の学生時代から大好きな推し『鈴木愛理』さんの『最強の推し!』
高辻麗を思い出す『ヨルシカ』の『斜陽』
定期公演では『Rising Hope』を歌ったリブート『Catch the Moment(LiSA)』
天城サリーがソロコーナーで歌唱した『秒針を噛む(ずっと真夜中でいいのに)』
22/7のリズムゲームアプリ「22/7 音楽の時間」で最初にコラボした『物語シリーズ』そちらの『セカンドシーズン』ED主題歌である『アイヲウタエ(春奈るな)』
そして今回の両部と自身のソロコーナーで歌った『ETERNAL BLAZE(水樹奈々)』

2019年10月22日 帆風千春ソロコーナーセットリスト


今回特徴的だったのが王道からは逸れた選曲だったと言う事。
正直カバーされまくりで少々食傷気味な「君の知らない物語」ではなかったり、LiSAやAimerに至っても楽曲自体の元々の知名度はありつつも、帆風千春推しとして慣れ親しんでいた曲とはまた違った、境地を見せていた。

生誕祭で「Ado」の「ギラギラ」を歌うなんてさ、お祝いしづらいったらありゃしない。それでも本人が素直に歌いたい曲を歌ったのだろう。本人が我を通してくる場所がオンガクだなんて憎い末っ子だ。

その全てが''帆風千春の新たな卒業コンサート''のようで、赤のペンライト越しに見る千春ちゃんに何度も涙を流した。またあの子に泣かされるなんて、ずっと手のひらで弄ばれてるみたいだ。

なによりも楽しそうに歌う千春ちゃんが女神の様に眩しくて、あの子が悩む自己肯定感の低さなんて微塵も感じさせないくらい堂々としたパフォーマンスに''この子はオンガクと共に生きるべき存在なのだ''と改めて感じさせられた。一人のあの子はこんなにもリミッターが外れるのかと、グループ時代のプロテクターの存在を痛感させられた。

あの日確実に帆風千春との思い出が私の背中を押してくれていた。
これからもずっと2人を追いかけて私の人生は進んでいくのだろう。言葉にしなくても、その信念は伝わった。声は出せないまま卒業を見送った『僕が持ってるものなら発売記念LIVE』の様に。


『あなたにとって「ファン」とは?』

ファンクラブ限定で第1部用に答える質問で筆者の投書が千春ちゃん直々にBOXから引いてもらえた。

本心はファンが大好きで…だけど口下手で、想いが募れば募るほど棒読みになって、キャストにすら「本当に思ってる?」と言われてしまうほど不器用な子だけれど、言葉を一つ一つ丁寧に拾い上げて声にしていた。

そこで千春ちゃんは照れくさそうに、でも淡々と『好き』『大好き』『一生一緒』『一言じゃ表せない!!』(抜粋)と語る。『仕事が決まったらすぐに皆に伝えたくなる存在』…そんなにも身近にファンを感じてくれた事が嬉しかった。同じような事を以前スペースでも語ってはいたけれど、眼前で改めてその言葉を聞いてしまうと心が締め付けられるほど嬉しかった。これからの千春ちゃんの歩む未来がHAPPYなものでありますように。

コーナーで発表した自身の未来の年表(目標)に『伝説になる』の文字。本人は冗談交じりのつもりなのだろうけど、口だけのオンナなら今までの実績や信頼は勝ち取れていなかったはずだ。
今やアニメ業界で名前を一度は聞いたことがある程、偉大な存在である実姉の愛美さんに照らされながら目標高く上を向いていてくれる諦めの悪さが愛おしい。今は気づかなくても既に私たちは伝説のただ中にいるのかもしれない。

自演アンコールも『アンコール』という言葉の代わりに『ちーはる!!』という声が会場に響き渡った。定期公演や卒コンでも叶わなかった二度とないかもしれない機会を謳歌出来た事、ファンとして永遠の矜持となるだろう。


『いつでも還れる場所』

会場には沢山の旧友がいた。第2部では「ちはるんの歌が久しぶりに聞きたくなってさ〜」なんて3年ぶりに会いに来たファンまで居たほどだった。ひやかす気力なんてないほど「ようこそ」みたいな気持ちで当事者意識が膨らんでいた。終演後の打ち上げは声を揃えてポジティブな感想の応酬。

「ホントに皆''TOTTEMO HAPPY''になってんじゃん…」。

「ファンに悲しんでいる表情を見せたくない」を
ポリシーに掲げていた海乃るりが、
『るーりーがいつも傍にいてくれたから…』という
帆風千春の言葉に涙を流した。


海乃るりが帆風千春の卒業に向けて書いた手紙を時々思い出す。

✉️『活動の中で苦しい事も数え切れないほどあったと思うんだけど、心配をかけないように、絶対に口には出さないし、見せないんです。千春みたいな人が本物のプロなんだと思います。』

『22/7「僕が持ってるものなら」発売記念ライブ』にて
海乃るりが帆風千春に宛てた手紙より。

あれから3年。
あの子は変わらずメンバーもファンも私たちのいつだって還れる場所がそこにはあった。押し付けがましく無いのに、いつだって生き様と道筋をまざまざと見せてくれる。さながら卒業しても私たちの永遠のリーダーだった。

あの子がいれば心にずっとが宿るようだった。

これからどれだけの感謝をあの子に届けられるだろうか?
何を返せば今まであの子がくれた宝物たちへ精算出来るだろうか?
それが分からないから私は少しでも言葉を残し、誰かにあの子の魅力が少しでも伝わればいいなと願う。

これからもあの素敵な笑顔とハスキーで艶のある声と少し足りない自己肯定感を信じて未来を思い、彼女に逢いに行くのだろう。


いつか''伝説''を見届けるその日まで。



『22/7(ナナブンノニジュウニ)へ。』

帆風千春としてのラストシングル。
「僕が持ってるものなら」


あの子の可能性を信じて救いあげてくれてありがとう。
最後のチャンスを信じてくれた4年間は''いま''を大切に出来る財産になった。美談だけで済ませるつもりは毛頭ないけれど、アンタら目に写った''リーダーの可能性''は間違いなく本物だった。

あの子がもし挫けていたのなら今もきっと何処かで01(ゼロイチ)世代の成長を支え続けてくれたことだろう。それもそれで寺川千春はHAPPYのただ中にいてくれると思うけれど、ユメを追う千春ちゃんが見られるのはこの声優という道でしか出会えないものだろう。

22/7というコンテンツがあとどれくらい夢を見せてくれるのかは知る由もないけれど、リーダーという役職を未だに欠番にしてくれている事は、帆風千春への最大限のリスペクトだと思う(ようにしている)(ただ責任から逃れているだけの可能性も大いにあるけれど)。

そして、あんな素敵な女性に愛される(筆者の推しである)''海乃るり''と''吉宮瑠織''が心底誇らしい…そして羨ましい。私から見える推しと千春ちゃんから見える推しは側面は違っても、どちらからも素敵に見えてるんだから…それでいい。それがいい。


―――2019年10月22日、2021年2月28日に取り残された私たちの魂は今ここで浄化され、''TOTTEMO HAPPY''とならん。