森青葉 舞台 少年秘密倶楽部 壱 箱庭の自由(7/3)雑感
大小問わず、演劇の出演者の選定ってのは、オーディションか制作者のオファーかの二択なんだろうが、いわゆる続編ものに引き続いて出演するということは、まあ一部には「しがらみ」や「忖度」みたいなこともあるだろうけど、前作で問題がなかった、って解釈で良いのかなと思う。だから、元はちみつロケット→Awww!を経て、現在舞台中心で役者活動を行う、
森青葉
あおちゃんが、今年4月に行われた舞台の続編である「少年秘密倶楽部 壱」に、ここ、
新宿村LIVEで、7/3~7日の5日計8公演に呼ばれたことは、素直に嬉しく思えたね。その前作の「零 再演」については、小生2回観劇してぞの雑感をこちら→森青葉 舞台「少年秘密倶楽部 -零- 再演(4/18 21)」他 | モノノフLv.1のブログ (ameblo.jp)
に書いたが、あおちゃんの役どころは、チューベローズという成長を抑止された奴隷としての子供役で、劇中盤で貴族である大人の伯爵に見初められてその愛人となり、邪な思いを抱いて、というもので、なかなかの悪印象を残したが、今作はどういうものであったか。なお小生こちらは初演の1公演のみの観劇のため、以下は超雑な書き散らかしなのですみません。
その超雑あらすじは、熊のぬいぐるみの化身というべきローレルの導きで、大人達の支配からの脱却を目論むべく結成された「少年秘密倶楽部」。6人はかつての記憶を奪われており、奴隷としてひどい扱いを受けたり逃避行の末追い詰められたりした者や、流れ着いて囚われてしまった者、奴隷としての日々を受け入れ居た者などさまざまな事情でスカウトされいている。そのローレルから、新たに加わった者だというウツギを紹介され、7人で、国内で成長抑止薬を投与され奴隷となっている子供たちが、おかしな病気に冒されているという話からその謎を暴くというミッションを受け、伯爵のシレネの屋敷、子供たちが労働力として強制的に従事させられているという新都市建設の指揮者ダチュラ伯爵の一人息子のリーリオに取り入る者として、さらにその都市建設の労働者のリオという子供を探しに、はたまたその地下の秘密基地に、それぞれ潜入を開始する。シレネやダチュラは新都市の功績で国での地位が上がるが、女公爵のハイドには頭が上がらない。ハイドは一人娘のランジアがおり、従者のレンカを護衛につけて監視しているほどの実力者であるがその行動は謎である。
倶楽部の一員で狙撃力はあるが肉体的な戦闘は弱いショービは、ダチュラの護衛隊である子供の先頭組織のひとりで、かつて難破した船に乗船していた女の子で、父と兄と生き別れた者だというサルビアと出会い剣を教わるうちに、彼女も組織を抜け出して自由になるという思いがあることを知り、子供同士が争わずにともに夢を叶えようと語らう。シレネの屋敷に潜入したガベラとギブシーは、シレネの慰み者に近い扱いを受けているルコと会い、半ばあきらめの境地で受け入れているルコを説得して希望を持つよう呼びかける。リーリオの教育係にもぐりこんだマルグリットは、やがて実はダチュラの子供では無い替え玉だったと知り絶望のリーリオを優しく労わる。そしてウツギとショービが、建設現場で出会ったリオが、実はリーリオに取って代わるはずの、真の一人息子だと判明するが、リオはひどい大人の血を受けていることを嘆く。それぞれの謎が明かされ、いよいよ大人達と戦おうというその時、サルビアらが倶楽部に立ちはだかると、ダチュラから打ち続けなければやがて死に至るという恐るべきカンフル剤のような薬を投薬されている彼女らは強力だが、薬の副作用が強くのたうち回る。ダチュラを倒して薬を改良しないと死ぬサルビアらを救うためダチュラを追い詰める組織のメンバーだが、その前に愛人のチューベローズが、国家反逆の罪人となったダチュラに興味はないと言い放ち刺殺。そして絶望した組織はそれぞれ同士討ちなどで壊滅する。サルビアは遠のく記憶の中、倶楽部のガベラの手の中で、その名を懐かしみながら息絶える。一方、シレネを追い詰めたウツギだったが、シレネの動向を監視していたハイドに、子供は道具と平然と話すハイドの銃口の前になすすべなく立ちすくむと、銃声がまず一発。しかしそれはシレネの胸を撃ち抜きシレネはハイドを睨みながら死ぬ。そしてもう一発の銃声、周囲は暗転する。
数日後、新たな伯爵を出迎えるというハイドの前に現れたのは、ダチュラの真の子であったリオ。ハイドに伯爵としての挨拶をしてからある所へ向かうと、そこは少年秘密倶楽部。リオは伯爵の立場を利用して、いつか国の有力者になった時に、子供たちを解放するべく、引き続き地下組織として大人たちの悪と戦う倶楽部と協力するために立場を利用することにしたのだ。そして諜報員として新たにルコとリーリオが、つらい記憶だけをローレルに封印されて採用され、今日もショービ達に指令を下す。他方、どこからか「僕の箱庭で楽しいことがあってね」という声が聞こえると、その声はウツギに似ていたが・・・。
本筋は概ねこんな感じだと思う。ハイドが娘のランジアにレンカを殺せと命じるとか、サルビアの仲間にカラン、キウル、コヅチ、スイセンが居るとか、ハイドの楽団員のノミ、ノノ、ヤマの3人は零の回想シーンや地下に幽閉されてるシレネの次女のシルエットなどで登場と、そんなあたり書き漏らしてるかな。こちらも前作零を観ていると話は分かりやすい、というかわずか2ヶ月前に上演されているから記憶に多少残っているといえるか。細かい点だが、ショービとランジアが街で出会ったシーンで、ランジアは記憶があるはずだからショービを見たとき何か思い出さないのかな?と思ったが、二人は零で会ってなかったかも?ショービの姿が変わって気づかなかった?ってことにしたがどうなんだろう。一番せつなかったのは、サルビアがガベラの前で絶命するところで、記憶が消されたため、ガベラがサルビアの兄なんだが、ガベラが全く知らないって表情で大丈夫か?と心配するのが、サルビアの石田さんとガベラのカヨンさん(歌手としての少年秘密倶楽部のメンバー)が最前目の前だったのもあるが素晴らしかったね。あとは、そのサルビアを守るカランの動機が今一つ小生には分からなかったが見落としたかな?演じた安部瞬さんはイケメン(声優さんらしい)だが、3人の男優(シレネの片山さんとダチュラの中藤さん)さんがアクセントになっていて良かった。すべてを女性って座組もあり得たんだろうが、ここは男性に演じてもらったら良いという判断か、良い意味で作品が深い印象になった気がした。勿論オール女性がダメなんてことでは無いので念のため。
役者陣は、秘密倶楽部の面々は、歌手グループとしてのキャラ設定上の制約とかはあるんだろうか?末吉さんは主演だからそうだろうが、中川みゆきさんは役者畑の人?って感じを前作からも受けているんだがどうなのか?レンギョウのYUUGAさんは今作は出番的には抑えめだったかな?倶楽部メンバー以外では、まずサルビアの仲間のコヅチ役の岡本芽子さん。あのメイホリックの主宰で、爆走おとな小学生の制作舞台では裏方もされるけど、今回はいち役者って感じで、素人目にはむしろ活き活きと演じられていたように見えました。自身はXで一番殺陣で動いてる、旨のポストをしていたが、はつらつと弾んでいたね。サルビア仲間は黒崎澪さんも目がイッていて変わらず素晴らしく、そのサルビアの石田さんは元STU48の人で卒業後初舞台だったらしい。元STUは、先月の「楽園の女王2024」の主演、沖侑果さんも同じで、初日には観劇されていたのを目撃したね。
ルコ役はたこ虹の春名真依さんで、彼女が初演時にチューベローズでそれをあおちゃんに引き継いだのね。背が高いので、シレネの片山さんが背が高くて奴隷でも違和感なかったが、チューベローズは確かに背の高さ的にあっていたかも。日替わりゲストは中村裕香里さんで、こちらも「楽園の女王」から一転で、少年秘密倶楽部の面々に無茶振り指令を楽しんでおられたね。真裏の「時を駆け抜ける少女2」の前作に出ていた三島京華さんは、裏被り無ければ、あちらに?はともかく、こちらでレンカを慎ましく演じられたね。そのレンカをも脅すハイネの石原美沙紀さんは、言う必要もなく相変わらず素晴らしい立ち振舞、セリフの強弱、冷徹な表情、素晴らしすぎました。
そしてあおちゃん。先述の好演を経ての、どれだけチューベローズが悪くなっているかを表現するかが楽しみだったが、そこは今作はそこまで悪くなっていないという設定だったからか、あまり強調されなかったようだが、むしろ、ニセの子リーリオや出世しないダチュラへの苛立ちみたいなものを、拗ねた表情などで表現されていたね。また、これも引き続き中藤さんのアシストが良いのもあるだろうが、ダチュラがだらしなくなるほどに取り込んでいる印象も焼き付けられていたしね。だから最後に、彼女の演技上の初体験、ダチュラを刺殺するところの、一変の冷たく見下す表情が映えたんだよね。それだけに、ひとつの不満ともいえるが、全体的には出番が抑えめなのは仕方ないにしても、登場場面がステージセットの上段側が多かったりで、このダチュラ刺殺までもが舞台のやや奥まったところ、センターではなかったのが残念だったな。
次の予定がいまのところ、あの「信州58町村収穫祭inアイシティ21(9月14日)」なんだが、彼女も春名さんほどではないが背は高い方だし、何よりハッキリとした目鼻立ちで、気品ある役柄には引き続きうってつけだと思えるだけに、その前後での次回作の報を待ちたいね。
(公式X画像より)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?