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8月上旬に観た舞台演劇三作 鶏卵・鈴クリ・色海 超雑感

上演期間がいずれも7月31日から8月4日までとなった舞台を3作観劇したので、いつものように超雑書き散らかしで記録。

1 舞台 鶏卵衝突
(7月31日 中野テアトルBOM BOM)

小生が、その人の最初に認識したのは、役者というよりは麻雀できる女性タレント、あのMリーグ初年度の正月のABEMA配信で行われた24時間麻雀大会でタレント出場者として麻雀を打っていたのが、百合沙さん。その彼女が役者を集めたプロデューサー兼として上演したのが本作で、作演出は、あの細川博司氏。共演者にも、横道侑里・真野未華・松木わかは・古野あきほ・氏家蓮など、小生も何回も観ている役者さんも多く観劇に足を運んだ次第。

超々雑あらすじは、今からおよそ数百年後の世界で、女性エージェントが665番目に生まれた神を封印するが、それが、数百年前の21世紀から、特殊な催眠の手法で永い眠りにつき、唯一の人類として生き返った若い男に取りつくことで騒動が起こる。そして次の666番目に生まれた神は、その若者に取りつき人間の力を得て世界を我が物にしようとし、さらにその666番目の神を、世界の終焉を見たいという現在の若者が利用するため憑依させる事態を、女性エージェントが、友人の夫でもある同僚エージェントとともに阻止すべく攻防を繰り広げる。そのうちに、21世紀若者こそが、人類として唯一生き残った者であり、エージェントも友人も、現在の若者も、全員が実体を持たない存在だということがわかるが、21世紀の若者が、そうしないために敢えて神様666号を憑依させて大きな力を得て爆発すると、皆初めて実体を得て生を感じることになった。意識が先で身体が後に付いてきたとこいところは、まるで鶏卵が先か鶏が先か、のようであった。

なんかねえ、自分でも書いていながら、そんな話じゃなかったぞ、誰も読まないからって、これは細川さんに失礼かもしれない。というくらい、いつも「魔銃ドナー」などで2.5次元的な話を描く細川さんらしく、小生には非常に難解だった。中盤まで、具体的には、学生仲間の百合沙さんと古野さんと真野さんが飲んでいるあたりや、真野さんの旦那が百合沙さんのエージェント同僚で、演じた土田卓さんは小生初見も、ゲネプロを観た松本陽一さんには「土田はやはり素晴らしい」と書かれていて、そのとおり自然な台詞の言い回しとか素敵だったが、その辺から、666号神様の横道さんが、氏家さんの現代の若者が確信犯的に憑依させたあたりで、自分の脳が、話に遅れちゃいけないとかえって悪循環になっちゃったT_T。21世紀の若者(星璃さん)以外は人類は滅びた、という絶望を描いているのは、御船彼岸子の野望なんかと通じるところかもしれないし、でもそれで終わっては寂しすぎるということで最後に希望を残して終わった、のも細川さんの優しさというところかしら。
役者さんは、2時間と長めながらも出番には限りあって、松木わかはさんは百合沙さんと土田さんの上官だけど、やや少な目なのと、今回はほとんど彼女のコメディエンヌぶりが無い真面目なwwwのが物足りない!?。665号の斉藤有希さんは、小生実に「袴DE☆アンビシャス」以来で、あの時のつっぱり役が一転、わがままな神様が素敵。なんかこの感じの演技、最近誰かで立て続けて観ているなあってなったら、そう、小生的には、あの中野裕理さんぽさを感じたんだけどね。666号の横道さんは、「降臨SOUL」で見せた、反逆のときのような、横道さんらしい笑顔を封印の珍しい役どころで、こんな引き出しもあるんだってものを見せてくれたね。元AKBっていってもいろんな方面に進まれているけど、横道さんはトーシロでも演技者として素晴らしいなって思えるね。真野さんも、土田さんとの夫婦の夕食シーン、ああ、こんな自然な芝居も当然にされるわけで、こちらも出番は少な目ながらもまたアップデートされたね。きりがないのでこのあたりで締めで。

2 舞台 眠る鈴のクリスマス
(8月1日 本所松坂亭劇場)

蜂巣和紀作演出、ってくれば、それはもう笑って笑って、最後に泣かせて、ってのが定番となっているところだけど、今回は、宮本愛さんという蜂巣さんの妹分って感じの役者さんとコンビでプロデュースの「あち☆はちカーニバル」として旗揚げ公演。実は今作は昨年末に上演予定が中止となったそうで、その仕切り直しとして、夏なのにクリスマスとなったが、いやいや、去年の秋も蜂巣さんは横道さん主演で、クリスマスものを上演していたし、季節感は関係なく笑って泣かせてもらったのでそんなに驚かないw。日替わりゲスト1名は、森岡悠さん・高宗歩未さん・木下彩さん・宮本さん本人・ほりゆりさんと、馴染みのメンバーながら、本編の12人は、実は小生、一部初見で無い人もいるんだろうけど、6人が初見の方で、なかなかホントに中小演劇界は裾野が広すぎ。だってその人たちが、テレビだ映画だの連中なんかより素敵なんだからねえ、困ったもんですよ。

そんな役者さんたちが織りなす超々雑あらすじは、事故で死んだ大会社の社長夫妻(蜂巣和紀・日替わりゲスト)に年末忍び込む3人(麻生金三・池澤汐音・藤川茜)。上司(畦地日菜子)から年内で契約終了を言い渡された3人は、その理由として、大会社を引き継いだ夫人の妹(夏陽りんこ)に、社秘のUSBメモリを握られてゆすられた結果であることを同僚(野谷ひまり)から聞いたため侵入したのだが、亡き夫妻の一人娘(若松愛里)にみつけられる。とっさにサンタクロースだと言い張る3人は、泥棒として突き出されたくなければ私を楽しませろと言われ、クリスマスまでは屋敷に侵入できると知り受け入れて家探しを始める。屋敷周辺は頼りない警備員コンビ(日向みお・みおり)と警官(比嘉ニッコ)のおかげで難なく侵入はできるがなかなかUSBを探し出せない。一人娘は、両親からクリスマスを祝われる直前の事故だと分かっていても寂しさからクリスマスを憎んでいるが、優しいメイド(生田善子)に支えられており、さらに3人の珍入者により徐々に笑顔を取り戻す。
クリスマス直前、一人娘と3人が夫人の妹に見つかり、彼女からUSBは自分が肌身離さず持っていること、さらに両親(姉夫妻)の死に関与をほのめかして、一人娘を亡き者にすれば財産は自分のものだと罵倒の限りを投げつけて、一人娘を絶望に追いやる。そこに3人を救うため上司や同僚も駆けつけ実力行使するが、警備員と警官に守られ高笑いする夫人の妹。その時、メイドが夫人の妹の頬を平手打ちし涙ながらに一人娘を庇うと、警備員と警官は夫人の妹の保護を止め、両親への死の関与の疑いで連行するが、一人娘は立ち直れない。その時屋敷の時計が異音を発すると、その中にはあの日渡されるはずだったプレゼントが見つかる。一人娘は、わだかまりを解き両親の死を受け入れて、メイドと頑張っていくと決意すると、3人とも泥棒サンタも悪くないと笑い合う。もちろん3人も、事件解決でリストラ回避のプレゼントを貰ったのだった。

この超雑あらすじで伝わるかしら?腐すわけじゃないけれど、蜂巣さんの泣かせの作品は「ベタ」。そのベタを、即興笑いで脱線させながら、蜂巣さん含めた役者さん達の優れた技術や熱意などで、ベタっていいなを改めて認識させてくれる、それが小生にとっての良さなんだね。そして、これはトーシロの戯言なんだけど、今は高校とかであるのかな?演劇鑑賞の課外授業みたいなのは?小生高校生の時に確か1回あったんだけど、最初は演劇とかって斜構してたんだけど、時事ネタ下ネタなんかも即興でいれていて、それなりに笑ったという記憶があるんだけど、この、蜂巣さんの芝居なんか本当に、そうした学生の課外授業にピッタリなのよね。電通(ってはっきり書くけど)とかパソナ(ってはっきり書くけど)に中抜きさせるんじゃなくてさ、素晴らしき中小の演劇集団に税金を回す仕組みとして、公立学校の演劇鑑賞事業的なものを採用してほしいよ。しかも大劇団なんて、芸能事務所や企業にかんじがらめの広告でしょ?本当に、もっと多くの演劇人にお金が回ってほしいな。
役者さんは、先述したように6人の方が初見だけど、野谷さんとか藤川さんとか声に特徴あるなって思ったら、あれ?前に多分松本陽一さんので観たかも?スターダストプロモーションの声優部さんなのよね。そう、有沢澪風ちゃんと同じ所属なの。これは予復習しない悪しき習慣があだになったT_T。藤川さんは最初新木美優さんと見間違ってしまい申し訳なかったT_T。やはり声優さんながら、麻生さんや池澤さんという蜂巣組を相手にツッコミ的な役で奮闘されてたね。畦地さんは、いかにも居そうな女性の上役って感じを表現されていたけど、なるほど中止の時のリベンジ組となれば意欲もあるよね。警備員のお二人も、日向さんも気弱な先輩って表情が良くて、一方のみおりさんが、舐めた後輩を、こちらも、いそういそう、ってさせてくれて、捌け際とか彼女はアドリブもかましていたんだろうね。ビジュアル的には美形なのになかなかのコメディエンヌでした。そして生田善子さん。とにかく、あの平手打ちのシーンは、自然に夏陽さんの頬を、極端に強くもなく、でも弱くもなく、絶妙って素人が言っていいのか憚られるくらいに、ガチな平手打ちが素晴らしすぎてね。受けた夏陽さんの、殴られたことで自分のしでかした良くないことを自覚していたって表情が後押しして、生田さんの芝居が泣けたよね。もちろん大小問わず、平手打ちを実際にする芝居なんてあまたあっただろうけど、小生の中で素晴らしいものとしてアップデートされました。なお、文字数的に、知っている6人の皆さんは、もちろん素晴らしかった、で敢えてまとめさせていただく中、日替わりで観た、

高宗さん、今回は気楽に臨んだ?www、蜂巣さんとの即興シーンは、いい意味で酷かったwww。漫才で、夏といえばに、ビキニだの!ギャルだの!、そこまでおっさんたち飢えてませんってwww!。今回は完全に笑わせてもらうばかりでしたなw。

3 舞台 色づく海のエスポワール(8月2日 新宿シアターブリッツ)

こちらは、9月下旬が待ちきれないほど楽しみに待っている、「降臨SOUL」の出演者で、「ネーチャンズ」で平瀬美里・みぃちゃんがお世話になった、長月明日香さんと、何度も触れて恐縮だけど、そのみぃちゃんが芝居で悩んだ際に支援をいただいた、その降臨SOULで、みぃちゃんの盟友の高井千帆・ちぃちゃんとのコンビが想定される山﨑悠稀さんがダブル主演ということで表敬訪問的に観劇したんだけど、これが、

観劇で感激!

してしまった素晴らしい芝居でしたのよ。時間があればもう一回でも観たかったくらいで、長月さんの、これまでと全く違う芝居にアップデートされたこと、山﨑さんにとにかく圧倒されたこと、がとにかく素晴らしい作品でした。

超々雑あらすじは、後天的に視界がモノクロ化してしまった女子高生(長月明日香)が、海辺である少年と出会うが名前を知らぬまま別れてしまう。もう一度海辺に向かうと、「海はすべてを覚えている」という地元の水族館の若き女性館長(山﨑悠稀)が言うとおり、女子高生は記憶がよみがえってしまう。彼女は、かつて同級生の男子とデートに遅れてしまい、その為に彼が事故に巻き込まれて死なせてしまうという悲劇に遭遇していて、男子の母親からその件なじられていた彼女はそれに自責の念を抱いていて、崖から飛び降りるという自殺未遂を起こしていたのである。以来彼女は両親に守られてすごしてきたが、再び記憶を取り戻した彼女は、今度こそ贖罪の意味もこめて、あの崖にたたずむと、すべてを覚えている海による作用か、男子が現れて、女子高生は悪くないと諭す。そして彼の母親も、女子高生に非は無いと知りながら、やり場のない悲しみをぶつけてしまったことを両親にも詫びて、両親もその思いを受け入れて、いつか悲しみを理解してくれる日が来ると許す。
そんな、過去の記憶を呼び戻す水族館には、他に、ガンを患うも懸命に妹のために生き抜いた姉に会って、感謝を告げた姉妹や、結婚間近の恋人が、交通事故の加害者となってしまうが、その事故で自らも頭部に疾患を抱えてしまいこの世を去ってしまったことに区切りをつけるために訪れた教師が、それぞれ愛する人と別れを告げに会いにきた。その水族館の若き女性館長は、教師と恋人に、水族館の楽しみを教えた人であり、当時は先代の水族館館長の娘として元気溌剌と勤めていたのだが、その事故を端緒に、決して笑わなくなってしまったのである。その若き館長に、あの恋人が加害者となった事故の被害者こそ、実は、自分が遅れたことで死なせてしまったと思っていた同級生男子だったと知った女子高生は、これから友達になりませんかと語りかけると、若き館長は彼女の名を呼んで、涙を流しながら、これから宜しくとほほ笑んだ。

これもかなり端折ってところどころいい加減にまとめたあらすじだが、基本は3組の、過去に死なせてしまった愛する人に会うための物語を、若き館長がストーリーテラー的に語りながら、最後は自らも主人公として救われる、という感じの作品。メルヘンチックで現実にはありえない空想劇なんだけど、登場人物は自然な人間たちであり、その彼らが、水族館というある種神秘的な場所で、もしかしたらこういう夢はあるかもなって納得もできる現実味も帯びている作品だと思えたね。
役者さんは、これも半々くらいかな?既知の方と未知の方が。とにかく、藍澤慶子さんと、あの6番シードの藤堂瞬さんが、長月さん演じる女子高生の両親役ってのがもう素晴らしくて、こんな夫婦いるよなあって自然な表現がまず素敵だったし、2番目の姉妹の妹役に、夢月さんって来たら、久々に蜂巣作品のお遊びは封印でwww、でも泣き叫ぶでもない姉への感謝を滲ませる芝居は、本来の!?www、夢月さんの成せる業でもありましょうね。さらに、事故の加害者ながら自身も患い死んでいった男性に、藤代海!いやあ、藤代さんにはまたまた泣かされたんですなあ。余談だけど、終演後のチェキ撮影では、男性の方とも映るなどしていて、もう少し小生も観劇キャリアを積んだら、必ず撮らせてもらうこと必至なのでもう少しお待ちくださいねw。その他、「イリスノワール焔罪のミサ」で、シターラ先生役の優莉奈さんが、普通の女子高生を普通に表現されていて唸ったりとか、館長の部下役の植野祐美さんが、これまた自然な表現されていたんだけど調べたら、過去に女王ステシリーズなどにも出演のなかなかなベテランさんと知り、でもそんな方が、自分のチェキ撮影までは、別の方のチョキ撮影担当と剥がし役を楽しんで行っていて驚いたりと、収穫もございましたな。
そして、まずは長月さん。みぃちゃんがお世話になった「ネーチャンズ」や「ほぼスポ」での、ツッコミありきの相手役から一転、ごく普通だった女子高生のシーンも、事件後の悲劇のシーンも、大袈裟に泣き叫ぶでもなく、抑えめながら悲しみが観客に伝わる表現をていねいに演じられていたよね。この、

チェキ撮後には、こうしたシリアスな芝居はあまり得意じゃなくて、って言っていたけれども謙虚が過ぎますってw。飛び込もうとする時の虚ろな目・母親から許されたけれども一生かけて償う的な目、なんか、そんな重さから解消してあげたいって気にさせられました。

そして山﨑悠稀さん。

もちろん、直近の「イリスノワール」の悪の神、「楽園の女王」での正義感と傍観者としての罪悪感半ばの職員と、彼女の作品も10以上は観ているので、その素晴らしさは知っているつもりだったが、そこに技量というものも高いんだろうなということを感じさせられたのが今作でした。中小演劇場での観賞歴たかだか4年の小生も、これまで役者さんのガチに流す涙は何度か観てきました。それこそ贔屓の平瀬美里・きなこ・千歳ゆう・田原遥菜・・・。そのどれもが、芝居という虚構に、どうしてこんなリアルに涙を流せるのか?ってくらいに感情のコントロールの技術に驚いたけど、今回の山﨑さんも、後ろの照明の綺麗な色もあいまって、滴る涙がなんとも神秘的だったけど、今作は、この、若き館長の感情変化ってのは、実はほとんど語られてないのね。懇意にしていた恋人が不幸になったのと、先代の父親である館長の死が、同じ時期らしいってことなんだけど、それで笑わなくなった背景は、そりゃあ悲しい出来事に心閉ざしたってことなんだろうけど、それを、長月さんが友達にならない?って語る中で、言葉を紡ぐわけでもなく、ただ、この涙だけが、若き館長の重荷を表しているってのが、本当に圧倒されたのね。その点が、これまで観たガチの涙とも一線を画すもので、山﨑さんという役者さんがとてつもない方だと認識しました。それは同時に、

高井千帆よ!
ちぃちゃん、
今度の降臨SOULでは、
山﨑さんから、
ぜひとも多くのものを、
学んでほしい!

ということを、ちぃちゃんには強く言いたいのです。

どうか山﨑さん、
温かく、高井千帆を迎え入れてくださいませ!

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