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平瀬美里 時を駆け抜ける少女2 ~TAKE バブル~ 観賞記

そろそろ大千秋楽本編1時間経過の頃に、ネタバレアップするスタイルw。

大手芸能事務所のスターダストプロションとのマネジメント契約を終了して、フリーの立場となった、

平瀬美里

みぃちゃんの、フリー後の舞台2作品目となったのは、舞台演劇というよりもコント?いやカバー曲の音楽コンサート(高尚な言葉で言えばミュージカルw)?と、その実態は、観たものそれぞれが解釈すればよい、とでもいうべき、

時を駆け抜ける少女2 ~TAKE バブル~

という作品。もしも数年前から小生の記事をご覧になっているという方がいらっしゃれば、前作「時を駆け抜ける少女」と、その「ディレクターズカットバージョン」そして、本作の制作の端緒となった2021年10月の「早稲田の中心でROCKを叫ぶ」を振り返っていただければ幸いだが、舞台(演劇)らしいストーリー、セリフ、伏線張りとその回収などの要素は含んでいるものの、笑いの多くは、キャリア35年以上のコメディアン、青木竜象さんが繰り出すアドリブと、その青木さんに煽られ、時には負かそうとして、若い演者さん達も繰り出してくるアドリブに起こるという、コントと言うべきタイプのものだけど、もうひとつ、演者達が生のバンドの演奏で過去のメジャーなJ POPを歌うことも見どころで、小生がこれまで観てきた限りでは、

みな一様に、
音も外すことが少なく、
声を堂々張るほど大きく、
上手く歌唱をしている!

確かに、街にカラオケなんて娯楽が当たり前に存在しているところに産まれた人が多いから、相対的に音感は育まれやすいだろうが、これは指名やオーディションにしろ、ある程度歌えるという人をチョイスしているのは間違いないところだね。そこに、さらに今作は、青木さんがまるで、

単なるアドリブで笑わすだけの、
ドタバタコントだけや無いで!
芝居の醍醐味のひとつ、
役者の生の感情のぶつけ合いで、
泣かせたるからな!

と言っているかのように、なんとも感動的なクライマックスシーンを用意してきているのが、単なる冗長な続編ではないことを訴えていて、しかもこの続編までもすでに決定していて、それに繋げているのである。そんな4日間延べ8公演、

西荻窪のBETTY ROOMと、

西川口のライブハウスHeartsで上演、小生は1、4、7の3公演を観賞の作品はいかなるものであったか。

(あらすじ)
昭和の秋葉原からなんとか令和にタイムスリップで舞い戻ることができた、尾道54のトモ(平瀬美里)とヒロ(こはる。)。しかしトモが黒髪でぶりっ子アイドルそのものの挙動であることに疑問を持ったヒロが問うと、なんと心はあの大アイドルの松田今日子(田原遥菜)と入れ替わってしまったのだ。トモの自宅に一緒に帰ると、母を知らず「ちびっ子ハウス」という養護施設で育った今日子は、トモの母・トモヨ(藤井菜央)の作る食事に「ありがとう」と感謝をすると、ㇳモヨはトモが娘でないことを見破り、その心が今日子だと知ると、アイドル活動を続けていることを怒る。その時、時間が止まりトモヨが停止すると、それはあの歌神様(青木竜象)の使いであるエンジェル3人衆のミカエル(佐伯瑞穂)、ラファエル(川畑里咲子)、もずくちゃん(雪奈)の仕業。歌神様がトモとヒロが過去の世界でスマートフォン等のことを教えたペナルティで、地位を剥奪され普通の人間に降格されたことを聞かされると、なんとか2人を戻すべく頼みこむと、あの時同様に歌を歌い100点を採れば良いと聞き、歌い踊ると(ダンシングヒーロー・荻野目洋子)見事100点を獲得、周囲は激しく揺れ動く。
到達地点はあれから3年後。ピンクレディースのリーダー格だったミイコ(水川華奈)が二人を見つけて連れていったのはテレビ局で、あの黒柳あつこ(なかがわあつこ)と今日子の姿のトモがいた。黒柳は、あの時から言葉使いも姿勢も悪くなった今日子を不審に思いつつもここまで変わらないサポートで番組に呼んでいた。トモも慣れないながら、今日子としてなんとかトップアイドルとして努めてきた。この日も、DJのマイケル富岡八幡宮(彩我みのり)が司会の歌番組に出演するところで、まずランク4位のWINKWINKが歌を披露(淋しい熱帯魚)、この2人は実は元ピンクレディースのモモコ(夢月)とミキコ(彩田栄美)で、ピンクレディースが解散した為結成したが、いやに仲が宜しくない。次にランク3位の工藤しずきよ(吉井智洋)が、10cmはありそうなヒールで歌う(嵐を起こして)。こちらも、あのシブ年隊解散後のまさきよのその後の姿であった。そして2位に今日子の姿のトモが本来の姿に遠いバラードを歌いあげる(スイートメモリーズ)。ヒロは今日子を超えるアイドルが居るのか?と思うと、その1位は、なんと、かつてマネージャーとして、タイムスリップした尾道54をこの世界に引き込み、悪徳芸能社長の川崎(青木・二役)から2人を救った加瀬大樹(池田明日香)で、アイドルになりたいという思うを実現してしまったのである。ダンサーに、シブ年隊だった、今は織田カンチと名を変えたひろゆき(影山怜雄)と、同じくシブ年隊の、バッチグー!の決めセリフのとしかつ(小山田雅貴)を従えて、華麗なダンスと歌を披露する(抱きしめてトゥナイト)。楽屋でトモと今日子とヒロは再会を喜ぶが、歌で100点を採らないと戻れないため、あの時同様に他のちびっ子ハウスのメンバーも集める必要があると告げると、局を出たモモコ・ミキコ・しずきよ・ひろゆき・としかつらを追いかけ再会。残るのはダンスのメイコ(愛翔)、ランコ(白井初花)、ヒロコ(金石桃花)だが、ランコの姉である、あのもずくちゃんに妙に懐かれているミイコは、何年も会っていないという。そしてダンスを手掛かりにメイコを探すべく、女性陣は六本木のマハラジャを目指すことにする。一方、人気者になりすぎて、ファンに追われ休む間もない大樹は、追っかけを撒いた公園で探しに来たひろゆきととしかつに、自由の無さを嘆くと、そこにホームレスとして住み着いていた川崎が現れて、理想と現実の差に戸惑う大樹を挑発し、すべてを失った自分は、人間として本来あるべきゼロの姿を手に入れて自由であると勝ち誇る。なりたくてなったアイドルが楽しくないと心から叫ぶ大樹の耳元で、川崎がゼロになれ!と叫ぶと(ZERO)、大樹らはホームレスへとなってしまった。その頃、令和で時が止まったままのトモヨの動きを再開させたエンジェルスは、トモヨにある写真を見せて、この人は何者と問うと、トモヨは自分の大切な人とだけ告げて写真を抱きしめる。
六本木はマハラジャに入ったトモとヒロと今日子は、そこのダンスクイーンがメイコであると知り話しかけると、3年で自分は変わった、私は歌えないし今の自分はこのディスコがあっているから放っておいてと連れない。そこにヒロコが現れて、ずっとメイコを見守っていたと説得するがメイコは耳を貸さず、流れてきたナンバーに身を任せるように踊り狂う(六本木心中)。しかしこの時、ヒロのポーチからスマートフォンを取り出す手が!実は、公園を移動中に、ミイコの独り言かたマハラジャに3人が居ることを知った川崎らが潜入していて盗み取ったのだ。ヒロがスマホが無いことに気づいたときには、川崎は一攫千金を求めて競馬場へ向かっていた。3人はメイコはヒロコに任せて、あと1人のランコを探すべく町の占い師に行方を占ってもらうと、なんと占い師はランコで、実はミイコは、ある子供が車に轢かれそうなところを助けようと飛び込むが2人とも事故の被害に遭い、この世の者でなくなったことを告げる(M)。その時の子供はもずくちゃんで、もずくちゃんがミイコにじゃれるのはそのためだったのだ。一方川崎は、狙いどおりに競馬の結果をスマホで知ったうえで大金をせしめ、大樹にゼロの自由を解いたのは、ヒロ達に近づくための策略であり、騙された大樹を尻目に、世の中金じゃ!と勝ち誇る(MONEY)。
(10分程度の休憩)
入れ替わったトモと今日子を戻せないうえ、ヒロもスマホを無くしたところに、さらに全テレビ局が何者かに乗っ取られて、ちびっ子ハウスのタレントは出入禁止、黒柳も失業という事態を迎えた一同は、ひろゆきととしかつを催眠で操るなど川崎が怪しいと気づく。大樹が再びアイドルに戻る決意を表明(ガラスの十代・TIME ZONE・100%勇気)、さらにヒロコが付き添いメイコも戻り、ランコもやってくると全員揃った今、100点を採るチャンス、みんながいるだけで素直になれると歌うと(君がいるだけで)地面が揺れて、ついにトモと今日子が元に戻る。今日子が、令和でトモの母トモヨと会い、もっと母子間で話すように勧めると、母も自分に父のことを隠すなど双方わだかまりがあるが頑張ってみると約す。一方、3年今日子として黒柳と接したトモが、双方のペンダントが合わさると一つのハート型を完成させることなどから、黒柳は今日子の母かもしれないと告げる。母と分かりあいたい、母に会いたい、2人は会いたくてたまらない想いを強くする(木蓮の涙)。
川崎の居所に集まった一同が作戦を思案しているとエンジェルスが現れて大きな杖を渡す。これは歌神様の杖で、時間移動・時間停止・記憶喪失などの機能を持つので川崎を止めるべく渡される。そこに川崎が姿を見せ黒柳を罵倒し、これからアイドル目指して上京したと新人を売り込むところだと言って一同の前に呼び込むと、そこに来たのは若き日のトモの母、トモヨ。思わずママ!と呼びかけ、アイドルに反対しているはずなのに怒るが、昔のトモヨはトモを知る由もない。そこに川崎が、トモとの因縁の延長として、自分はトモヨと付き合っている、わしはお前の父かもしれんぞと挑発の高笑いにトモは戸惑う。一刻も早くスマホと取り戻し川崎の記憶を消すため、川崎に踊りかかる(真夏の夜の夢)。格闘の末に川崎からスマホを取り戻し、ハゲ隠しの鬘を奪うが、代わりに川崎は歌神様の杖を奪取する。居合わせていたマイケル富岡八幡宮から、杖の秘密を教えられていたのだ。川崎は勝ち誇りマイケルを従えて逃げ去る。結局黒柳の復職は叶わず絶望の黒柳に今日子が、母ではないかと尋ねると、子を捨てた自分は母として死んでいる上に地位も失って我が子にチャンスも与えられなくなったと泣き崩れる黒柳に、今日子は、あなたを明日を信じる一人残されてもと優しく告げ(Aniversary)、すべて失っても私がいるからと微笑む。これまでのことを謝り母子は抱き合う。もう一方の母子、トモとトモヨ。トモは、若き母になぜアイドルを目指しているかを聞くと、好きだからと答えるトモヨ。父のことをなぜ教えてくれないのか、には、いかんせんまだ母でないトモヨにはどうとも答えられない。と、その時再び川崎とマイケルが現れて、忘れ物を取りにきた、とトモヨとヒロのスマホ、そして黒柳のたまねぎヘアをつかんで、Go to 2000!と捨て台詞で歌神様の杖を払う。もずくちゃんが杖にしがみつき、杖は取り戻したがその他は川崎に持ち去られてしまう。トモは母を連れ去られて、このままでは本当に父が川崎になってしまうと思い、全身を震わせて怯え叫び崩れ落ちる。見かねたヒロが、ふざけるなトモ!と叫んでから、路上でひとりアイドルとして皆を元気づけるトモの姿をみて、死をも考えていた自分が助けてもらった、影から救ってくれたトモは負けない、絶対に勝つから!と励ますと、ようやくトモは我に返り、すべてを川崎から取り返す、これは私とヒロの尾道54の闘いだ、時は2000年、いまレボリューションを始める!宣言した(My Revolution)。

(所感)

青木さんの当初のアナウンスでは、確か2時間15分から30分(でも長いw)という触れ込みだったと思うが、上記のあらすじを何時間で表現したかというと、

結局3時間ww

実際の台本を購入したので、その部分だけでみれば確かに2.5時間前後かなと感じるけれど、先述したとおり、単に演劇というだけではなく、「遊べる」シーンでは、演者たちがここぞとばかりにアドリブで、言葉のボケとツッコミの応酬、予期しない動きやメイクを施したりで、少しずつ尺が伸びていってそれが累積した結果によるもの。この時点で、小生ももちろん大好きな劇団である6番シードの、台本に忠実に練られた言葉のやりとりでボケとツッコミを役者が上手に表現して笑わせる、そんな芝居が好きな方には不評となっちゃうだろうねw。また、同じようにアドリブやハプニングで笑いを巻き起こす蜂巣和紀さんが演出や脚本する作品なんかも、あれは後半からは実に感動的な流れや見事な伏線回収があり演劇的とでもいうべきものだから、そことも異質だよね。しかも、今作はとくに多かったけど、客いじりも相当に入っていて、初日からミカエル役の佐伯さんが客席に来て「お名前は?」なんて初めて以降、青木さんが客席を見まわして、金ありそうやあいつ!と指さして、お客さんも乗っちゃうから新1000円札だしたりなんかもあって、14日の西川口Heartsはライブハウスで客席スペース広いから、演者も降りて芝居することもかなりあったしね。この辺は何度も書いているとおり、青木さんがコメディアンだから、こうしたステージでのコントなどで、客との距離が元々近いこともあるだろうし、演者も、それこそみぃちゃんのようにアイドル活動を経ていて、ライブ後特典会でのお客さんとの直の触れ合いに慣れていることも手伝って、客もイベントの立派な構成要素と認識しているってことはあるんだろうかな。
しかし!、そんな今作が、そうした中小演劇場の人気者たちにも負けないくらいに、主役級やそれ以外の演者さん達にも、いつもの笑いだけではない、泣きの表現を強いていたことは特筆すべきことだろうね。終盤で、今日子に黒柳を母ではないか?と尋ねさせるシーン以降は圧巻で、これはその端緒となる黒柳のなかがわさんが、それに続く若い人たちに、こういう笑いの作品だけれども、感情込めての芝居はしっかりと魅せよう!と言うかのように文句なく素晴らしい感情の昂まりを表現していたね。受ける今日子の田原(たばる)遥菜さんも、正直キャリアはあまり存じてないが、今日子のままに爛漫さのまま、母を憎む、恨むことを無くずっと思っていたという表情なんか、前作の今日子役の、きなこちゃんも自然な涙で圧倒してくれたが、それに劣らない好演でした。14日西川口のソワレでも、それまでよりも涙に近いものがあったが、今日の大千秋楽はどうだったのかな?。その後にも、

ヒロのこはる。さんも、一瞬だけふざけんな!ってシャウトするけど、すぐに思い直して、トモと出会った頃の心情を、あの頃にはもう戻りたくないって表情を見せながらトモを説得するのも素敵。「ときめきステーショナリーズ」でのこはる。さんの、赦すという静の芝居を思い出させてくれたね。チェキ会で、トモと出会わなかったら(死んじゃってたかも)、というところは、やはり自身がこの世界を辞めようという思ったことなんかもオーバーラップしたのか?なんて野暮なことを聞いてしまったが、サイン会でもなんでも、小生はこのシーンのときは?とか、素人なので今後も素直に聞きてゆくスタイルです。この後、みぃちゃんも感情の爆発で続くんだけど、彼女のことはいつものとおり最後で後述。そのほか、本編の本筋ではないけれど、もずくちゃんを救うために事故で死んだミイコの水川さんとランコの白井さんの、Mを歌いながらのシーンも素晴らしく、ここは事故そのものの場面を影絵で表現するところに注目が行くんだけど、何度目か観るうちに、水川さんは影絵前までは、本当に自分の死をこれっぽっちも疑っていないわけで、その表情が本当に明るくおバカさあふれるミイコのままなのが切ない。一方影絵後はただひとりランコの白井さんが歌って終わるんだけど、悲しいって部分を2割程度感じさせるけども、あとは無表情、さしずめ「喝采」のちあきなおみさんのような、という、愛した人を失っても結局私は歌う、本作では生きてゆく、そんな歌い方が素晴らしかった。出番的にはなかなか少ない役だけど、その分このMでは、他の歌上手い人のコーラスなどの印象を残さない、2人の独壇場だったね。

その他の役者さんは、まずは池田明日香!14日が小生の見納めだったので、あの「ワセチュウ」から3年、ついに池田明日香を労えた!とにかく、なかがわさんの泣き場面で、あなたが目に入るから、小生がゲラして演者さんに迷惑かけないようにって必死に下を向いていたんだぞ!責任取ってwww。この日も、

こんな白塗り、しかも途中のホームレス化するところでは目の下緑に塗って、青木さんにもいつの間にやって呆れられていたほどだが、前に何かの作品(ときステの前説かな?)で、千秋楽までは忠実に、って言ってたけど・とツッコムと、今作はやはり別格ということらしいw。西川口の会場が広いことを見抜きフロア降りての後輪ローラースケートでの往復なんかの瞬発力は素晴らしいよね。しかも、途中、ひろゆきの影山さん、池田、としかつの小山田さんの順でボケる部分があるんだけど、そこを小山田さんが間違えて先にボケてしまったところを、打ち合わせでしっかり確認したのにって小山田さんにおかんむりw。でも、さっきの即興ローラーとは違い、こういうアドリブ的ボケも一応打ち合わせるんだってことに小生は唸ったね。それをあたかもアドリブかのように見せるという、なかなかの使い手だわ。これからも平瀬美里を宜しくね。8月下旬の影山さん演出作(中野twl)も期待してるわ。
続いては佐伯瑞穂さん!

先述のとおり、初日に最初に客席に降りて弄るトップバッターだけど、当然これも打ち合わせを経てやるわけだけろうけど、最初に、弄って面白いところを弄らないと、万が一ってことがあるだろうからそれも気を遣ったんじゃないかしらw。フォーエスエンタテイメントの作品、友池さん作品でみぃちゃんとも共演は多くこちらも観ているし、6月には「GOMIX5」でのコメディエンヌぶりもあって挨拶兼ねて行ったが、劇中でもフォロワー数アップを狙うと言っていた(願い事のアドリブ)が、リプをしっかりしていたり、小生にもさりがとうございますって喜んでもらえて、いやあそんなに回数観にいけないけどって恐縮しちゃうわ。でも、さよならRADIOとかや食卓の愛などでの演技はキャリアを感じさせらるものだし、何より普段は声のキーは高いのを、いつも低めた方が良い役柄なので大変、と笑うのが、ああ、役者さんってまた声だよって唸らさせられたわ。声を大事にしつつ、また観させてもらうだろうな。
彩田栄美さん!

ときかけでは、夢月さんと改名した元夢乃つきのさんとともども、ピンクレディースの一員、というよりは歌のシーンの名ハモニストとしてすっかり歌声ではなくてはならない存在だが、5月の食卓の愛では、佐伯さんと刑事のコンビでボケ担当として、この、ときかけで培ったかは知らないがw、コメディエンヌとして奮闘していたが、今作は、その夢月さんと、影山さんのひろゆきを争いあうという設定で、引き続きコメディエンヌとしても登場。彼女も「ときステ」では、悪に憑依された生徒会長での、悪人を演じたこともあり、これで喜楽と怒を観たわけだが、まだまだ垢抜け無い感じなのが、違う役を演じた時に、どんどんアップデートされていく、というかギャップに萌えることができて、良い意味で期待をできると思う。調べたら、こちらは8月中旬に「三国ワルキューレ」という2チームでの演劇に出るそうで、あれ、彼女とは別チームながら、永瀬がーなや菜乃華れみことれみーにょが出る。うーむ、観るとすればどちらのチームか、いや、そもそも観る余裕があるのか俺には、おっけーくくる、教えて!
以下女性陣では、愛翔さん(以前は石原さん)は、前作で、ときかけで最初に感情を爆発させたシーンが、あれで役者さん達の火が点いたと思えるほど揺さぶったが、今作は3年経って心境も変わったという戸惑いの叫びが印象的。ダンスは本当に素晴らしいさろうことはトーシロなので評せないが、なんか劇中同様、ブロードウェイとか留学とかもしても遜色ないのではと思うね。そのメイコをによりそうヒロコの金石さんは、今作から参加で、彼女もダンスの面が素晴らしくて採用だったのかな?池田明日香と抱きしめてトゥナイトでは、彼よりも高く足を上げて柔らかい身体だったね。一方の夢月さんは、食卓の愛で、歌以外の演技の部分で、やさぐれた元アイドルの好演を観ていたので今回のコメディエンヌぶりで、こちらむ歌だけでない引き出しが加わった。にしても夢月さん(ゆづき)は、小生的にはあの夢月さん(ムーン)が出てしまうし、主現場でのゆづや夕月、うーむ困るわ。新エンジェルスの川畑さんは、ト書き部分の説明も担うシーンが多くて、西荻窪4公演までは、嘘かホントか、佐伯さんとともに説明セリフが長すぎて台本を観るよう青木さんが指示したとかw。ボケたくなる作品でのストーリーテラー的役は損だけど不可欠なものを全うしてくれたね。一方のもずくちゃんの雪奈さんは、もずくちゃんの集大成というくらいに弾けて自由に暴れて、我々をクスクス笑わせくれたが、反面コーラスで歌唱参加では真顔で、しかも上手いのよこれが(先述のとおり、ダンスの金石さんも含めてみんな歌が素晴らしい)。ときかけ2を観た人には爪痕を残したのは必至だよね。そして今作初のトモヨの藤井さん。吉本坂なる吉本興業グループ運営の一員らしく(現在グループは活動休止とか)、その点でステージにたつなどのキャリアはあるんだろうな。こちらも母として序盤は声低く、終盤のアイドルとしては声を高くと年齢を表現されつつ、でも吉本ってだけに、本人は若い人同様ボケたりとかのうずうずは無いのかなw。2000年に舞台は変わり続投となるかどうか!?
男性陣は、しずきよの吉井智洋、吉井くんは、あんな高いヒールを男性としてよく履いて踊れるわなw。マハラジャの黒服としてもチョイ役するが、14日の弾けぶりは心配したぞw。あの、手の甲を顔前で上下に動かす振りは健在で安心したし、終演後のチェキ会では、撮影舞台としてしっかり仕事をこなすのも相変わらず。裏方としての部分も本当にありがたいよね。そして新たにとしかつで加わって小山田さんは、彼はもともとワセチュウ出演でフォーエスさん作品も長く、直近では食卓の愛で、池田明日香と劇中劇のヒーローとして好演。7日西荻の休憩前で幕を引くところを誤って端のストッパーを外してしまったり、先述のとおり池田明日香のボケを飛ばすなど、天然さも持ち合わせるが、帰り際、気にしないでって小生に、全然気にしてないっす!の返しはなかなか大物、というかこれも天然だからかなあw。彼も裏方的な仕事もしてくれてありがたいね。一方ひろゆき・織田カンチでときかけ初参加の影山さんは、フォーエスさんってことで出てきたが、ペンを止めるな・ときステ。そしてみぃちゃんと共演の「桜だより届いてますか」が示す通り、役者さんとして素晴らしい人。7月末は先述のとおり脚本演出も手掛けるなど、役者気質の人だからか、池田明日香などがアドリブを自由に飛ばすのとは対照的に抑えた印象だったね。14日では、腹にペンで書きこむなど仕込みもしているが、今日の大楽はさらに弾けたのかしら?そしてマイケル冨岡八幡宮の彩我さんは、もう出てきた時の声が、マイケル富岡であり赤坂泰彦でありと本当にDJだったのが素晴らしいかった。彼もフォーエス絡みでなんか観ている気がするんだけどなかなか思い出せない。川崎に寝返ったようにこちらも2000年での続編はどうなるか?
さて最後は脚本演出、そして川崎の青木竜象さん。

今作も、若い人達が自由に遊ぶところを盛り込みながら、サポートするところはしっかり締めるというだけでなく、先述したとおり、演技者として表現する魅せ場である感情を顕にするシーンを用意して油断させない構成が素晴らしかったです。4年程度の演劇観賞歴の小僧だけど、どんな芝居でも感情を振り切り具合で観客の乗りも左右するのは、観客として肌で感じてるから、役者としてこの経験有無は、その人の次にプラスでしかないと思うので、次作の2000年バージョンは、役者一人一人に、うざくならない程度に感情出すシーンがあれば、と期待してしまうな。
また、これも素人なもんで野暮ったらしく聞いてしまったが、プロットに合わせた曲選定については、時代背景からしてバブル期(80年後半から90年前半)縛りの中、いくつもあった候補を絞り込んだ結果が、あらすじの()内の曲として歌われたという。青木さん自身はB'zのファンで、ZEROよりも使いたいものがあった(折角聞いたのに失念T_T)そうだか、確かにZEROなんかは歌い慣れされているように見えたよね。ちなみに小生は今作ではMONEYかな。川崎の野望を如実にしている素晴らしい選曲でした。2000年(次作トモとヒロが向かう時代)になると自分はサビで口ずさめる曲がいくつあるかな、については、大丈夫とのことで耳に馴染みある超メジャー曲だけでも予習しておこうかな。14日には、後輩のコメディアンのできたくんを呼び込み、あのMの影絵のシーンのうさぎや猫は、彼の持ち芸である発泡スチロールの即席カットが使われていて、この西川口公演のみ特別に実演でカットしてもらおうと声かけたんだが、できたくんが、

西荻窪と勘違いして、リハに間に合わなかったww

という、アイドルの台場の青海と青梅バリの間違い話を暴露するのも、先輩後輩両人ともに素敵でした。

(平瀬美里)
もはや勝手知ってるホームグラウンドたるフォーエスエンタテイメント、しかも青木竜象、池田明日香、こはる。ら気心も知れた「ときかけ」の現場とくれば、「ネーチャンズ」との稽古本番期間被りもお手のものだろう、今作では息抜き代わりに、おふざけアドリブなどで遊んできなよ、なんてスタンスで小生は捉えていたんだよね。そのとおりに、初日から青木さんや池田明日香との絡む部分は、4公演目でのベースの小川さん巻き込みやカリブの海賊のコントの飛び入りに進化させ、14日西川口では、スタバ?スタダ?スターダスト?いやいやいや、って微妙な顔で濁すボケにまで進化させるなど、順調に、ときかけならではの楽しみを自身で堪能していたと思う。また直接チェキお見送り時に言ったけど、さすがにこはる。さんの後に、あれだけ感情爆発させるシーンがあるとはさすがに油断したでしょ?にも、「あれはときステ(ときめきステーショナリーズ)の方が大変」と、涼しく言い切った姿には、4年間の主従役、しかも従でも脇ではない準主級、の経験を技術として活かした自身みたいなものさえ感じられたね。
そして、これは小生が何年平瀬美里を追っているのか?って猛省しないといけないのは、14日西川口での涙。終演後の挨拶で何気なく青木さんが、それこそダメ出しでも何でもなくで、六本木心中歌い出し忘れたな、って、ホント悪気なく言ったんだよね。彼女的には最後の最後、ヒロに発破かけられて、うっそー!と強がって立ち直るシーンでも吹き出して、セリフをやり直したのもあったんだが、その後でこはる。さんや田原さんが、言わないであげてとフォローしてくれた際に、悔しさで見せたのがその涙。皆、別にままあることだしって意味で責めてもいないし、小生だって、不注意や散漫なものでなく、真剣な本番だからこそのNGなんて、贔屓関係なく全く悪くないし気にすることはない(実際本人にも言った)と思ったが、みぃちゃんは、

この日だけしか観られなかったお客さんに、

恥ずかしいものを観せて申し訳ない。

そのお客さんとは一期一会なんだから!

ああ、毎公演ごとに、あなたはこうしたプロ意識でステージに立ってくれていたんだよなあ。振り返ればアイドル時代からもそうだった。捻挫してもスタンドマイクで歌い、夏場暑くて板が火傷するほどでも、腹筋録という曲でうつ伏せになって、笑顔で居続けていた。言葉にして言ったか書いたかしたことを小生忘れたのか、あるいはその姿勢から感じとれなかったのか、いずれにせよ自分が情けなかったよT_T。
こうした姿は、おそらく座組の共演者やスタッフには必ず刺激を与えていると思うのは、小生、終演後のサイン会や特典会で、みぃちゃんだけでなく共演者の方にもお話をしたくて並ぶんだが、さりげなく平瀬美里を話題に出すと、もちろんリップサービスはあるにせよ、ここまで皆さん好評価をして下さるのよね。演技力が、ってのはともかく、座長の場合の姿勢であるとか稽古中の姿とかに、若いのに(見習える・大したもの)って言ってくださると、なんか、あなたの次の作品観させてもらいます!って営業かけてるつもりが営業かけられてるT_T。は冗談として、この姿が、オーディションや指名で次の作品に呼んでもらえるのはあると思うのよ。くどいけれど、そんな人の何たるかをも知らなかった自分が恥ずかしいわ。しばらく反省の意味を込めて、もっと舞台演劇を観賞し知見を広めながら、たまには、平瀬美里を広めてゆきたいと思うわ。

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