アマテラス 最高神の知られざる秘事 (図解する読書メモ)

この本を読んだ後と前で変わったことは、神様のとらえかたです。神様を、ある時期は一部の人が独占していたものが、次の時期になると誰でもアクセスできるものになっていく、という歴史の流れが大変興味深かったです。

これ、現代日本だと伝統的な寺社の存在感がやや下がった代わりにアニメやゲームの中での神様仏様の存在感が増えた、みたいなのと似た構造です。1000年以上前の時代にも、神仏に関して「組織のコンテンツ→個人のコンテンツ」という社会的な流れが起きていたのは大変興味深いです。

パワースポットや寺社巡りが好きな人はもちろんですが、「神様を身近な存在に」という方向性を持っている人みんなにおすすめです。



※今回の読書メモ紹介対象の本

※このシリーズでは「クリエイターは見開きノートに読書結果を図解せよ」を実践中です

※紙でメモした図を共有用にテキストに起こしたものとなります。本文の中身は最後まで無料ですが、元の紙の画像は後日に有料公開予定です。


A.矢印(フロー)を書き出す

矢印1
罪の自覚→神仏による許し
矢印2
国家のアマテラス→「わたし」のアマテラス
矢印3
多神教の神→根源の一者へ
矢印4
燃えた神器(鏡)→金のごとき二粒(仏舎利的なもの)へ
矢印5
カミ→ホトケへ
矢印6
天上にまします神→ケガれたこの世界に蛇として降臨


1.キリスト教の懺悔じゃないけど、奈良時代の仏教にも似たものがあった 

2.個人が礼拝する神じゃなかったものが、個人が語りかけ願い事する神に変っていく

5.いわゆる神仏習合。観音や愛染や大日といったホトケたちと一体化していくアマテラス

6.「蛇」が神の本体という発想は仏教以前の時代からあるが、煩悩の象徴的なほうの意味がついてきているのが仏教以降の「蛇」の特徴。


B.対比(比較)を書き出す

対比1
古事記
日本書紀

対比2
トヨウケ(外宮)
アマテラス(内宮)

対比3
激しさ
静けさ

対比4
たたる
しずまる

対比5
カミ
ホトケ

対比6
国家神
個人神

対比7
男性的
女性的

対比8
根源神・一者
多神教

対比9
信仰の体験
机上の学問

対比10
直接的に人間に語り出す神
間接的にメッセージを伝える神


C.インパクトがあったことにコメント

※矢印4
え?三種の神器の鏡って宮中で燃えて金の粒になってた記録があるのか。びっくりした。

剣は海底に沈むし(源平合戦)、神璽(勾玉)は盗まれるし(南北朝の戦い)、歴史が長いとそういうお宝消失の伝説はことかかないね。

※対比1
アマテラスは最初から、伊勢に祭られていた(古事記) もしくは最初は宮中にあって遍歴を経て伊勢にいたる(日本書紀)

神宮の起源、公式的な設定が2個あるのが面白い。日本書紀の設定のほうが有名な気はする。

※対比8
根源神や世界の始まり以前とアマテラスやトヨウケがひもづけれる。そしてそこに至る道としては「清浄」が重視される。もはや多神教というより一神教に近い世界観も出てくる中世神道。

キリスト教伝来以前の中世にヨーロッパの根源神みたいな世界観もあったのはわりと衝撃的。


D.拾ったキーワードリスト

ホトケ(阿弥陀・大日・観音・愛染)
根源神
個人神
国家神 
ダイナミック
サイレンス
祟り
知識
蛇 


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?