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幼稚園におけるデジタル・ドキュメンテーションの影響に関する北米初の調査結果

幼児期のプログラムでのデジタル・ドキュメンテーションの使用は、カナダと米国でますます一般的になりつつあります。

さらに、幼児教育におけるデジタル・ドキュメンテーションや「e-portfolios」の利用に関する世界的な文献を調べてみると、独立した研究は3件しかなく、すべてがニュージーランドで行われたものでした。

最近、私はカナダの早期学習期に対するデジタル・ドキュメンテーション技術の影響を調査するため、最初の組織的な研究をしました。

研究の概要
具体的には、教育ドキュメンテーションツール「ストーリーパーク」を使って、家庭と学校の学習環境の関係を強化し、よりまとまりのある「子どものための学習コミュニティ」を作ることに焦点を当てた研究をしました。

この研究では、オンタリオ州の大規模な都市部の学区にある4つの幼稚園、計11のクラスにストーリーパークを導入し、評価してもらいました。

研究には、ストーリーパークを使用する220人の保護者と、彼らの子供の学習を記録するために保護者からストーリーパークの使用許可を得た幼稚園が、参加しました。

19名の幼稚園教員と16名の保護者には、ストーリーパーク導入前と後にインタビューとアンケートに参加してもらいました。また3名の園長には導入前にインタビューのみ行い、さらに導入後に33名の幼稚園児にも同じくインタビューのみを実施しました。

そして3,000件以上の幼稚園教員のラーニングストーリーと1,500件近い保護者のコメントを分析しました。

量的データと質的データを掛け合わせてみると、ストーリーパークは幼稚園の教員や保護者だけでなく、幼稚園児にも圧倒的に良い影響を与えていることがわかりました。

研究の結果
教員へのインパクト
幼稚園の教員には、ストーリーパークが4つの点で良い影響を与えていることがわかりました。

1.教員と保護者のコミュニケーションが増え、改善された。
2.教員と保護者の関係が改善された。
3.教員が"The Kindergarten Program(オンタリオ州の幼児教育プログラム)"を理解するようになった。
4.教員と児童の関係が改善された。

幼稚園で実際に学習が行われているという信頼感をさらに高めることができたため、Storyparkは保護者との関係構築にとても役立ちました。- Kimberley McNamera (幼稚園教員)

保護者へのインパクト
保護者には、ストーリーパークは4つの点で良い影響を与えていることがわかりました。

1.幼稚園での子どもの学びについて、その内容を保護者が理解しやすくなった。
2."The Kindergarten Program"に対する保護者の理解度が向上した。
3.親子間で行われる学びについての会話が改善された。
4.子どもの学びに対する保護者の関わり方が改善された。


ストーリーパークは、食卓を囲んでの家族の会話をサポートします。 子どもたちが家に帰ってきて、「学校どうだった?」「普通、何もない」となってしまった時、ストーリーパークは会話のきっかけを作ります。- Laureen Armstrong (幼稚園教員)

幼児へのインパクト
幼児には、ストーリーパークが3つの点で良い影響を与えていることがわかりました。

1.幼児が自分の学習を思い出しやすくなった。
2.幼児が学びについて保護者や教員と話しやすくなった。
3.幼児が自分の学びを誇りに思えるようになった。

ストーリーパークは、私が作ったすごいものを、また見せてくれるの! - 幼稚園の幼児

ひょっとすると最も重要なことは、ストーリーパークを通じて幼児が学びを振り返り、そのことについて保護者や先生と話すことで、自分が学んだことに誇りを感じられるようになることなのかもしれません。

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