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天下分け目のホーム2連戦

 今秋開催のカタールワールドカップ2022出場のために大事なホーム2連戦が本日始まる(27日(木)vs中国代表、2月1日(火)vsサウジアラビア代表)。サウジアラビア代表には前回アウェーでの対戦で敗れていることを考えるともちろんリベンジと行きたいが、まずは中国代表に可能なら複数得点&完封で勝利したいところだ。

 しかし、不動のキャプテンである吉田麻也(UCサンプドリア/イタリア)、イングランド1部BIG6の一角に数えられる強豪のアーセナルでレギュラーを張る冨安健洋を負傷で欠いており、状況はなかなか厳しい。この試合でまた不覚を取るようなことがあると、アウェイでのオーストラリア戦代表との試合を残していることも相まって、再びW杯出場に暗雲が立ちこめる。黄信号点灯か、逆にこの2戦で連勝を収め、一気にグリーンライトと行くか、注目である。

 ここで本来であれば予想スタメンを書くのであろうが、選考に納得のいかないところもあるため、その監督の考えに沿って思案するのは少々癪に障る。ここでは私なりのベストイレブンを記したい。フォーメーションは下から4-3-3だ(以下、今季の出場試合数は2022年1月27日(木)現在、対象はリーグ戦のみ。シーズン途中に移籍した選手の○試合中は移籍後出場可能となってからカウントを開始した試合の総数である)。

※ところどころサガン鳥栖サポーターらしい目線が割り込んでくるが、そこはご愛敬ってことで笑

ゴールキーパー:権田修一(清水エスパルス)
2021シーズン38試合フル出場0得点(54失点)

森保ジャパン始まって以来の(ちなみに発足当初はサガン鳥栖所属であった)。ポルティモネンセから清水エスパルスに期限付き移籍で加入した昨季、ディフェンスが不安定な清水にあって彼(だけ)は安定感抜群で、残留を争う湘南相手にアウェーで引き分けた試合後のロッカールームでは緩んでいたチームメイトの雰囲気を締めるなど、類い稀なキャプテンシーをピッチ内外で発揮してきた。疑いようのない不動の守護神である。

左サイドバック:中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)
2021-22シーズン20試合中16試合出場0得点/2020-21シーズン32試合2得点

現在、長友佑都(FC東京)が不動の存在として鎮座しているが、私は中山をファーストチョイスに推したい。元々、ボランチからセンターバック、サイドバックも出来るという触れ込みの選手であったが、器用貧乏な印象が否めず、年代別代表のキャプテンを務めていた頃は何度も不要論を唱えた。しかし、東京五輪直前からの成長スピードはすさまじく、今では堅実な守備から左ウイングと連携しながらドリブルや縦パスで攻撃のスイッチを入れられる貴重な選手になった。現在も長友との交代という形で決まって途中出場しているが、私はスタメン起用こそ中山の生きる道だと考えている。個人的には中野伸哉(サガン鳥栖)や、酒井宏樹のJ復帰初戦でマッチアップした大畑歩夢(浦和レッズ)が成長し、いずれ代表に選出されるのを願っている。

センターバック:①板倉滉(シャルケ04/ドイツ)
2021-22シーズン17試合中17試合出場1得点/2020-21シーズン34試合1得点(FCフローニンゲン/オランダ)
②谷口彰悟(川崎フロンターレ)
2021シーズン30試合0得点
本来は吉田、冨安の2名が不動であったポジション。今回は同じく冨安のコンディション不良があり東京五輪で吉田とタッグを組んだ板倉とJリーグベストイレブン選出の谷口を起用したい。板倉は冬季中断前までの活躍でドイツ誌『キッカー』のブンデスリーガ2部センターバック部門で最優秀選手に輝くなど、オランダでも評価されてきた守備力は折り紙付きだ。谷口も過去3度Jリーグベストイレブンに選出されており、その実力は国内屈指。2名の負傷というスクランブルな状況ではあるが、植田直通(ニーム・オリンピック/フランス)や追加招集された中谷進之介(名古屋グランパス)より谷口起用の意外性は少ないのではと思う。今後、ドイツ1部で急成長中の伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)の選出にも期待したい。

右サイドバック:酒井宏樹(浦和レッズ)
2021シーズン15試合中14試合出場2得点(夏に浦和レッズ移籍)/2020-21シーズン29試合0得点(マルセイユ/フランス)

昨夏フランス1部の強豪マルセイユから電撃復帰したディフェンダーは今もなお、ワールドクラスにあることを東京五輪と夏以降のリーグ戦で証明した。山根視来(川崎フロンターレ)もいるが、右サイドバックで彼が出場することに異論を挟むものはいないだろう。ただ、私は室屋成(ハノーファー/ドイツ)の招集があっても良かったとは思っている。

ボランチ:遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)
2021-22シーズン20試合中20試合出場1得点/2020-21シーズン33試合3得点

吉田が怪我のため不在となった今、フィールドプレーヤーでただひとりの最終予選全試合フル出場となるドイツ1部の「デュエル王」。この2戦キャプテンを務めることもあり、他の選択肢はないに等しい。サガン鳥栖サポーターとしては今後、ここに国内組合宿に招集された松岡大起(清水エスパルス)が絡んでいけるか、今のうちから注目したい。

インサイドハーフ:①田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
2021-22シーズン20試合中15試合出場0得点/2021シーズン20試合中20試合出場1得点(夏に川崎フロンターレを退団)
②守田英正(CDサンタ・クララ/ポルトガル)
2021-22シーズン19試合中16試合出場1得点/2020-21シーズン22試合中20試合出場2得点(冬に川崎フロンターレを退団)

ここは守備力と攻撃力を持ち合わせる元川崎フロンターレの2名起用で問題ないと思われる。柴崎岳(CDレガネス/スペイン)というチョイスもあるにはあるが…

左ウイング:南野拓実(リバプールFC/イングランド)
2021-22シーズン23試合中8試合出場2得点/2020-21シーズン19試合3得点(冬にサウサンプトンに期限付き移籍)

森保ジャパン発足時のNo.10、中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)の代表復帰も噂されたが、今回は見送られた。トップ下が存在しないこのフォーメーションにおいて、監督は左ウイングに南野や鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)を配置し、窮屈に起用させてきた。今回も南野の出場が有力だが、そもそも現在の南野の得点能力は、2次予選と比べると乏しい。前回、このポジションでアシストを記録した三笘薫(ユニオン・サン・ジロワーズ/ベルギー)のように生粋のウインガーを、右と同様に左にも配置すべきだと私は考えている。次回、ドイツ1部で19試合7得点と好調を維持する奥川雅也(アルミニア・ビーレフェルト/ドイツ)の選出に期待したい。

右ウイング:伊東純也(KRCヘンク/ベルギー)
2021-22シーズン23試合中23試合出場5得点/2020-21シーズン34試合10得点

昨季は34試合出場で10ゴール12アシスト、今季もリーグ全試合出場中、5ゴール10アシストを記録するなどベルギー国内でも屈指のウインガーであり、常にステップアップ移籍の噂が絶えない伊東を順当に起用したい。久保建英(RCDマジョルカ/スペイン)や堂安律(PSVアイントホーフェン/オランダ)の起用もアリだが、伊東に大きな問題が発生しない限りは、共に違いを生み出せる選手であるからこそ伊東先発、途中で久保を出場させて異なるリズムをつくるという起用が現実的であろう。

センターフォワード:前田大然(セルティック/スコットランド)
2021-22シーズン1試合中1試合出場1得点/2021シーズン36試合23得点(横浜・F・マリノス)

負傷していなければ古橋享悟(セルティック/スコットランド)を起用したかった、そうでなくとも国内組合宿で好調であった上田綺世(鹿島アントラーズ)を抜擢するくらいの気概があってもよかったと思うポジション。今回も「半端ない男」大迫勇也(ヴィッセル神戸)が起用されそうだが、あえて私はスコットランドデビュー戦でゴールを決め、セルティックサポーターを湧かせた男を推薦する。一瞬の抜けと馬力のある走り、得点王も獲得した決定力はいずれもマリノスと対戦した他クラブを応援してきた者には説明不要だろう。今後ここも林大地(シント・トロイデン/ベルギー)が絡んできたらサガン鳥栖サポーターとしては面白い。

中国の要注意選手
中国代表唯一の欧州組であるスペイン1部リーグ所属のFWウー・レイ(RCDエスパニョール/スペイン)や、DFティアス・ブラウニング(広州FC/中国)、FWアラン、FWアロイージオ(いずれも所属無し)といった帰化選手には注意したい

サウジアラビアの要注意選手
前回対戦時に失点を許したFWフィラス・アルブライカン(アル・ファトフSC/サウジアラビア)や、主将MFサルマン・アル・ファラージこそ怪我で不在だが、DFヤースル・アル・シャハラーニ、FWサラー・アル・シェフリ(いずれもアル・ヒラル/サウジアラビア)といったACLで圧倒的な強さを見せるアル・ヒラル勢には特に注意が必要。ホームで同じ轍を踏む訳にはいかない

ざき

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