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存在しない

社会人になるとどこからともなくやって来るのが飲み会。
ぼくは別に飲み会が嫌いな訳では無い。お酒を飲んで、普段言えないようなことも無礼講。中には本音を少し混ぜて上司を敬遠する。こんなにありがたい会は無い。でも、これは2、3人の場合の話である。

3人から人数が増えれば増えるほどぼくは楽しくなくなる。

取引先の会社の社長と専務、そしてうちの会社から4人の計6人。
個室の部屋に案内された。雰囲気はまぁいい。味も普通。「同僚は会を開く時に使うお店では無いな。」と言っていたが、ぼくも同意見であった。
飲み物と最初の注文を聞きに店員がやってくる。ここでぼくの「3人以上の飲み会苦手」が発揮されることになる。
「じゃとりあえずビールで」と相手方の専務が先陣を切って注文した。「ビールの人?」と店員さんが取りやすいようすぐに質問する。
相手方の社長は車だったのでノンアルコールで、もう1人お酒がだめだということでノンアルコール。
ぼくにもビールかの質問をされたが、ジンジャーエールと答えた。「あれ、お酒飲まないんだ」と軽くプレッシャーをかけられた。
「気分じゃないんで」この必要とされていない会で楽しんでないことをアピールするかのように素っ気なく返事をした。本当は飲みたかった。「頼めば良かったのに」と自分に諭されながら後悔した。
そのままこの会は進んでいくが、ぼくは一向に会話に入らない。質問されれば返すだけ。

3人以上の会はどうしてもぼくがいなくても成立する。と思ってしまうからだ。
誰かの振った話題に対し誰かが返答する。次の返答を考えている間にまた誰かが返答する。このラリーが4、5回繰り返されると話ははるか先に。考えていた返答なんて思考の藻屑となる。

だが、飲み会は嫌いではない。人数が多くても聞くだけなら楽しい。
この空間だけは人間関係というややこしく、くだらないネットワークから解放されるようだ。

3人以下ならば喜んで参加するが、6人以上の場合、ぼくに話を振るのは極力やめて頂きたい。

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