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Story 4 プルプル族の一大事 その2

「3つの試練を用意した。試練をすべて乗り越えた者がプルプル族を救う勇者プルプルじゃ。」

「3つの試練?いったい何をするんですか?」みんなザワザワし始めました。

「あ~、うるさい。今から説明するのでよく聞くのじゃ。まず1つ目の試練は簡単じゃ。ただお皿に乗って、プルプルするのを我慢するだけじゃ。」

みんなはもう訳がわかりません。でも急かされるまましぶしぶお皿に乗りました。すると助っ人に来ていたガンモ3兄弟がすごい勢いでお皿を揺らし始めました。

なまこめ君は体が平べったいのを利用してお更にペタリとはりついて、ピクリとも動きません。でもプルプルの女王、ババロンマリコさんは揺れに揺れています。
「ババロン、失格!」長老が言いました。他のプルプル族のみんなもどんどん失格していきました。
1回戦のお皿プルプルの試練を乗り越えたのは、なんとなまこめ君とゴマプル、ジェロジェロセブン、そしてプリリンの4人だけでした。

「たった4人とはなさけないの~。こんなことではプルプル族は本当に滅亡してしまうぞ。じゃが、仕方ない。2回戦はランニングマシーンじゃ。絶対にプルプルしないよう気をつけて走るんじゃ。」

ジェロジェロセブンは「そんなの無理ですよ。」とやる前からあきらめ顔。なまこめ君はまた体をピタリとランニングマシーンにくっつける作戦にでました。ジェロジェロセブンは体を硬直させていますが、一瞬気を取られた瞬間にプルンプルンしはじめ、プルプルが止まらなくなりました。ゴマプルも足を滑らせプルプル。
「二人とも失格!」

なんとなまこめ君とプリリンが決勝に残りました。
「さていよいよ最後じゃ。決勝戦はロデオ対決をしてもらう。荒れ狂う馬の上でもプルプルせずに堪えた方がプルプル族を救う勇者だ!」

暴れ馬に乗せられた二人は恐怖で顔が歪んでいます。

でもプリリンは持ち前の勝気さで、「なまこめ君には絶対に負けないんだから!」と宣言しました。なまこめ君は自信がありません。

長老の「スタートじゃ!!」の掛け声とともに、”ハイヤァ~!”と馬が暴れだしました。プリリンは必死で耐えています。なまこめ君も気を抜くとプルプルしちゃいそう。

どちらが勝つのかと皆が固唾をのんで見守っていたその時です。プリリンの頭の上のさくらんぼの飾りが飛ばされそうになりました。

「あっ!私の飾りが…!」プリリンは咄嗟に手を伸ばしてしまいました。
その瞬間、プリリンの体が大きく傾いて、その反動でプルプルが止まらなくなりました。

なまこめ君は目をつぶって必死に暴れ馬にくっついていたので、何が起こっていたのか全然知りませんでした。でも、「なまこめ~!」「やった~!」という皆の歓声で自分が優勝したことを知りました。

長老が、「3つの試練を耐え抜いたプルプル族を救う勇者は、なまこめに決定じゃ!」と宣言しました。

そして、「プルプル族を救う勇者の称号をなまこめに与える!なまこめは、今日から勇者コリコリじゃ!」

なんとなまこめ君は勇者コリコリとなってしまったのです。
「コリコリなんて嫌だよ~。」となまこめ君はプルプル泣き出してしまいました。

おしまい

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※毎晩息子に読み聞かせならぬ語り聞かせをしています。内容をどんどん忘れていくので書き留めていくことにしました。

「プルプル族のお話」はClubhouseというSNS内のお部屋「ゆりかごの歌クラブ」の中ででたふとした話からイメージをもらい作ったお話です。よろしければその1からお読みください。

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