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雷撮影基本の「き」

私が好んで撮影する雷(落雷)ですが、難しいと思われる方が多いと思います。実際のところ、私も始めた当初はかなり苦労して、試行錯誤しながら現在の撮り方にたどり着いています。今回ご紹介するのは雷撮影の基本中の基本です。本来であれば安全面や雷雲発生の予測が一番に来るのですが、今回は技術的なことだけを記したいと思いますので、その点はご了承下さい。

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機材を揃える

まずは機材の準備です。フィルムカメラでも構いませんが、コストの面を考えるとデジタルが有利です。マニュアル操作が出来る一眼レフやミラーレスがおすすめで、レンズは標準ズームがあればOKです。

その他、三脚、リモートコード(有線、ワイヤレスどちらでも)、ストーンバッグ、ウェイトが必要です。夜間撮影ではバッテリーの消費が多くなりますので、予備のバッテリーもあると安心です。

雨雲レーダーを映すスマートフォンやタブレットも重要なアイテムです。雷雲の位置がわからなければ撮影になりませんし、何より安全面からも必ず携行して下さい。国交省や気象庁などのレーダーがおすすめです。

撮影の準備

雷撮影では昼夜を問わず三脚とリモートコードを使用します。雷雲が近付いてくると急に風が強まりますので、三脚にはストーンバッグを装着して、ウェイトを載せておくと、ブレ防止、転倒防止になります。

稲妻が見える方向にカメラを向け、手にはリモートコードを持ち、肉眼で稲妻を見ながらシャッターを切ります。特にミラーレスの場合、EVFや背面モニターを見ながらの撮影ではタイムラグが生じます。雷が光るのは一瞬ですので、肉眼で見ていたほうが確実に写し止めることが出来ます。

ピントは昼夜を問わずマニュアルフォーカスで、不意にピントリングが動かないように、パーマセル等で固定しておくと良いでしょう。ピーキングを使えば夜間でもピント合わせが容易に出来ます。

露出モードは、明るい時間帯と薄明の時間帯はお好みで、私は絞り優先AEを多用しています。露出補正はマイナス側に設定していることが多く、-0.3を基準にしています(露出オーバーを防ぐため)。明かりのない時間帯はバルブ撮影になりますので、マニュアルです。ホワイトバランスはオートで問題ありませんが、色々試してみると印象的な色味で撮れることがあります。

時間帯別の設定

雷撮影では時間帯によりシャッター速度を変える必要があります。3つの時間帯に分けることが出来ますが、明るい時間帯(昼間)、薄明の時間帯(早朝、夕方)、明かりがない時間帯(夜間)、それぞれ設定が異なります。

明るい時間帯は1/30秒以上でスパッと切り取ります。最も難しい時間帯で、光ると同時にシャッターを切らないと稲妻は写りません。比較的速いシャッター速度で写すため、細かな枝分かれを写すのは難しくなります。落雷シーンを動画で撮影すると、地上と雲の間を何回か往復していることがわかります。遅れたと思っても何枚か連写しておくと、戻りの稲妻を写し止めることが出来ます。諦めずに何度もチャレンジして下さい。何度も落雷を見ていると、次第に目が慣れてきます。

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絞り優先AE ISO200 F8 1/100秒 -0.3EV

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絞り優先AE ISO400 F5 1/50秒 -0.3EV

薄明の時間帯は比較的撮りやすい時間帯です。辺りが薄暗くなると稲妻もハッキリ見えるようになり、実際の速度よりもゆっくり動いているように見えます。シャッター速度は1/4秒~1/30秒程度、シャッター速度が上がらない時は、ISO感度を上げて調節して下さい。あまりシャッター速度が遅くなると、逆に稲妻が写らないことがあります。こちらも昼間と同様に、光ると同時にシャッターを切ります。夕焼けや薄明の空色と組み合わせて、印象的な写真が撮れる時間帯ですので作品作りには欠かせないですね。

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絞り優AE ISO200 F16 1/8秒 -0.3EV

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絞り優先AE ISO160 F11 1/20秒 -0.3EV

明かりがない時間帯は最も簡単に撮れますので、初心者にはこの時間帯がおすすめです。夜間はバルブ撮影で稲妻が画面内に入るのを待ちます。花火の撮影と同じ要領です。単発の落雷には絞り開放からF5.6程度、複数の稲妻を入れる場合にはF8~F16程度。稲妻が画面内に入ったら1.2.3と数えてシャッターを閉じます。あまり早く閉じると露出不足になりますので焦らずに。ノイズリダクションに関してはお好みでON/OFFして下さい。私は効率良く沢山撮りたいので、OFFにしています。

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バルブ ISO200 F8 33秒

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バルブ ISO200 F8 32秒

今回記したことは、基本の「き」の部分です。本格的に撮影する場合や、応用編などはまたの機会に紹介したいと思います。

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