詩【食いぶち】

ハイエンドな意識を
普段着らしく纏ったつもりになって
知らぬ間に見過ごしている

そして置いてけぼりにあった

そう思い込んでいたら
妄想に食われてしまった

果てしなく宇宙のような
妄想の腹の中は暗く

明かりなんてものは
何光年も見当たらない

後先考えず
浮遊して いるのかいないのか

ふぐさしが食べたい

とっぴな思いつき
それだけは少し出てくる

それらしく言って書いて
切って貼って書いて
行間をそれなりに

なんだこれ

クソみたいな稼ぎで食う
それだけの食いぶちの野郎と何が違うのか

知らないよそんな
妄想の腹の中の話だろう

そこにいるのなら
それなりに納めないと
妄想も食わせてはくれないよ

どうするの?

なんでもします
いや本当は嫌です

嫌でもやらないと

嫌ですやめます

嫌だからやめますと言う
けれども当然に妄想の腹の中の闇は深く
長い時の間延びしたやつらに
頭下げて謝らされる

間違った日に出されて
取り残されたプラごみみたい
ペットボトルみたいなのに
取り残されて

連れていってはくれないんだ
その日を間違えないように
選ばないと

それでも妄想の腹の中の闇の奥底は深いから
もう今日が何曜日かどうかも知らないんだ

もうここで家を建てようか
そう思ってしまって
少し掘った足元は
泥のように溶けて足にとても馴染む

ハリボテの家でも建てられたら
少しは格好がつくのかな
そうやってまた見過ごしていくのが

嫌だ


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