詩【カーテンレールの音】

流れるような音に誘われ
レースのカーテンは白い羽を翻す
内と外の景色を分ける存在ではあるが
おそらくは持ち手の意思か
ただの無意識がその明暗を分けている

気持ちの良い音を放ちながら
羽が美しく広がるか収められるかについて
わからずに感覚のみを頼って都度左右に振ることが繰り返される存在ではあるが

何をしているのかっていうのは
何をするのか によるよね

内外は既に分けられているのに
またこうしてカーテンレールの音を聞くと
敢えてまた分け目を作る意味がわからないと
思う日があった

過剰供給される意識に苛まれては
これ以上水を切れないってくらいの
ザルみたいな細かさで言葉を刈る

暇じゃない暇じゃない暇じゃない暇じゃない
いちいちそんなに注意深く見猿聞か猿言わ猿
やっていくほどのものでもないし
暇じゃない暇じゃない暇じゃない暇じゃない

じゃあいつならいいのって聞かないでくれよ
そんなことばかり気にしていることが暇じゃなくしているんじゃないか
燃えているどこかが 知らない
燃えているどこかも 知らない
燃えているいまここ 知らな い

燃えている燃えている燃えている燃えている
暇じゃない暇じゃない暇じゃない暇じゃない

不意に流されていくカーテンレールの音それもまたカーテンコールのように誘うのはだいぶ意識の中がオリオン座の内部でSケンしている最中みたいだからかな

宝物を目指しているだけなのに
宝物が何かについてわからないことが多すぎる
今更って思うことも多いだろう
今更じゃないんだなそれが
内外に分けられているのにわざわざまた分けることにも意味があるんだなきっと
不思議なことにそういったことを考えている最中にこそ新しい先についてが見つかるもんでもあるし

もう一度いや何度でもカーテンレールの流れる音を聞いていくのだろう その度その度に意識をするわけではないのに どこかでは意識が複雑な回路を織りなして明暗を分けていくのね
結局はその羽衣の余韻に少しでも触れさせて欲しい

そういう日

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