見出し画像

人は人を見かけで判断する。その現実にどう立ち向かうか


「あなたは人を見かけで判断しますか?」


こんなことを聞かれたら、おそらく「いいえ」と答える人がほとんどだと思います。

なんとなく倫理的に良くない気がするし、人の内面を一切考慮しない表面しか見ない偏見の塊のような人間に思われてしまうような気がする。

でも残念ながら、私とあなたは違うとしても、現実には他の人たちは人を見かけで判断してます。しかもかなりの割合、領域において。これは様々な研究で明らかになっている事実です。

人は顔だけでその人がデキる人かどうか判断している


2006年にプリンストン大学で行われたアレクサンダー•トドロフの研究では、人は知らない人の顔写真を0.1秒見ただけでその写真の人物に対する印象を判断することができ、顔の特徴によって能力や信頼性といった事柄まで判断すると結論付けています。

さらにトドロフの研究では、顔の第一印象が選挙結果に大きな影響を与えることも示されました。
実際に顔が「有能そう」と評価された候補者は、選挙で勝利する可能性が高いことが確認されています。

また、これらの判断はほとんどが無意識に行われ、参加者自身がその判断をどのように行ったかを意識していないことが多いです。

ということは、私たちも理性では人を見かけで判断していないつもりでも、無意識のうちに判断してしまっている可能性があるということです。

もちろん、これは不愉快な事実です。容姿がいいだけで得する人がいる一方、容姿のせいで損する人もいるということになるからです。

そんなことは倫理的にも道徳的にも正しくない、という気持ちは私もあなたと同じです。
単に容姿の優劣で能力の優劣まで決めつけられてしまってはたまったものではないし、全く公平でも公正でもありません。

しかし、実際には人の見た目に関する他の研究結果を調べれば調べるほど、思った以上に人は人を見た目で判断しているという事実が積み上がっていくだけなんです。

変えられることは変え、変えられない現実は受け入れる。

では、私たちはこの不都合な現実に対してどう反応し、どう行動するのが賢明でしょうか。

まず、人は人を見た目で能力や信頼性をも判断するものだ、という現実を受け入れましょう。
これがどれだけ間違っていても、無くす努力はしても不正が無くならないことと同じだと捉えるしかありません。

人が人を見た目で判断するのは、これまでの人間の進化の過程でそれが理に適っていたのではないか。
だから人間も動物である以上、それは本能のようなものなのだと一旦受け入れる。

では、人は人を見た目で判断するという現実に対して私たちはどう反応するか

もしも私のように、あなたも見た目で損している側だとしたら、憤慨して「人を見た目で判断するな!!」と怒りをぶちまけたい気持ちはよくわかります。が、それはあまり賢明な選択ではありません。

そうではなく、その現実を受け入れた上で冷静にとれる行動を選択しましょう。

私たちそれぞれに持って生まれた顔や体は容易に変えられませんから、まずはそれ以外についての努力をしましょう。

例えば、身だしなみを可能な限り清潔に整える。時と場所に相応しい服装を選ぶ。堂々とした態度や話し方を身につける。体を鍛えてスマートな体を維持する。このような後天的に変えられるところを変え、「見た目」といった表面的な要素で損しないようにすることが前向きで建設的な態度というものです。

たかが見た目のことで理不尽な損をできる限りしない、という気持ちで改善できるところから改善することに力を入れましょう。

あなたの本来の素晴らしい内面や能力が、たかが見た目ひとつで軽んじられるのは本当に馬鹿げています。

だからこそ、まずは変えられることを変える
そして、変えられないことは心穏やかに受け入れる。

ストア哲学を通して考えた結論は以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?