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回想のホームステイ(森絵都著・カラフル)

こんにちは、またはこんばんは。
まるへーです。

今回も読書感想文、もとい読書推薦?をしていきたいと思います。

今回選んだ本は森絵都さんの“カラフル”という著書です。

自民党総裁選も終わって、忙しない日常になりましたが、また手に取っていただけるように紹介していこうと思います。

あらすじ

とある死後の魂が抽選に当たり、再挑戦と称して、再び下界に降りるチャンスを得ます。

この魂はそれを拒否するのですが、この話を持ち出した天使は「我々のボスの言いつけは絶対だ」というので泣く泣く挑戦することになります。

天使達の間ではホームステイとも言われるそうです。

ステイ先の選択権は魂には無く、前世でのあやまち如何で環境も変わる。

ある程度は天使がガイドとして先導してくれる。(彼の気分次第)

ステイが進むにつれ前世の記憶を思い出せるらしく、無事過去のあやまちを反省できたら。輪廻のサイクルに戻る事ができる。(本来ならあやまちのせいで消滅するはずだった。)

そんなわけで、「小林真」という自殺で丁度魂が抜けた少年に乗り移り、彼の前世追憶と小林真の人間性の考察を兼ねたホームステイが始まる。

しかし、この小林真を取り巻く人間たちはどうも訳ありが多く…。

文章と設定

情報量と文章量のバランスがとても良く映画やドラマを見るような感覚で読み進めることができます。登場人物もそれなりにいますが、主人公が見知らぬステイ先に行くという設定上自然な流れで紹介してくれます。上手いですね。

天使、魂の乗り移りと随分と非現実的なものが要素として詰まっています。しかし、それらを除けば主人公が降り立つ世界は我々が住む地とほとんど変わりません。ですから、複雑な世界観などを咀嚼する必要はありません。

このような全体のバランスの良さが読みやすさにつながっていると思います。何より現実と非現実の調和が素晴らしいです。

終わりに

文字だけで物語や事象を想像することは難しく、疲れることです。だからこそ書き手は読み手がなるべく疲れないような優しい作品も世に提供してくれます。一日のおける箸休めのような作品です。その一例が今日の紹介の一冊だったと思います。

前回から大きく日が空きましたが、やめることだけは絶対しないと誓って、また軽く目を通していただけると願って、今回はこんな感じで。

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