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嫌いから自己分析をする

就職活動が一段落し、「なぜその選択をしたのか」という質問が多くなった。一番かっこいい回答は「〇〇をしたいからです」とはっきり言えることだと思う。今は言えるようになったけど、初めから断言できるほど強い人ではない。むしろ、嫌いな理由を知って自分に気づいたタイプだから。

1年間でやりたいことは見つからない

就職活動を終えた感想。去年の夏、やりたい仕事や業界が見つからず、ひたすらインターンシップに参加した。

きっと自分に合った仕事が見つかる
やりがいのある仕事に出会える

就職活動用ノートに書いたある日のメモ

このような希望的観測を抱いて、無我夢中でインターンシップに参加した。塾の夏期講座並みに、平日はインターンシップで予定を詰めた。

9月末に近づくにつれて、焦る気持ちばかりが生まれてくる。

いつか出会える、きっといつか。

ずっと呪文を唱え続けた。

10月、結局何もやりたいことが見つからず絶望した。

川下り型と山登り型

「山登り型」ではなりたい自分に向かって一歩ずつ歩を進めていく。一方で「川下り型」は急流や滝など目の前の状況をうまく乗りこなしながら、いつかは大海に出るというキャリアを指します。

日経新聞「加藤史子さん 目標は川下りしながら見つければいい」

キャリアの話でよく言われる対比の比喩。「私のミッション、ビジョンはこれです」にあたる人が「山登り型」だと考えている。起業家のサクセスストーリーに象徴されるキラキラした世界がここにある。

そして、山登り型の人を見て思うことは、「人生を変える出会いや変化を目の当たりにした人である」ということである。ドラスティックな出来事が彼らを変えている。

例えば、東日本大震災をきっかけに立ち上がったNPO元代表の言葉がある。

仙台の家族には、夜になって無事が確認できたものの、札幌にいる僕には何もできません。一晩中テレビの前から離れられず、2日後、新千歳空港から福島空港に飛行機が飛ぶという情報を得て、仙台に向かいました。
(中略)
この経験から震災が自分ごと化し、「家や大切な人を失った沿岸部の人はもっと厳しい状況。見て見ぬふりができない」と思うように。

NPO法人アスヘノキボウ「Vol.1 震災を受けて、復興支援を決意」

通常、就職活動ではこのような出来事はない。企業説明会を受けて、擬似的なワークをやることで人生を賭ける選択肢になりはしない。客観的に見たらわかるけど、一年前の自分には劇薬に近いだろう。

思考を180度変えてみる ー嫌いを見つける

何をしたいが見つからなかったため、逆に何をしたくないのかを考えた。嫌いなものに対する理由を探した。

例えば、体育会系のようなガッツやノリが自分には合わないことを知った。彼らはいつもキラキラした世界の住民であり、根暗内向的な自分にとってはまぶしかったからかもしれない(いわゆる、陰キャなのです)。

しかし、意外にも嫌いを見つけると自分が見えてきたのだ。ガッツやノリが嫌いならば、落ち着いた雰囲気の場所に行けば良いという考えに変わった。また、根暗内向的な性格があると言葉にすることができた。

何をしたいかわからず苦しんでいた時と比べると、自分という輪郭がはっきりした瞬間だった。

感情にラベリングをする

これはマインドフルネスに近い感覚だと最近気づいた。

マインドフルネスとは、

心ここにあらずの状態から抜けだし、心を"今"に向けた状態を「マインドフルネス」といいます

NHK 「マインドフルネス」とは?めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方

そして、その状態をつくり出す手段として「めい想」がある。簡単に言えば、現在に集中できている状態を指す。

NHKによると、呼吸に注目する「呼吸のめい想」と周りの音に気を配る「音に耳を澄ますめい想」があるとされている。「嫌いを見つける」と似た感覚は前者である。

呼吸をしていくなかで、雑念が生まれるときがある。追われているタスクや最近あった失敗などたくさん生まれる。その1つひとつを「雑念」だと捉えて、自分を認めてあげる。不思議なことにそれが、ありのままの自分を肯定することにつながる。

雑念というラベリングをすることで、自分を認めることになる。同様に、嫌いな理由を見つけることで、自分への理解が深まる。

好きも嫌いも人間として正常な反応

好きを探求する方法もあるけど、嫌いを探求する方法もある。そして、嫌いがわかると、自分を活かす道が見えてくる。

ぜひ、悩んでいる方にはおすすめしたい考え方です。

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