軽さは正義だと思った
ボクがメインカメラで使っていたSONY α7Sⅲを先日手放した。
ソニーのフルサイズミラーレスで普通の人にとって手が届くカメラのうち最高峰に位置すると思うα7sⅲ。画素数は1200万画素だけど高感度に強くて手ブレも効く、動画も強い。全く弱点がないカメラ。
それをボクは手放した。
重くて強いカメラが最強だと勘違いしてたボク
以前のボクはスペックシートに現れる数値を追い求めてた。必然的に最新型カメラを求めることになるし、様々な機能を詰め込んだ最新カメラは少しずつ重く厚くなっていった。
その事実にボクは気づいていながら目を瞑っていた。それは仕方ないことなんだと自分に言い聞かせながら…
今持ってるカメラたち
今ボクの手元にあるメインのカメラは
・FUJIFILM X100V
・SONY α7S
の2台。どちらも軽くてコンパクトなカメラ。
フィルムカメラも持ってるけど、基本的にはどれもコンパクトで軽いものを選ぶようにしてる。
重いカメラをこれまで使ってきて写りには満足していたしスペックシートの上に並ぶ仰々しい数値にうっとりしてた。4200万画素なんだぜ!とか、4K60pが撮れるんだぜ!とか。でもそれってどこかスネ夫的なところがあってジャイアンの暴力の裏側に隠れてのび太をいじめるような後ろめたさがあったのも事実。(そんなカメラの選び方が悪いって言ってるんじゃなくてあくまで自分の解釈、自分の場合、ってことで考えて欲しい)
小さくて古いカメラを使ってもうまく撮ってる人を見かけるとうっとりするし、いつかは自分もそうありたいなと漠然と思ってた毎日。そんなときボクに引っ越しの話が出る。そう田舎から名古屋市内の真ん中に住むことが決定したんだ。
「軽い」という性能
これまで車移動が多かったけど名古屋市内の真ん中に住むようになっていきなり徒歩移動しか無くなった。これまで重いカメラを何台も持って移動していたボクはリュックに入るカメラを厳選しなくちゃいけなくなった。
重いカメラを抱えていると撮りにいきたいと思っていたスポットまで歩いていくことすら躊躇ってしまうし、なんなら家の近くですませてしまおうって気持ちが強くなって、近所の大須観音をぶらぶらすることが多くなってしまった。
でもその時手元にあったX100Vを持って出かけると心も身体も軽くなっていることを実感したし、どこまででも歩いていけるような気がした。
そしてその時ボクは気づいたんだ。
「軽さ」という性能があることを!
棍棒と日本刀
ボクは今でもこの表現が大好きだし言い得て妙だと思ってる。
この言葉が出てきたのはちょうどα7RⅢを使っていたボクがα7Sを購入した時のこの記事。
重さや破壊力でその実力を証明する棍棒ではなくて、切れ味やそのスピードを産むための軽さで勝負する日本刀の素晴らしさに気づいた感覚。
思えばボクの軽量・コンパクトを求める嗜好はこの辺りから始まっていたのかもしれない。このあとFUJIFILMのX100Vもゲットしてさらに深まっていった感じ。
軽さを無視できない
カメラを長くやっている人は、エントリー機やフラッグシップ機ってカテゴライズをしがちで、初心者の人はエントリー機を買うべきで、腕が上がってきたらフラッグシップ機を使えばいいと思っている人が多いと思うし、フラッグシップ機の方が偉いと潜在的に思っている人も多いかもしれない。
でも例えばエントリー機が持つ軽量・コンパクトさはフラッグシップ機には真似できないし、その軽さを手に入れるために落とす機能を厳選しているはずなんだ。(キヤノンのその辺りの考え方には賛同できないけどね)
だからボクはブログ記事を書く時には必ずそのカメラの重さを書くようにしている。みんなが気づいていないけどとても大事な「スペック」だから。
これからもボクの軽いカメラ好きの嗜好は深まっていくと思う。フィルムカメラもニコンを使ってみたかったけど、レンズも含めて軽量・コンパクトなオリンパスのOMシステムを選択したし、さらにその中でも軽量なOM10を選んで購入したくらい。
だから高スペックなカメラを求めている人は、「軽さ」というスペックにも目を向けて選んで欲しいな。そこにはなんとも言えない深い沼が待ってるから。
でも隠れメインカメラとして中判センサーで5000万画素のHasselblad 907X 50Cがあることはヒミツ。