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私を救ってくれた存在

みんなが寝静まっている真夜中に、
どこからともなく音楽が聞こえてきた。

テレビは消してあり聞こえるはずはないのに…


私は恐ろしくなって耳を塞いだ。


ある時は、私の耳元で5~6人の子どもが
騒がしくしている声が聞こえる事もあった。


その時も真夜中だった。


私は自分の頭がおかしくなったと思った。


その事を誰にも言えず相変わらず
眠れない夜が続いて私の発作も頻繁に
起こるようになった。


そして私は、とうとう施設の先生に
近くの内科に連れて行かれた。


内科の先生は、辞書を開きながら
しばらく考え込んだ後
「不安症」という診断をした。


その日、薬を処方され帰宅した。
(どんな薬だったか忘れたけど
先生は安定剤と言っていたと思う)


だけどその後も薬を飲んでも私の発作は
治まらず夜も眠れないままだった。


そんな状態の中、私が泣いていると
気づくといつもそばに居てくれる人の
存在があった。


高校生のさなちゃんの妹の中学生の
真子ちゃんだった。


さなちゃんと真子ちゃん姉妹には
体の同じところに少し大きな傷がある。

お母さんが心中しようとして2人につけた
傷だったと後から聞いた。


泣いている私のそばで真子ちゃんも
一緒に泣いてくれた。

さなちゃんと真子ちゃんのお母さんは
心の病気で病院に入院していて、きっと
私も同じ病気なんじゃないかと話してくれた。


真子ちゃんは私に
「大丈夫だよ」とか「治るよ」とか
そうゆう言葉は一切かけず

ただ一緒に泣いてくれた


真子ちゃんが寄り添ってくれた事で
少しづつ少しづつ凍りついた私の心は
溶かされていった。


そして数ヶ月がしてようやく私は、
薬を飲まなくても夜、眠れるようになった。


不安症や発作の症状も治まった。

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