新しい生活
7年間過ごした場所。
施設を出る日、仲良しだったクラスの友達や
施設の仲間達に見送られ、私はたくさん泣いた。
幼少期の静かで誰とも話せず下を向いて過ごしていた自分はもうどこにもいなくて
いつの間にか、明るくてまわりを笑わせる事が
好きな自分になっていた。
「帰りたくなーい」と泣いたのを今でも覚えている。
帰りの車でもずっと泣いていたけど友達や仲間と
離れても施設を出れる喜びは大きくて
私は自由になれると思っていた。
母と暮らす家まで車で2~3時間。
帰宅前にみんなでレストランで外食をした。
それから新しく母と生活する家に向かった。
着いた先は2階建てのアパートの2LDK
今振り返り…
よくあの狭いアパートで母、おじさん(母の彼氏)
私、弟、妹の5人で暮らしていたと思う。
あの頃は、施設では5人部屋が普通だったので
部屋が狭い事も自分の部屋がないことも別に
気にならなった。
そんな事よりもこれから始まる新しい母との暮らしにワクワクしていた。
きっと弟や妹もそうだったと思う。
お父ちゃんと呼ぶ人ではない母の彼氏の
ことは「藤井さん」と苗字で呼んだ。
何の問題もなく楽しく過ごせると思っていた。
だけど私は後に誰にも何にも言わずに
突然家出をする事になる。
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