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読書記録の話(3)

下書きに眠っていた
読書の秋に読んだ本たちの備忘録。

季節はすっかり冬になり、
今年への焦燥と来年への希望で忙しない日々。
今年もちょっと
最後に最高の思い出をつくりたいよね。


7冊目:Nのために/湊かなえ
2023/09/11 読了

登場人物の誰もが「N」のために事件の真実を隠し、嘘の証言をする。それぞれの思惑がすれ違う。TVドラマを見ていた当時は、ドラマも原作もほとんど理解できていなかったのだなぁと思う。大人になった今なら少しだけ分かる、愛を伝えることの難しさ。究極の愛の形は「罪の共有」であることが物哀しい。


8冊目:僕は君を殺せない/長谷川夕
2023/09/19 読了

問題:だれが「僕」で、だれが「君」でしょう?廃遊園地の噂。猟奇的な殺人ミステリーツアー。途中までは点と点が繋がらず、得体の知れない恐怖に包まれる。首謀者に気付いた後は、「僕」視点と「君」視点で読み返さずにはいられない。そして続きを読みたくて仕方なくなっている。物語の終盤、表紙のシーンが衝撃的且つ美しい。レイちゃんの強かさに胸を打たれた。巻末の短編も気味が悪くて好き。


9冊目:球体の蛇/道尾秀介
2023/09/26 読了

報われない。サヨが火傷を負った火事、サヨの死は一体誰のせいだったのか。相手のためを思って隠した秘密が相手を苦しめ、相手を信じて話した真実によって信用を失う。どろどろとした感情が沸き上がって、消えてくれない。スノードームは汚れなき思い出を閉じ込めているのか、はたまた自分を閉じ込めているのか。外側と内側、自分はどちらから見ているのだろう。


10冊目:百瀬、こっちを向いて。/中田永一
2023/10/10 読了

恋と呼んでいいのか分からない程の淡い気持ち。懐かしい様な、くすぐったい様な、四つの青春の物語。登場人物が皆真っ直ぐで、強かで、青くて素敵だ。


以降2か月程読了できていない。
読書をもっと日常の一部にしていきたい。
表現や感情の豊かな人間を目指して。