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短い小説たち|さとうひび

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小説です。有料やめました。無料枠に全部公開してますので実質無料です。値段がついているのは投げ銭用。もし気に入ったら応援購入よろしくお願いします。すごく励まされます。
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#脈絡のない文

アダムの受胎

夢のなかで私は妊娠していた。 しっかりと膨らむ下腹部には、もそもそと動く小さな何かが、し…

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吉祥寺の姫君

ぼくは今日、吉祥寺の姫君に会いに行く。それはぼくにとっての至福。 「世の中の三分の一は悲…

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サザンビーチ

「サザンビーチは南のビーチ。常夏の白い砂浜と、どこまでも続くエメラルドの海よ。」 幼少の…

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Untitled 9 BaseBalls

Untitled 9 BaseBallsというのは、ぼくが20歳の頃にやっていたバンドだ。大学の講義をサボりな…

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おじさんの顔はグレー

雨のしとしと降る日々だった。その日、私は学校が終わると、お気に入りの赤い傘をさして、帰り…

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ふゆむしなつくさ

仕事が終わり帰ろうとすると、港の端に、冬虫夏草が生えていた。中国からのコンテナ船からこぼ…

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昨日生まれた

昨日私はここに生まれた。昨日、地球の人になった。わからないことばかりだけれど、どうかこれからお願いします。 見上げると白い空、霞のかかった白い空は四角形。飲みこむものはなんだかとっても軽くて、冷たい。ここは随分寒いのね。私を支えているのは真っ白なやわらかい地面、私はどんどん下の方に吸いつけられている。ここはなんだか重いところね。あたりは随分といろいろな音がしている。カチャカチャ、よかったねー、シャー、ぞわぞわ、元気な女のこ、、。どうやら騒がしいところみたい。 少しつかれて

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君をみかけた

夕暮れどきの駅前でギターを持って弾き語りをする君を見た。 人通りもそんなにない駅前で、今…

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比較的シンプルな死の描写

あらゆるものごとは通り過ぎた。 そのあとに残ったものは、枯れた松の木のような心象風景だっ…

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クリエーターがやってきた

クリエーターがやってきた。オラが村に、クリエーターがやってきた。 クリエーターは、木を切…

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食い合わせ

明美?ごめん、こないだ誘ってくれた「スコティッシュホールドと、浅草の焼き鳥を楽しむ夕べ」…

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稲荷願い

同じ空を見上げていると、隣の空も見上げたくなる。そんなものなどもちろんないけど、同じばか…

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