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弁護士

私は弁護士の先生が苦手でした。
(いまは違います)

不動産の仕事をしていた私は、土地の売買契約前に、隣接地の所有者A氏へ境界の確認を依頼しました。

この土地は5年くらい前に国土調査といって、既に役所が境界の確認を済ませているところです。単なる確認、問題はないだろうと思っていましたが、どういうわけか、回答は弁護士から届きました。

その内容は、

A氏は境界に同意しかねるとのこと。これから先は法律事件であり、紛争です。

私は頭が真っ白です。。。何が起きていますか???

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弁護士からの回答中では、A氏は土地の現所有者の親(故人。以後B氏)との間で、境界の合意書を交わしているといいます。弁護士は証拠の写しを添付してきました。

しかし、手書きで作成されたその合意書は、甲も乙も同じ筆跡、しかもB氏の署名至っては字に誤りがあるという大変お粗末なもの。

弁護士はよくこれを送ってこれたな。。。

この点を指摘しても、弁護士はこの合意書はA氏より提供されたもので「問題なし」との弁。

これは厄介なことになりました。

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私は国土調査の手続に間違いが無かったか、行政に確認の依頼をしました。結果、手続きに問題はなしとのことです。

買主に、境界争いのない土地を提供する為には、

①こちらも弁護士雇って反論
②問題部分を切り離し、問題ない部分のみ取引

この2つのいずれかを選択するしかありません。

我々は売主が検討できるよう、それぞれの影響をシミュレートします。
幸い、問題のある部分を切り離しても、面積に大きな影響はありません。
売主は時間と費用の面から、②を選択しました。

買主にもその旨を告知し、さらに承諾を得て、取引は無事に行うことができました。
しかし、私の心はずっとモヤモヤしたままです。

正義とはいったいなんなのだ???

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しかし、時が経過して冷静に当時を考えてみると、

●弁護士はA氏の依頼に最善を尽くしていたのではないか・・・
●埒が明かないと軌道修正した結果、我々も目的が達成できている


あれ? 全部うまくいっている気がする

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今回の弁護士先生はどこまでを見通してこの対応をしたのだろう。

あのツッコミどころ満載の合意書は、話が通じないと我々を絶望させ、我々は方針を変えた。

すべて先生の掌の上だったのでしょうか?

いまとなっては確認しようもありません。

弁護士を敵に回したら恐ろしい、と改めて感じた瞬間でした。
他方、味方にしたらこんな心強い存在もないかもしれませんね。

小心者の私としては、なるべく関わる事が無いように過ごしたいものです。


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