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第45号『悲劇を喜劇として描いた問題作、JOKERの話をしよう』

ジョーカーといえばご存知『バットマン』に登場する宿敵であり、歴代バットマン毎にジョーカー役も入れ替わるので、世代によって思い入れのあるジョーカーが代わりそう。

ちなみに自分はと言うと『ダークナイト』に登場するヒース・レジャー演じるジョーカーが一番しっくりくるかな。吹き替えも藤原啓治さん版も良いけど、大塚芳忠さんが声を当てるテレビ朝日版が最高なんだ。

おっと、そんなマニアックな話題は一旦置いて、今日はそんなヒーローの宿敵にスポットを当てた映画の話をしましょうか。

その前に、映画予告が気になってはいるけれど『バットマン』全部見てないので楽しめないかもしれない。または『バットマン』は知っているけれど、見た事ないので宿敵にスポットを当てた作品なら尚更わからないのでは?と思っている人が入るかもしれないので言っておきます。

『JOKER』は『バットマン』シリーズを知らなくても楽しめるスピンオフ映画だと。とある一人の男が狂気に染まる物語を目にして欲しい。

彼は超能力者でもなければ、超人でもない

どこにでも一人は居そうな心優しき小市民

貧困層から抜け出そうと毎日足掻く社会的弱者

いつかは舞台の主役になりたいと夢を見て、けして主役にはなれないモブの一人

そんな彼が<悪のカリスマ>という狂気に染まるまでを描いた物語。

夢があったから頑張ったけれど、本当になりたい自分にはなれなかった。まぁ、ここまではよくある話といえばよくある話かもしれません。

ただその後の描き方が問題だ。

善意は煙たがられ、本音を言えば反感を買う。困っている人を黙って見過ごす事も出来ず、行動を起こせば嘲り蔑まれ暴力を振るわれる。

我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して、我慢して・・・耐え続けたのに・・・なぜ?

そんな時、目の前にゴトリと鈍い音を立てて拳銃が落ちた。

指先にほんの少し力を込めるだけで目の前の理不尽な暴力を消し去れる。

自分が彼の立場だったら「どうする?」と問われた気がして背筋がゾッとした。

ホアキン・フェニックス演じるジョーカーの嗤(わら)い方も、笑っているようで泣いているようにも見え、背骨やあばらが浮き出るまで減量して役に望んだり、その全てが狂気じみている。

道化師のペルソナを被る事で何処までも陽気に、残酷に、メイクをしてステップを踏む。

不幸の転落人生という悲劇なのに、まるで喜劇だ。

「人々を楽しませなさい」という母の言葉を体現する狂気

そんな『JOKER』誕生の瞬間を劇場で観てみませんか?

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