レコーディングもライブに近い感覚でやれるといい音源になる

ロック系のアーティストが、ライブで演ったことがない曲をレコーディングする場合、ライブでは再現できない歌になってしまうことが稀にあります。
どういうことかというと、レコーディングでは細かいコントロールができるし、何度も歌い直すことができるし、部分的に歌うこともできるので、レコーディングならではの完成形を作ることができるのです。

ところが実際にライブで再現しようとすると、ロングトーンが続かないとか、繰り返し出てくるフレーズの高いところが出ないとか、曲の最後の方で息切れしてエネルギーが落ちてしまうようなことが起こります。
まぁ本来は、ライブで演ってみてからレコーディングするのがいいのかもしれませんが、アーティストとしては、新曲をリリース後に初披露したい気持ちもありますしね。

特に若い頃は、限界スレスレのところで歌うことがカッコイイと思ってることが多いし、それが気持ちいいことでもあるのですが、これから先の長い活動を考えたときに、喉への負担を軽減することは考えた方がいいでしょう。

レコーディングは1曲に集中して録音する作業ですが、将来的にはライブで20曲歌う日もあるだろうし、しかも2日連続でということだって考えられますからね。
それは体力的にも相当コンディションが良くないと、こなすことが難しいのは想像がつきますよね。

アーティストの中には、ライブではレコーディングした音源よりキーを下げて歌う人もいて、もちろんそれはやってはいけないことではないのですが、レコーディングするときにキーの設定は、無理のない範疇で決めたほうがいいのかなと思いますね。

個人的には、レコーディングもライブに近い感覚で、細かいことを気にするより、勢いとか熱量を大事にしたほうがいいと思っています。
リズムやピッチが正確だから、いい歌だということではないですからね。
とかく日本人は細かいことを気にするので、レコーディングは音を記録する作業ではありますが、勢いや熱量も同時に記録していることを忘れないでください。




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