マーケティングの本来の意味

経営学者、社会学者として有名なピーター・ドラッカー氏は、「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」と定義づけていて、ユーザーが買ってくれるように仕向けなくても、自然に買いたくなる状態を作るために、「ニーズに合った商品を、適切なターゲットに向けて発信する」こととしています。
そのために商品を開発するところから、販売施策を練り、プロモーションの効果を検証するまでのプロセス、つまり商品が売れる仕組みをつくることが、マーケティングの本来の目的です。

どころが実際のところどうかというと、イメージ作りやインパクトがあるかどうかなど議論されるのは、ユーザーが買ってくれるように仕向けるための作戦会議になってしまっていて、本末転倒な感じがして嫌だったんです。
会社員だった頃は、広告代理店が作った資料を片手にマーケティングを語る社員が多くて、もうそれが本当に嫌で嫌でしょうがなかった。

まぁそれは音楽ビジネスの現場にいたからというのもあったでしょう。
新人開発の部署にいたので、普段の業務で接するのはオーディションに応募してきたり、ライブハウスなどでスカウトしたアーティスト志望の人たちだったので、そこからリアルな情報が入るのです。

今どんなアーティストの人気が高まっているとか、ジャンル的にも今までと流れが変わってきたとか、日常の会話の中で情報が収集できていたので、現場を知らないのに他人が作った資料に目を通しただけで、マーケットを理解したような発言には耐えられなかったのです。

今年は人々の価値観が大きく変わり、ビジネスも今までどおりにはなりません。販売することは売りつけることではなくて、喜んで手に取ってもらうことなので、いかにいい印象を持ってもらうかとか、欲しくなるようなイメージをつけるとか、表面的なプロモーションは通用しなくなります。
本当にいいと思ってくれた人がリピーターになり、広告など打たなくても口コミで広がっていくような商品を提供しなければ、大量な在庫を抱えることになるのです。

今回はマーケティングについて思うところを書きましたが、その言葉の意味や定義を間違えて理解すると、本質を見失うことになりますから、世間の一般的な常識を疑い、自分の常識を確立していくことですね。
まだまだ変化の時代は続くしこれからが本番なので、いいと思ったことはすぐに行動に移し、そして検証するという繰り返しをしながら、経験値を上げていきましょう。

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