宮川泰さんのインタビューより抜粋


宮川泰さんは僕が個人的に大変尊敬している音楽家の一人で、2006年に亡くなっていますが、日本を代表する作曲家・ 編曲家・ピアニスト・タレントであり、日本のポップスの開拓者の一人で、誰もが知る数多くの優れた作品を残しています。

日本レコード大賞編曲賞・作曲賞など多数受賞し、ザ・ピーナッツの育ての親として知られていますが、代表作には「恋のバカンス」「ウナセラディ東京」「銀色の道」「愛のフィナーレ」「宇宙戦艦ヤマト」などがあります。


ここで着目したい点が二つあって、一つはジャズやクラシックなどの基礎的な知識をしっかり学んだ方なのに、わかりやすくて歌いやすい「恋のバカンス」のような曲を多数残されていること。

それともう一つは作曲家という立場なのに、歌詞をとても重んじられているということ。
下記の太字の部分は、日本テレビ音楽出版株式会社の作家インタビューの中から引用させていただきましたが、作品を創る上でいかに歌詞が大切かということを語られています。


「(今の音楽の中にも)仲々よく出来ている作品もたくさんありますが、往々にして味もそっけもないものも多いですね。たとえば詞の文脈がごたごたしてたり、いかにしたら人の心に残るかも考えていない、作品のモチーフとかも一切ない…そんな作り方には疑問を感じますね。やはりすぐメロディーを口ずさめる要素がなくなってしまったら、つまらないですよ。その為には、まず詞があって、その詞のイメージをいかにふくらませて、聴く人にはっきり分かってもらう為に、音楽はどう助けられるかという事が、一番肝心ですね。」

「歌詞がある曲なら、まずその歌詞を大事にして欲しい。その言葉を、もっときれいに、皆が感じてくれる様なメロディーを作らなければならない。たとえば『上を向いて歩こう』は、老いも若きも唄った。そういう皆が唄える曲を、自ら作りたくなる様になって欲しい。」


長く愛される作品を創るには、歌詞を大事に扱い、その歌詞を生かすために音楽でどう助けるかという発想には驚きますね。
作詞家の先生のインタビューではないですからね。
一番のポイントは、「メロディーを口ずさめる要素がなくなってしまったら、つまらない」というところですかね。

ちなみに「上を向いて歩こう」は中村八大さんが作曲、永六輔さんが作詞、そして僕の大先輩である坂本九さんが歌って世界的に大ヒットした曲です。
この曲も何十年も歌い継がれている名曲中の名曲ですね。

やはり究極は、売れるための音楽を創るのではなくて、いつまでも心に残る音楽を創ることです。
つまり素晴らしい作品を創ることが目的で、結果的にそれが評価されて多くの人に愛され歌い継がれていくということでしょう。

歌詞を大事にし、誰もが口ずさめる曲を残すことを念頭においていれば、どんな作品にすればいいのかイメージしやすいと思います。
30年後、50年後に自分が残した作品が歌い継がれていくことを考えるとワクワクしませんか?
そういう使命感で作品を残していければいいですね。


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