コード進行を知ることで音楽を紐解く


コード進行のパターンにもその時代の流れがあって、昔はあまりテンションコードや分数コードは使いませんでした。
古い歌謡曲やフォークは特にその傾向にあって、ニューミュージックと言われるポップスが台頭し始めた頃に、メジャーセブンスとかディミニッシュなど頻繁に登場するようになりました。
そして現代では分数コードやハーフディミニッシュなど、多種多様なコード展開となっています。

曲のコピーをすることがとても勉強になることは何度も書いてきましたが、それは何よりも数多くのコード進行を知ることができるからです。
曲を作るためには、コード進行のパターンをたくさん知っていることが本当に役立ちますから。
逆に限られたパターンの中で作っていると、似たような曲ばかりになってしまい自分も飽きますが、聴く側にとっても刺激が無くなります。

テンションコードの使い方にはルールはありませんが、個人的な見解としては、日本人の耳に違和感なく聴けるのは9th(ナインス)までかなと思っています。
本来の7(セブンス)を含む9もそうですが、add9(アドナインス)、maj9(メジャーナインス)m9(マイナーナインス)など、9までがポップスの領域だと思っています。
それ以上の11thや13thはJAZZなどには必要ですが、ポップス人間には濁った音、もしくはぼやけた音に聴こえてしまうのです。
まぁオシャレといえばそうかもですが。

あとはどんな組み合わせにするか、どんな流れに持っていくかというのはセンスが必要ですが、そのためにはコード進行のパターンを数多く知り、引き出しの数を増やしておくことが大事です。


ちなみに私は音楽に関して学校で学んだこともないし、理論を勉強したこともありません。
独学でやってきましたが、レコーディングなどでミュージシャン、アレンジャーとやりとりするのにも不自由な思いをしたことはありません。
メロ譜やコード譜を書けないアーティストに曲を提供してもらった時に、デモテープからメロディーを起こして、コードも指定して譜面を書き、アレンジャーに渡すということもしていました。
メロディーは聴けばわかるので譜面に起こせばいいだけのことですが、コード進行はちょっとしたことでも印象が変わるので、指定させてもらったほうがいい場合もあるのです。

だからオリジナル曲を聴かせてもらえばコードの勉強をしてきた人かどうかはすぐに判断できます。
過去にメジャーからでて売れた人の中にも、コード進行のことをよくわかってない人もいますが、やはり音楽で長く食べていきたいならある程度のことは勉強しておく必要はあるでしょう。

ちょっと楽器を弾ける、好きなアーティストに影響を受けて曲を書き始める、ライブで歌ってみるというところまでは割とトントンと話が進んでいくと思いますが、そこからさらに掘り下げていくには楽器も練習し、数多くのアーティストの曲を聴き、コード進行のパターンを知るという時間が必要です。

この掘り下げるということができていないアーティストがとても多いので、あえて今日はこの記事を書きましたが、過去に書いた「音楽をさらに掘り下げて聴く方法」という記事がありますので、参考にしてもらえたらと思います。


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