自分流で自分にしかできないやり方で突破口を見つける

音楽業界はCDが売れなくなったことで一変し、今までのビジネスの考え方ややり方が全く通用しなくなりました。
主力商品が CDだったために、崩壊してしまったと言わざるをえない状況になったのですが、現在はまさに戦後の焼け野原状態なわけで、これから新しい家やビルを建てていけばいいのであって、お先真っ暗ということではなく、むしろパイオニア精神がある人にとってはとてもワクワクするタイミングであると言えますね。
だって音楽自体は無くなることはないし、表現する人と求める人がいる限りはなんらかの形でビジネスとして成立するわけですから。

ここ最近のニュースを見ていると、誰もが知る大手の企業でもリストラの話が絶えないし、デパートや書店や楽器店などの閉店も加速しているので、これから焼け野原になる業種も多い中で、音楽業界は他業種より崩壊するタイミングが早かったので、ある意味ラッキーだったのではと思っています。

というか、音楽業界という概念すらなくなってしまうかもと予感しているのですが、矢沢永吉さんのように、アーティスト自身がインディーズでレコード会社を運営し、マネジメントも全て行い、さらにプロモーションもネット中心になっていったら、それは完全に個々のアーティスト単位での経営になるわけで、「業界」というものは存在しなくなるかもしれません。

僕がメジャーのレコード会社を辞めてインディーズのレコード会社の運営をしていた1995年頃、業界紙に取り上げられたこともあって、いろんな人が話を聞きたいと会いに来てくれました。
インディーズで活動するアーティストが増えていた時期でもあったので、現状を教えて欲しいというのがほとんどでしたが、何もお伝えすることはないというのが本音でした。

みなさん口を揃えて「今インディーズが盛り上がっているのですが、どんな状況なんですか?」と聞いてくるのですが、そもそもインディーズというのはそれぞれが独立したレーベルであり、協会や組合みたいなものがあるわけではなく、横のつながりもないんですよ。
だから他のレーベルが何を考えどんなやり方をやっているのか知らないし、もっと言うとどんなレーベルがあるのかさえ知らない。
全くの素人でも「今日からレコード会社始めます」と宣言すれば、インディーズとしてスタートできる世界ですからね。

そんなわけで、インディーズであってもレコード会社という発想は必要なくなるのかもしれないし、各アーティストごとに配信し活動していくというイメージでしょうか。
そうなってくると、アーティストごとに考え方ややり方が大きく変わってくるでしょうし、その中でも頭角を現してくる人たちは必ずいるはずです。
そしてそれはあなたである可能性が非常に高いです。
だってこの記事を読んでいるということはそういうことなんですよ。
興味なかったらこのページは開きませんって。

あれこれ試しながら音楽活動をしている中で、疲弊しているアーティストも多いですが、今一度立ち止まり、自分のやり方について再考してもいいのかもしれません。
もしかしたら何かパターンにハマっているかもしれないし、旧来のやり方に固執しているのかもしれません。
旧来というのは、CDを売ることを中心に物事を組み立てるやり方です。

今までのように音楽だけを切り取って認知してもらうのはなかなか難しいです。
あなたの人間性や生きることに対する姿勢や哲学などなど、キャラクターが見えてきて、あなた自身が支持されることで表現している音楽も聴いてもらえるし、好きになってもらえるということ。
音楽を売るのではなく、あなた自身を売るというか前面に打ち出す。
そのためにネットを有効に使うんです。

もうすでにツイッターやフェイスブック、ブログ、ユーチューブなど、様々な形で自分を表現していると思いますが、さっきも言ったようにパターンにハマったり、他の人と同じようなやり方では差別化が難しいんです。
自分自身の特徴や個性はなんなのかをよく知り、そこをアピールする。
特にこれからは動画の時代です。
音楽やっていると、動画としてアップするのはライブ映像やMVという発想になりがちですが、それ以外にもやれることはたくさんあります。

焼け野原に建てるのは、とりあえずの掘建小屋からでいいんです。
最初は雨風をしのげればいいのですが、そこから快適な生活空間をどうやって作っていくのかは、あなたが考えることです。
少しずつ手を加えていけば、やがて立派な家になりますから、うまくいかなくても諦めずに自分流でやってみてください。

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