芸能界や音楽業界も変わる


先日はこれからの会社組織について書きましたが、それは音楽の世界でも同じで、組織としては変わらざるを得ないでしょう。
但しそれは今の音楽業界がどうのというより、これから本気で音楽で活動していこうとしている人たちの精神的な変化によるものが大きいでしょう。

今までのタレントや音楽アーティストのマネジメントは、事務所に所属して方針に従うというのが主流で、海外のようにマネージャーを雇うというような発想ではなく、所属させてもらうという関係がほとんどでした。
事務所がイメージを決めてビジュアルやキャラを作ったり、今までやってきた音楽とは違う方向性でやることになったりというのはよくあることでした。
それがプロデュースと思われていたフシもありますが、本人がやりたくないものを売れればいいからという理由でやるのは、根本的に何かが違うとずっと思ってきました。

会社組織の存続が優先されて、タレントやアーティストが売れるために方向を決められるというのはもう古いやり方です。
その本人がどうなりたいかということが前提で、もちろんそのための才能を持ち合わせていなければならないし、さらに本人が努力を重ねていかなければならないのですが、本人の意思とは関係ない方向へ向かっていくというのはいろんなところに歪みが生じます。
ストレスを抱えて精神的にバランスを崩す人も多かったですね。

昔はレコーディングにかかる費用や、コンサートの制作費などアーティストに知らされることはありませんでした。
「君たちは音楽を作ることと表現することに集中すればいい」ということだったのですが、恵まれているようですがその環境に慣れてしまうと、契約が終了した時に一人では何もできな何もわからないということになります。
そういう人を数多く見てきました。

これからは自らがプロデューサーであるということが重要で、言われたことをやればいいというのはダメなんです。
セルフプロデュースという言葉も定着しましたが、周りの人がお膳立てして成立する時代はとっくに終わったのです。
音楽を作ることからお金の流れまでを自分たちで管理するんです。
誰かやってくれる人はいないかな〜ではなくてね。
事務所やマネージャーに依存するという姿勢では、生き残っていけないということです。

個人事務所以外の事務所もレコード会社もサラリーマン社会です。
ピラミッド型の組織なんです。
昔は機能していましたが、もう時代に合わなくなりました。
リストラされても再就職は難しいのはどの業界も同じです。
誰々を売ったとかプロデュースをしていたと言っても、会社を辞めたらなんもできないという人も以外と多いんです。
音楽業界という出来上がったシステムの中で仕事をしてきたから成り立ってきたわけで、曲を作るとか楽器を演奏するとか、音楽ソフトを使って音源を作るとか、自らがそういう作業をすることはありませんでしたからね。
業界難民が増えてしまったのもそういった事情があるからです。

ですから今までのやり方や常識、今までのシステムの中で音楽活動をしていくことは辛いだけで実りはありません。
自立してやっていく方法を確立するしかありません。
今年は老舗の事務所でも破産するところがでてきていますが、これからはもっと増えるでしょう。
大きい組織ほどこういった時代の急激な変化に対応できませんから、影響を受けないようにするためになるべく早くに自分たちのやり方を見つけて確立していくことです。


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