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彫刻家と巡る、NY美術館

勝手に人類を下記3つに分けてみた。
①美術館の作品で語れる人。
②美術館には行くが、なんとなく、観て回っている人。
③美術館に行かない人。行く人に「美術館に何しに行くの?」と問う人。

私は②である。人気のある展示があると「今度草間彌生の展示会あるらしいよ〜いこ〜」などとなって、いつも、自分の部屋に飾りたい作品はどれかな〜、と観て回っている。でも芸術家の名前はピカソとかミケランジェロくらいしか知らなくて、「下記の作品を作った人を答えなさい」という問題があったら正解できる気がしない。それどころか、ピカソとミケランジェロがどこでいつ生まれたか知らない。

そんな私が、ニューヨークに初上陸した。
ニューヨークには富山出身の彫刻家、吉野美奈子さんがいらっしゃって、図々しくもスタジオに泊まらせていただけることになった。
これは、美奈子さんに美術館を案内していただくしかない。美奈子さんの解説付き、贅沢すぎるぞ。

1つの作品を1分かけて観ると13年かかると言われるMet(メット)こと「メトロポリタン美術館」、そして現代アートを中心としたMoma(モマ)こと「ニューヨーク近代美術館」。
美奈子さんは「観るべき作品」の前でじっくり時間をかけて説明してくださる。でも「〇〇知ってる?」っていう問いかけの98%くらい知らない。今まで美術館で何を観てきたんだろう。

Momaのリニューアルは谷口吉生という日本人が設計したって知っていましたか?私は知りませんでした。(Ginza Sixの設計もしている)
絵画の変化は画材の進化によるものだって知っていましたか?
私は知りませんでした。(絵具の乾燥が速くなったから外で描けるようになった、とか)
ブロンズ像は、同じものが沢山作れるって知ってましたか?
私は知りませんでした。(MetにもMomaにも同じの見つけた)

美奈子さんに教わったこと
①美術館に飾ってあるもの=素晴らしいもの ではない
今まで美術館で「なんかよくわかんない」「なんでこれが評価されているんだろう・・・」という気持ちになったことが多々あったけれど、それはそれでいいんだ!と肯定された。
②宇宙はスピードを好む(「The Key」の一節。)
ジャクソン・ポロックはaction paintingの第一人者。彼の後にたくさんの芸術家が同じ手法を使ったが、誰も名前を残していない。(ちなみに44歳で若い愛人とその友人を巻き込んで自動車事故を起こして亡くなったらしい。そういう歴史を知るのも楽しむ一つの方法。)
ジョルジュ・ブラックはピカソと同時代にキュービズムを取り入れたが、ピカソとの名声度合いは歴然。ブラックって初めて聞いた。

action paintingというのはこんな感じの絵。

③有名な芸術家は、「うまい絵を描くだけでなく、宣伝上手な人」(あるいはうまく宣伝してくれる人がそばにいる、縁に恵まれた人)
もしかしたらピカソよりもゴッホよりもうまい芸術家はいるかもしれない。でも、描いているだけで観てくれる人・評価してくれる人がいないと誰の目にも触れることはない。

芸術家に美術館を案内してもらえるツアーがあったら、③の人が②に、②の人が①になって、もっともっと美術館を楽しめるようになると思った。

すてっぴぃ@みんながいいというものをとりあえずいいという

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