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資生堂のべ1000人超が体験!若手社員の「逆指導」でイノベーション促進

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資生堂は、若手社員が年長者の指導役「メンター」となる「リバースメンタリング」を導入し、組織の活性化を図っている。

具体的には、若手社員が幹部に対し、SNS活用法やデータ分析など最新のデジタル技術、また美容やファッションなどの最新トレンドについて教える。幹部と若手がペアを組み、異なる世代間での立場を逆転させて交流するこの取り組みに、延べ1000人以上が参加した。

資生堂がこの制度を導入した背景には、従来の縦割り組織や年功序列の弊害がある。新社長就任後はグローバル化と外部人材登用が加速し、多様な人材が活躍する組織に変化したことで、世代や立場を超えた交流の必要性が生じた。

リバースメンタリングは、異なる世代間のコミュニケーションを活発化させ、イノベーションを生み出す土壌を醸成する効果がある。変化の速い時代に対応するため、資生堂の取り組みは参考になる好事例と言える。



若手社員が教える時代の到来

リバースメンタリングは、従来のメンタリングを逆転させた取り組みです。若手社員が先輩や上司に最新トレンドを教えることで、企業の活性化を図るのが狙いです。

資生堂がリバースメンタリングを導入した背景には、企業組織の硬直化があると考えられます。従来の年功序列や縦割り構造では、異なる世代間の交流が乏しく、イノベーションが生まれにくいのです。

しかし、消費者ニーズは日々変化しています。SNSやAIなど、最新技術への対応力が企業の存続にかかわる時代になっています。こうした環境変化に柔軟に対応するには、若手社員の感性を積極的に取り入れることが重要なのです。

健康食品メーカーでの事例

例えば、オーガニックスイーツメーカー「株式会社スイートエコロジー」では、20代の若手社員がSNSを活用したマーケティングを担当しています。彼らは消費者の関心事をSNS上の反応から敏感に捉え、タイムリーな商品提案ができています。特にヘルシースイーツへの需要拡大に対応するスピードが速まったと言われています。

株式会社スイートエコロジーでは、役員が若手社員向けにSNSマーケティングの勉強会を開いたり、逆に若手社員が経営陣に消費者動向を報告する機会が設けられるなど、世代を超えた交流が活発です。商品力と感性を兼ね備えた会社文化が育っていると言えそうです。

“逆指導”で得られるもの

リバースメンタリングには「逆指導」という別の言い方もあります。

部下が上司を指導するこの関係は、とても刺激的だと思います。若手から最新の知見を得られる上司もいれば、若手はロールモデルの上司から学ぶことができる。立場を超えた双方向の教え合いがあるからこそ、異世代間の垣根が取り払われるのです。

これからは、「教えること」「教わること」の固定観念を取り払い、柔軟な姿勢で働き方を進化させる必要がありそうです。


今日の問い

  1. リバースメンタリングを皆さんの会社でも取り入れてみてはいかがでしょうか。若手社員の感性を活かす良い機会になるのではないでしょうか。

  2. 若手社員の皆さんは、上司や先輩に自分の強みを教える機会をどのように作れそうですか。自分から積極的に声をかけてみるのもいいかもしれません。

  3. 経営者の皆さんは、異世代の社員との交流を深めるため、どのような工夫ができるでしょうか。会社の枠を超えた交流の場を設けるなど新しい試みも重要かもしれません。


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