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国際送金手数料の約10%をデジタル通貨でゼロに!メガバンクの野望

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約

三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループは、企業間決済に使うデジタル通貨で連携することを発表した。2024年に三菱UFJ信託銀行が共通インフラを使って発行するデジタル通貨の枠組みに、みずほ銀行が参加し、実用化を目指す。 デジタル通貨は瞬時に決済が完了し、コストがほぼゼロになるため、複雑で高コストな貿易決済などを効率化できる。

三菱UFJ信託は10月にデジタル通貨や証券発行のインフラを担う新会社「プログマ」を設立。みずほ銀行はこのプログマが立ち上げる金融機関横断のデジタル通貨発行枠組みに加わり、導入可能な分野を探る。

発行を検討しているのは、発行額と同じ円資産を裏付けに発行するステーブルコイン。ブロックチェーン上でデータ送信が可能で、受け渡しと同時に決済が完了する利点がある。

ステーブルコインは貿易決済などのコスト削減に活用できる。現在の国際送金は時間がかかり手数料も高いが、ステーブルコインなら手数料ゼロで瞬時に送金できる。銀行は送金手数料の代わりに裏付け資産の運用益を得る。

海外ではすでにJPモルガンが法人向け決済コインを、シンガポールのDBS銀行が中国デジタル通貨を活用している。日本でもデジタル通貨の実用化が始まろうとしている。



メガバンクのデジタル通貨連携が加速

メガバンク各行がデジタル通貨の発行に乗り出した。三菱UFJとみずほの提携発表はその大きな一歩と言える。三井住友の動向が注目される。

デジタル通貨への動きを加速させている背景には、企業間決済の効率化への期待がある。特に貿易取引における決済は手間とコストがかかるため、改善のニーズは高い。ステーブルコインを使えば瞬時に低コストで決済できるようになるメリットは計り知れない。

僕は、携帯電話のパケット通信料が定額制になった時の利用者数の急増を思い出した。決済インフラのコストがゼロになれば、利用が一気に拡大するのは間違いないだろう。多くのプレイヤー参入も予想され、フィンテック各社の参画が楽しみだ。

セキュリティへの不安

一方で気になるのが、みずほのセキュリティ体制だ。過去の大規模システム障害でセキュリティへの印象が悪く、この提携でもリスクになりかねない。足を引っ張る存在になってほしくない。

しかし過去にとらわれる必要はない。むしろセキュリティを徹底的に刷新するチャンスと捉え、デジタル通貨分野で高い信頼を築いてほしい。三菱UFJとの提携を活かし、サービスを確実に完成させてほしいと思う。

経済効果の予想

コスト削減の経済効果については、予測が難しい部分も多い。しかし決済手数料と送金時間がゼロになれば、メリットは計り知れないはずだ。

例えば、現在の国際送金は2営業日以上かかり、手数料は10%にも及ぶ。このコストを全て削減できれば、貿易取引の効率化で生み出される付加価値はかなり大きなものになるのではないだろうか。

多額の資金が動く決済分野の変革は、経済全体にも波及効果をもたらす可能性がある。デジタル通貨の将来が楽しみだ。


今日の問い

  1. 貴社の業務において、国際取引の決済はどの程度のコストと時間を要していますか?デジタル通貨による低コスト・高速決済は、業務効率化にどのように貢献できると思いますか?

  2. デジタル通貨の決済インフラが実用化されれば、貴社のビジネスはどのように変化する可能性があるでしょうか?新たなビジネスチャンスが生まれるとしたら、それは何でしょうか?

  3. デジタル通貨は送金手数料の削減だけでなく、即時性も実現します。これにより、資金の運用効率はどの程度向上できると予想していますか?資金繰りの改善につなげることはできるでしょうか?

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