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ゲームディレクター – 仕事内容、未経験からの転職、必要スキルについて解説

ディレクターはプロジェクト内の実作業の総指揮を執ります。各パートの進捗を把握し、クオリティをチェックし、問題点があれば対処に動きます。各パートが十分な品質を達成しつつ、設定された期限内に作業を完了することを目標とします。

▼ゲームディレクターの仕事内容

ただし、大規模プロジェクトになると全てを自分でこなすことができなくなるため、パートリーダーを設定して、ある程度のマネージメント業務に任せていくことになります。優秀なパートリーダーを育てていくことも、ディレクターの責務の一つです。なお、この業務のみを独立させた、プロジェクトマネージャー(プロダクトマネージャー)という枠割を置いているプロジェクトもあります。

ゲームディレクターの仕事は多岐にわたりますので、ここからもう少しだけ深堀してみましょう。

・まずはゲームの設計から

プロジェクトの立ち上げにあたり、最初にやるべきことは作ろうとしているゲームの面白さを明確にすることです。プランナーと協力して、ゲームのコアとなる特徴を固めていきます。

プランナーが個別の要素における面白さを考えることに注力するのに対して、ディレクターはより上の方から俯瞰して、ゲーム全体としての面白さの確立を目指します。

・開発計画を考える

開発計画を作っていくうえで最初に行うことは、企画書から作業を分解していくことです。分解は機能単位になるように行われ、それぞれ作業工数が見積もられていきます。

プログラマーやグラフィックデザイナーなどの業務は、それぞれの職種のリーダーを中心に見積もりを行います、

ただ、誰が丹津するかも同時に検討しなければいけないのですが、担当者のスキルによっては必要な期間が変わってくるため、見積もりは簡単ではありません。

プロジェクト中に合流するメンバーや、採用されるメンバーも多いため、この時点では標準的なスキルのメンバーが参加することを想定して見積もりを行います。

不確定要素が多いながらも、この作業の制度が低いとプロジェクトの最後まで悪い影響を及ぼすため、経験豊富なメンバーが作業を担当することが多いです。

作業工数を見積もると社内人件費もある程度計算できるため、外部協力会社への発注費用やサーバー費用などのコストも含めてコストを見積もっていきます。また、リリースまでの開発費に加えて、リリース後の追加開発費や運営費なども見積もる必要があります。

・プロデューサーとの調整も必要

開発期間と開発費を取りまとめた後は、プロデューサーと、その妥当性について確認を行います。プロデューサーはビジネス視点でプロジェクトを判断するため、見込める利益と開発費とを天秤にかけ、開発費の圧縮を依頼してくる場合があります。

同様に、ゲームをリリースする時期についても、その企画内容で競争力を失わないよう、なるべく早い時期に完成させることを求めてくることもあります。

お互いの視点が異なるため、議論を行っても平行線をたどる場合がありますが、プロジェクトを前進させるためには歩み寄る姿勢も求められます。

この際に、ディレクターは実現すべきものの優先順位をつけ、やむをえない場合は使用をカットするという判断も必要になります。

ただ、ゲームのコア部分まで削ってしまっては、商品価値そのものが下がってしまうため、譲れない部分についてはしっかりと説明した上で、プロデューサーの理解を得られるように努力することが大切です。

・人員計画

開発計画が固まった後は、人員計画の検討を開始します。この時点では、将来的にメンバーが加入することを前提に開発計画を立てているため、より具体的に、どういったスキルの人材が、いつ必要なのかをまとめてきます。

社内人員の場合は、具体名を挙げていけば良いのですが、採用の場合は、募集要項レベルまで要件を明確化させていきます。

この人員計画を基に、プロデューサーが他チームや経営陣と均衡を行ったり、人事部門が採用活動を行ったりします。

・作業依頼と成果確認

計画が固まり、実際にプロジェクトが動き出した後は、ディレクターは作業依頼と成果確認の作業が中心になります。プランナーがプログラマーやグラフィックデザイナーに行うのと同様、ディレクターは各パートに対して指示を出します。

ただ、ディレクターと現場の作業担当者との間に、プランナーやパートリーダーが入るため、ディレクターの意思が届きにくくなる場合があります。なるべく作業の無駄を発生させないよう、明確な指示を出す必要があります。

また、どれだけ良い指示を行ったとしても誤解が発生する場面はあるため、しっかりとした成果確認を行い、意図と違う実装になっている場合は素早くフィードバックを行うようにすることが大切です。

・経営陣と関わることも

プロジェクトの立ち上げやマイルストーンごとに、経営陣に対してプレゼンテーションを行ったり、承認を得たりする必要があります。

通常、プロデューサーと一緒にプレゼンテーションを行いますが、プロデューサーは主にビジネス視点から報告を行い、ディレクターはゲームそのものや、開発進捗についての報告を行います。

こういった場で経営陣の理解が深まると、人材の社内移動や開発資金の面などでサポートが得られやすくなるため、とても大切機会です。

会社によっては、週次や月次で経営陣に開発進捗の報告をする場合があります。こういった報告会は、まるで試験のように、なんとかやり過ごすことを考えがちです。

ただ、実際には問題点を相談する場でもあるため、困ったことがあれば、包み隠さず相談することが大切です。お互いに本音のコミュニケーションができれば経営陣との信頼関係も構築できるため、嫌がらず、むしろ前向きに考えることが大切です。

▼ゲームディレクターの年収

ゲームディレクターの正確な年収は2010年に一般財団法人デジタルコンテンツ協会がまとめた「デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究委員会報告書(平成21年度版)」の報告によると、「20代300~400万円」「30代400~510万円」ぐらいと言われています。

ただ、8年たった今では少し状況も変わってきていますし、ソシャゲやPCゲームの需要が高まっていることもあり、より高い年収でゲームプロデュサーを募集している転職求人も多いです。

実力によっては20代でも年収1000万円を超えるゲームディレクターもいることを考えると、やはり多くのゲーム業界人が憧れるポジションと言えるでしょう。

▼未経験者からでも転職できる?必要なスキルと学歴について

・未経験からの転職は不可。専門職からのステップアップで目指そう

ディレクターはゲーム開発全体の知識が必要となるため、業界未経験からいきなりディレクターになることはほとんどありません。

企画、プログラム、グラフィックデザインなど、それぞれの専門職とも深いコミュニケーションを取りながら、上手くプロジェクトを進めていけるようになるためには、ある程度長い期間の経験が必要になります。

多くのディレクターは専門職からステップアップしてディレクターになるのですが、その場合は少なくとも一つ自分の得意分野があるため、自分の強みを生かしたプロジェクト運営ができるでしょう。

・学歴を求められることはない

ゲームディレクターが学歴を求められることはありません。実務経験を積み、ディレクターとしての職を任せれると判断されれば誰にだってチャンスがあります。

▼まとめ

開発現場の司令塔であるディレクターは、ゲームのクオリティについて全責任を負うためプレッシャーも大きい仕事ですが、その分やりがいも非常に大きく、ゲーム業界で働く人であれば多くの人が「挑戦してみたい!」と思うようなポジションでもあります。ゲームが完成した暁には、プロジェクトを代表してスポットライトを浴びることもあるでしょう。

これからゲーム業界を目指すのであれば、まずはゲームプログラマーやグラフィックデザイナー、ゲームプランナーなど、その道で経験を積み、そこからゲームディレクターを目指していきましょう。


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