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【子ども】自分の意見を言える子に育てるために①こんなときどうする?

子どもクラスでしっかり話している子が、普段は自分の意見を言うタイプじゃない、と聞いて驚くことがある。「先生が意見を言いやすい雰囲気なんでしょうね」と言われて、へぇ~そうなんだなぁと深く考えずにここまできたけれど、あまり意識せずにやっていたいろいろを、きちんと言葉にしてまとめてみようと思う。


いつも味方でいる

子どもの話してくれたことは、基本的に全て受容することにしている。相づちはもちろん、別の言葉で言い換えて「○○ってこと?」とか、メモを取るとか、身を乗り出すとか、「私はあなたの意見を聞きたいんですアピール」は欠かさない。いや、聞きたい気持ちは本心だし、嘘をつけない(すぐ表情に出てしまう)タイプなので、自然とそういう態度になっているのだ。だから、その辺は苦労していない。先生をしてる人は誰しも子どもに興味があるだろうけど、表情に出さないタイプの人は苦労されているのかな。


本筋からズレた発言があったとき

話し合い中、話の筋からズレた発言があったときは、正直に
「ちょっと置いといて、また後で聞かせてもらおうかな。今は○○の話でお願いします!」
と言っておいて、本当に後で聞く。これは教師になってすぐの頃、ベテランの先生から
「本当に後で聞くようにしないと、嘘つき認定されて後々大変になるよ。気をつけて」
って教えてもらった。しかし、忘れっぽい私はメモすることさえもよく忘れるので、後で聞くのも忘れがち。それで私は、
「さっき、後で聞くってた話なんだけど・・・(何かあったっけ)」
と話題をふるようにしたら、子どもの方から教えてくれるというナイスな方法を身につけた。先生がダメダメでもしっかりした子が助けてくれるのは、高学年担任の特権だ(低学年は、先生は完璧だと思っているので、その思いに沿えるように頑張る)。

あとは、「後でね」と約束したときに「自分から言いに来てね」と付け加えておくことも多い。聞いてほしいと思っている子は話しに来てくれるし、「そんなことより、今は遊びたいから!話すのめんどくさい!」と思っている子は来ない。これも、お互いにストレスがなくて良い手だなと思っている。


どうしても同調できないとき

同調できない意見が出たときは、質問を返すことにしている。例えば、「この席は嫌だ!」と言われたら「この席?一番前が嫌ってこと?」とか。「お父さんは家にいない方がいい」と言われたら、「へえ、お父さんがいるとどんな感じがするの?」とか。

同調してはいけないような内容に「そうだね」って言ってしまって、後で変なトラブルに繋がりそうになったことがあるので、なんでも「いいね!」は禁物だなと思う。


おふざけが過ぎるとき

ふざけた意見が出たときは、「やかまし(い)わ!」とか「関係あらへんがな!」を無機質に言うことが多い。こう見えて私は、お笑い好きだったりするので、ふざけた意見も嫌いじゃない。でも、授業中にお笑いのノリを持ち込まれると困ることが多いので、OKは出せない。そこで、ツッコミつつ注意するという、どちらにも転べる方法を編み出したのだった。

感情を込めて突っ込むと傷つく子がいるので(ふざけた意見を言った本人は平気でも、周りの繊細な子がダメージを負う。関西でもツッコミ文化が全員に受け入れられるわけじゃない)、だんだんと棒読みで言う技を身につけていった。

ときどき子どものツボにはまってしまい、ふざけたことを言い続けてくる場合もあるけど、「その話は終わり」って本気のトーンで言ったら終われるはず。それでも止められないタイプの子だと知らずに地雷を踏んじゃったときは、素直に謝ってから力付くで戻す。「ごめん、先生のせいで話が進んでない。はい!では・・・」って。子どもたちは編集されたYouTubeに慣れているし、急激にトーンが変わっても平気だ。そして、「私にはふざけた言葉は聞こえない」を貫き通す。


言霊が助けてくれる

書きながら、こういう場面(おふざけが過ぎるとき)に遭遇する回数が減ったなぁと思う。たぶん、「終わり」とか「やめて」とか(もちろん、温かい言葉もね!)を、子どもにきちんと伝えられるようになったのだろう。「山」と言ったら、子どもの目の前に山ができるし、「トトロ」と言ったらトトロが現れる。言葉には、そういう力がある。言霊っていったらいいかな。

とは言っても、ダメな日も結構ある。そんな日は美味しいものを食べてさっさと寝る。言霊を届けられないのは、自分の力不足でも子どもに拒否されているのでもない(練習や準備の不足が、多少はあるかもしれないけど)。それよりも、疲れがたまっている証拠。寝る前に「明日もよろしくね」って子どもの笑顔を思い浮かべて、おやすみなさい。


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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。
小学校教員を経て、現在は放課後等デイサービスで障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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