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【コラム】毎年恒例、味噌づくり!②子どもの様子編


味噌づくりは準備さえしておけば、幼児でも挑戦できます。神戸シュタイナーハウスでは、幼児期から中学生の今まで、毎年3月に子どもが味噌を仕込んできました。同じことを継続していると、いろんな変化が見えておもしろいです。みなさんもご家庭やサークルで味噌づくりをしようと思われたら、各年代ごとの様子が参考になるかもしれません。

▼低学年の味噌づくり

保育園~小学校低学年の時の頃は、まだ懇談をするという発想がなく、大人も一緒に味噌を作っていました。子どもを見ていると、大豆を踏んでつぶしていくのがおもしろくて、ほぼ粘土遊び感覚。この頃の味噌は、大豆が粒のままがゴロゴロ残っていて「味噌味の大豆」がいっぱい混ざっていました。親も大豆を煮るのが下手だったし、子どももなめらかな味噌を作ることより大豆を踏む感触が楽しかったようです。でも、自分で作ったから、味噌汁のお椀に残る豆も「おいしい」と喜んで食べていました。

経験値が増えるにつれて、“まるごと大豆”の混入率が下がり、挽き割り納豆サイズ(^^;)の大豆が増えていきました。一度だけ、ひき肉を作る手回しの道具を使った時は、さすがになめらかな仕上がりでした!

多少準備は必要ですが、毎年恒例にしたのには理由があります。毎年同じことをすると成長が見える。年度区切りのリズムになる。必要なものを自分で作る経験。自分の作ったものが一年間家族に食べてもらえる喜びと自信…など。

意外と簡単に出来て失敗も少ないので、ご家庭でも毎年の行事として取り入れてみてはいかがでしょうか。 

▼続けて見える子どもの変化

3年生ごろに一度、大豆を入れたビニールをどの方向でどのくらい踏んだら破れるのか、みたいなことに興味が沸いたようです。全体懇談が終わって様子を見に行くと、予備のビニールが足りなくなってしまうくらいみんなビニールの隅っこを破ってにゅるにゅる大豆が出てしまいました。退室時間が迫る中、掃除が大変でした(苦笑)。

「きき味噌大会」もしてみました。自分の作った味噌を持ち寄って、味比べしてみたのです。驚くほどの違いで、「コレ、どのくらいの比率で作ったんですか?」と情報交換。その年は、持ち寄った食材とお味噌で豚汁を作り、お弁当の時にみんなで輪になっていただきました。

5年生くらいになると、味噌づくりにも慣れてきました。放っておいても子どもだけで味噌が作れる小学生って、なんだかカッコイイな。要領よく作るので懇談の時間が確保できなくなってきました。

その頃は大人も、それぞれが自分のできることを出し合わないと会が成立しない、というより、自分ができることを繰り出せば周りもサポートするし、ちょっと大変だけどどんどん会が楽しくなる、という経験を重ねていました。代表にリーダーシップがない分、みなさんがイキイキ活躍してくださいます。ありがたいことです。

「子どもが早く味噌を作ってしまって時間が余りそうだ」と話していたら、それぞれイースターエッグ作り(写真)やマーブリングなどの別メニューを提案して用意してくださいました。それってすごいことじゃないですか? そうやって、3月は毎年少しずつ、朝から夕方まで一日使ってのお楽しみ企画の日になっていきました。小学校の卒業生がいる時は、えりか先生から言葉の額のプレゼントも!

イースター


▼中学生、自宅でササッと味噌づくり

2020年の春は、コロナの影響で集まっての味噌づくりが出来ませんでした。中学生の子どもは、イベントやお楽しみ企画でもあるけど、そうでなくても家族の食事のために味噌は仕込むものだ、という意識のようです。

「今年はみんなで一緒に作れないなぁ」と話していたら、中学生の子どもが「じゃあ作っとくわ。大豆柔らかめでお願い!」と当然自分の役目であるように引き受けてくれました。そして、材料を一式用意すると、無造作に袋に大豆を入れ、ソファに座って本を読みながら、足だけでビニールの中の大豆を潰していました。「洗濯畳んどくね」くらいの気軽さです。

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あまりの無造作な作り方に驚いて「“大豆に謝れ”的な作り方やね?」と言うと、「大丈夫。後でちゃんと潰すから」と子ども。行儀は悪いけど頼もしい。見ていると、足で踏むのも、ビニールが破れないよう、外から内に向けて力を入れています。

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大体潰したら、ビニールを薄く広げて粒のまま残っている大豆を上から指でプチプチ全部潰します。それが終わると「OK!」と塩切り糀と混ぜて完成させていました。すごい、見るからに滑らかです。なんというか、力の入れどころがわかってます!

来年も、子どもの仕込んだお味噌で作ったお味噌汁が、毎日食卓に上り、家族を喜ばせてくれることでしょう。思春期に突入していく時期、毎日の「おいしいね」が「アナタがいてくれて嬉しいわ」に聞こえたらいいな、と願いつつ。直接言えば、うるさがられる年齢ですから(^^)。

以上、親目線ではこんな感じで味噌づくりを…というより、味噌を作る子どもの変化が見えるのを楽しんできました。そういえば、懇談中のえりか先生の分のお味噌も、子どもたちが毎年みんなで協力して仕込んでいましたよ。

コラム「毎年恒例、味噌づくり③」では、えりか先生にバトンタッチして、先生目線での味噌づくりや何か気づいたことなどを聞いてみましょう。


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