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【大人】自分を育てる⑤先入観から自由になる

大人クラスでは「自分を育てる」をテーマに、自分の思考・感情・意志を育てていく「6つの行」に取り組んでいます。
1回目 思考
2回目 意志
3回目 感情
4回目 世の中を肯定的に見る

今回で5回目。今回のテーマは「先入観にとらわれずに世界に向き合う」です。

「先入観」は経験の蓄積じゃないの???

「先入観にとらわれずに世界に向き合う」というテーマに取り組む時に、ひとつの疑問が浮かびました。それは、「先入観って言うと悪いことみたいだけど、そのモノの見方は、それまでの人生で学習したことから出来ているんじゃないの?」ということです。先入観を捨てることは、それまでの経験が生かされないのと同じ事ではないのか。そんな疑問です。

集まったメンバーも「今までに作ってきた価値観を捨てるって、経験から学んだ事が白紙に戻るってこと? そんなの無理じゃない?」と混乱。「先入観にとらわれずに世界に向き合うこと」と、「人生経験からの学びの蓄積」、どう折り合いを付けたらいいんでしょう? 

話し合っているうちに、ふと「でも、自分だって変わるよ?」という天の声が。確かに、自分も相手も状況も時代も変わって行きます。年を重ねて考え方が固まって、目の前の新しい状況を受け入れられなくなっていくのも困りもの。う~む。経験から学んだことが絶対の正解ではないのね。過去は過去。I am not I was, It is not It was! 目の前の事にその都度向き合う必要性はわかった!

「先入観が目を曇らせる」例を考える

あらゆるものも人も変化していくから、先入観に囚われていたら本当の姿が見えない。その事をもう少しリアルに実感するために、身の回りの経験から、先入観によって物事の真実が見えなくなる例を考えてみました。

・「賑やかでノリノリな人」だから軽い人だと思っていたら、辛い経験を越えてきた思慮深い人だった
・バイオリンを持ってバスに乗っている子がお嬢様に見えるのも先入観
・一人黙って自分から話をしない人がいたから、人間嫌いなのかと思っていたら、実はゆっくり落ち着いて話したい人だった
・フェミニストは気が強い…とは限らない
・太った人は意志が弱い(細い人は意志が強い)…とは限らない
・イロモノ風の出で立ちだけど、誰よりも「魚」に詳しい
・天動説が常識だった時代に「それでも地球は回っている」と言える

こんな例がどんどん出てきました。これを見る限りでは、「先入観」は経験から学んだことでもあるけど、「偏見」に近い作用もあると感じました。先入観に囚われていたら、あらゆる発見はなかっただろうし、今後もいろんな事を見過ごし続けていくことでしょう。

先入観は何も見ていないのと一緒??

こんな話をしているうちに、「先入観にとらわれる」とは、「レッテルだけ貼って、本当は何も見ていない、何も考えていない、という状態なのかもしれない」「先入観に囚われていると、自分があらかじめ持っている印象と合うものだけを選択的に見てしまう」ということに気づきました。「スポーツマンは爽やかだ」みたいなことです。自分で見ることも、自分で考える事もサボっている状態です。

先入観が、ただの心の反射にすぎないとすれば、それを捨てるには、いったん立ち止まる必要があります。自分で見て、それに沿って考えること。そのくらいならトライできそうですが、それをするには、意志と精神の力、両方が鍛えられそうです。

世界はいつでも変化しているし、どこにでも謎はあります。初めての事を聞いて「そんなの、聞いたことないわ」と言う時、先入観に囚われた状態の時は「だから間違いだ」の同義語として使っています。先入観から自由になった状態なら「え、どういうこと?もうちょっと聞かせて」と肯定的に寄り添えるはずです(「肯定的に見る」は4回目の課題でした)。

今回は先入観を捨てる練習、というよりは、自分が先入観にしばられている事に気づき、そこから脱する必要性を実感することが中心になりました。練習は、意識することから始まります。「あ、これも先入観(←第5回のテーマ)」とか「肯定的にモノゴトを見てないな(←第4回のテーマ)」とか、自分の状態を意識していけたらいいな、と思います。

▼この他の「6つの練習」は以下をご覧ください。
自分を育てる6つの練習

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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