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【大人】自分を育てる④肯定的にものごとを見る

大人クラスでは「自分を知る」をテーマに、自分の思考・感情・意志を育てていく「6つの行」に取り組んでいます。
1回目 思考
2回目 意志
3回目 感情

4回目の今回は、世の中を肯定的に見ることを通して、「思考」と「感情」を結ぶ練習をしていきました。

心に残る言葉は「忘れてもいいんです」!?

毎回、6つの行をひとつずつまとめたテキストを宿題で読んできてから、実際に取り組んでみる、という流れでやっています。

今回のテーマは「肯定的にものごとを見る」です。今日も、まずは、宿題として読んできたテキストから、各自、大事だと思った所を出し合ってみます。それぞれ、いろんなところを出してくるのですが、今回、みんなに共通して「コレ大事!」と心に響いた言葉がありました。

それがなんと「毎日、忘れてもいいのです」でした。以前、「意志を育てる」の回で、「毎日同じ時間に何か意味のない事をする」という練習がありましたが、全員2~3日しか続けられなかったという経験がベースにあっての「毎日、忘れてもいいのです」。毎回、自分で宿題を出しては挫ける大人クラスの私たちを励ます言葉(^^;)。

潔癖にキラキラと悩む思春期と違い、私たちは、いい加減さやふてぶてしさで笑い飛ばしながら、暖かく自分や周りを許していくことにしましょう。

でも、みんながこの言葉に注目したということは、「本当は毎日コツコツ宿題に取り組もうと思ってたのに、日々の中に紛れちゃった」という自分の1か月を、誰でもない自分が残念がり、「でも、また思い出してやってみよう」と思っている裏返しのはず。

精神の瞬間の輝きは、一生を照らす

さて今回は「思考」と「感情」の練習ですが、「思考」も「感情」も、両方物理の法則では動いてないね、という話になりました。

筋肉は毎日コツコツ積み重ねることで鍛えられ、筋トレを怠るとその分衰えていく。だけど精神は、瞬間的にものすごく輝いたことがあれば、~たとえば友達を守るために勇気を出して先生に立ち向かった経験がたった1回あれば~、思い出すたびその経験が一生その人を照らし、励まし、支えてくれる。みんなそれぞれに、思い当たる節があるようです。

また、「過去は変えられない」という言葉がありますが、「実は、変えられるのでは?」という話も。物理的な過去が変えられないとしても、感情と精神の力でその経験に向き合い、自分の中での位置づけを変えることで、「しんどかったけど、あの経験があったから今の自分がある」と言えるように、失敗を昇華していくことも可能です。

練習。無理にでも寄り添ってみる

次に、感情と精神の練習として、肯定的にものごとを捉えてみる練習をしました。今、違和感を感じていることを出し合い、その中から一番肯定的に捉えるのが難しいことを選び、それを肯定的に理解してみるのです。

この時は、緊急事態宣言の真っただ中。学校もお店も門を閉ざして人々は家に閉じこもり、終わりも答えも見えない中で、正義を振りかざす「自粛警察」と呼ばれる人たちが問題になるほど、人々が様々な犠牲を払ってコロナ収束に向けた努力をしていました。

そんな中で「コロナが広がる危険を承知でパチンコ屋に行く人」について、肯定的に寄り添ってみるのです。とっさに「それは難しい」と思いましたが、感情と思考の筋トレとして、あえて難しい課題に挑戦です!

ケンカ中にケンカ相手の気持ちを最優先に考えて寄り添う。それと同じくらい無理やりな課題ですが、あえて肯定的に捉えてみることはできるのでしょうか。心の筋力が試されます。それでなんとか寄り添ってみたのが次のようなこと。

「常識の方が間違えている可能性はないか」
「外出はダメだ、と言葉としては伝わってるけど、危険性がわかってないんじゃないか」
「子どもなら、それぞれの理解度に応じて、わかるまで伝える努力をするのに、大人は一斉に伝えるだけで、わからない人は放置したままで責める」
「行く必要があってパチンコに行くんだから、代替手段が必要なのでは」
などなど。よし、頑張った! 寄り添えば寄り添えるものです。

言語化することで、自分はその何が嫌なのか、どうしたいのか、それに向けて自分にできる事は何なのか、を考えられます。自分にできる事がひとつでもあれば、課題への対応がまったく変わってきます。蚊に刺されて反射的に叩くように、怒りをぶつけて終わり、違う意見や行動を切り捨てて終わり、ということに、負の感情を拡大再生産するだけじゃなくて、負の感情から建設的な何かを生み出すことができるんですね。

懲りずに宿題

今回は「思考」と「感情」を鍛えるために「ものごとを肯定的に捉える」というテーマに取り組みました。1回やってみたので、あとは各自で
1 今否定的に捉えていることを、肯定的に捉え直してみる
2 自分を肯定的に捉えてみる
という2つを、次回までの宿題にしました。

毎回、なぜか自分たちで「やろう」って言うんです。
「忘れてもいいんです」けどね(笑)。

▼この他の「6つの練習」は以下をご覧ください。
自分を育てる6つの練習

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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