【コラム】言葉の受け取り方
私は、子どもに対して、「かわいいね!」と笑わないようにしています。「かわいい」って、上から目線の言葉だなあと感じるからです。
例えば、たどたどしい話し方で、何かを伝えてくれたとき。上手に歩けなくて、転んだとき。ほっぺにご飯粒がついているとき。負け惜しみを言って、強がっているとき。自分も一人前なんだと反抗してきたとき。
その子が一生懸命したことなのに、かわいいからって笑うのは、失礼だと思うのです。にっこり微笑むことはします。あんまりかわいいので笑いそうになったこともあります。でも、絶対に笑わない。そう心に決めています。
これが、小学生や中学生ともなるととても大切で、失敗しても笑われないとわかっているから、苦手なことに挑戦できたり頑張れたりすることにも繋がっているように思います。
ただ、最近、気づいたことがあります。どうやら、保護者の方は「かわいい」と言われるのも嬉しいようなのです。他の子と自分の子を比べてしまったり、困った出来事があまりに多いと、自分の子をかわいいと思えないこともあるんですよね。だから、「かわいい」って言われることで、お子さんへの愛情を取り戻してくださっているような。
同じ「かわいい」でも、大人と子どもで受け取り方が全然違うんですね。
最近、このことに気づくことができたのは、今、神戸シュタイナーハウスのときに唱えている詩の一節にある「全ての考えを信頼する」を実行しているから。これまでは、「あの子の喋り方、たどたどしくて、かわいいよね!」っていう同業者に出会うと、ただただ困ってた私。でも、そう感じる人がいるなら、「かわいい」を否定しなくてもいいのかもしれない。そんなふうに考え方を改めてみたら、世界がまた少し広がりました。
詩、いいですよ。日によって、人によって、言葉の受け取り方が全然違って、そのとき必要な気づきをくれます。詩の時間は、大人クラスも子どもクラスも合同でしています。聞いてみたい方は、中学生のハローワークにご参加くださいね。お待ちしています。
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えりか先生。神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスを担当。 小学校・放課後等デイサービスを経て、現在は児童発達支援事業所で障害児支援にあたりつつ、神戸・京都において日曜クラスの先生としても活躍中。
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