【インタビュー】society5.0時代に必要な「STEAM型思考」とスキルとは?
こんにちは。STEAM Campusです!
みなさんはsociety5.0という新しい社会が何を実現しようとしているのかご存知でしょうか。
内閣府のホームページには以下のことが述べられています。
このような新しい社会の中で、理系・文系区別なく様々な分野を横断的に学ぶことができる「STEAM教育」が、これからの複雑化する社会において大きな役割を担っていると考えています。
そこで今回は、桜美林中学校・高等学校の校長補佐を務める川原田康文先生にインタビューをさせていただきました。
■プロフィール
神奈川県の中学校で教諭を務め、神奈川県教育委員会指導主事、横浜国立大学准教授、相模原市教育委員会指導主事、立命館小学校ロボティクス科教諭を経て、相模女子大学小学部校長、World Robot Summit(WRS)ジュニア競技委員などを歴任。現在は桜美林中学校高等学校の校長補佐。2003年からLEGOのキットを使ったロボット教育の研究を始め、STEM教育実践者の一人。2016年、日本で初めてPepperを使ったプログラミング教育を実施。LEGO Mindostorms、WeDo、PepperやBBC micro:bit ロボホンなどを使った学習のテキスト作成、小・中・高校生までの系統的なカリキュラム作成に関する研究を行なっている。
━society5.0におけるSTEAM教育の必要性とはどんなことだと思いますか。
現在私たちは、Society 3.0から4.0の間にいると思います。
Society5.0は、内閣府によれば、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会。つまり様々なものがインターネットによってつながり、データの共有がされる中で、人間が生きているのであると思います。「2つの世界が高度に融合」ということをどのように認識するかということですが、おそらくSF映画の1場面を想像するのがいいかもしれません。
近年、STEM教育、STEAM教育という言葉が教育界でも言われるようになりました。一つ一つの教科の学習を独立して学んでいたのを、横断させながら学ぶことで、合理的・意欲的に学ぶことができると考えています。社会の変化とともに、教育における「思考の枠組み」を変えることが必要となり、STEAM教育に注目が集まっていると思います。
レゴは、デンマーク語のLeg godt(よく遊べ)に由来があるが、社会の変化のゴールが見えない、つまり、何が正解か分からないような現代では、試行錯誤を続けていくことこそ、新しい価値を生むと考えられています。
2030年ごろまでには、ChatGPTなどに代表されるAIがさらに進化します。AIの社会実装が進んだ時、人間としての社会的価値は、「ものを創造する力」と考えます。グループで話し合い協働して新たな価値を発信する力であると考えます。
━STEAMの「Art」の認識は幅広いと思いますが、川原田さんの考える「A」とは何でしょうか。
STEAMの「Art」の認識は幅広いと思いますが、川原田さんの考える「A」とは何でしょうか。
これまでのロボットを使った実践から、Aはデザイン力(あるときは、形などを創造する力、ある時は最初から最後まで学び(活動)の筋道を作るデザイン力であると考えていましたが、現在は、さらに大きな視点で考えるリベラルアーツ(一般的な教養)将来につながる学びと考えます。自分から学びたいと考え、なぜ?どうして?と好奇心の眼で見ることでさらに学びを深め広げることができます。一つの視点からものを見るのではなく、様々な角度から見て考えることで、相談する・議論することで、真の課題がみえてくるのです。
STEAMの学習は、この学びというものではなく、いろいろな学びの形があると考えます。
━society5.0におけるSTEAM教育の必要性とはどんなことだと思いますか。
私のこれまでの研究や、海外の方々との話し合ったことから、以下の力が必要だと思っています。
・自分で学ぶ力
・わからないことがあることが楽しいと思い、最適解を求める力
・OECDが提唱するグローバルスタンダードの学力「みんなで相談して問題を解決する力」
【InstagramでもSTEAM情報発信中!QRコードをクリック!】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?